1980年代の「ラジオの留守録」事情
単なる昔話です。
まあ、聞いてやってつかあさい。
1991年にソニーが MD (ミニディスク) 規格を発表するまで、
一般家庭における録音媒体のデファクトスタンダードは 「カセットテープ」 でした。
つまり、お気に入りのラジオ番組を録音 (エアチェック) しようと思ったら
カセットテープに録音するしか選択肢はなかったワケです。
そして、ラジオをカセットテープに録音・再生する機器としては
「ラジカセ」 か 「オーディオシステム (チューナー + カセットデッキ)」
の2択しかありませんでした。
もちろん 「ラジカセ」 の方がお手軽に扱えることは間違いありませんが、
当時の 「ラジカセ」 には ビデオデッキ と違い
「留守録機能」 なんて洒落たモノは搭載されておりません。
つまり、リアルタイムでラジオを聴き、
任意のタイミングでユーザーが録音ボタンを押さなければ、
カセットテープにラジオを録音することはできませんでした。
では一方の 「オーディオシステム」 の方はと言いますと、
やはりこちらも標準では 「留守録」 には対応しておらず、
オプションで 「タイマー」 という製品を購入する必要がありました。
この 「(オーディオ) タイマー」 という製品、
恐らく40~50代以上のオーディオ好きな人でないと御存知ないと思いますので、
ごくごく簡単にその仕組みを説明させていただきませう。
▼ソニーのオーディオタイマーの例
その名のとおり 「指定した時間になると作動する」 という製品でして、
いったい何が作動するのかと言いますと、
「背面に備えられたコンセントに100V電流を流す・流さない」
という動作を行います。
実はこの頃のカセットデッキには、
パワースイッチの周辺に 「タイマーセレクトボタン」 が装備されていて、
「オーディオタイマー」 の電源がONになった時に、
どんな動作 (録音・再生) を行うか、を選ぶことができました。
▼タイマーセレクトボタンの一例
つまり、「チューナー」 と 「カセットデッキ」 の電源コードを 「タイマー」 に接続し、
「カセットデッキ」 の 「タイマーセレクトボタン」 を 「Rec(録音)」 に設定し、
留守録したい時間を 「タイマー」 にプログラムすることで、
ようやく ラジオの留守録 の準備が完了する、というカラクリです。
ちなみにオイラの場合は、引っ越ししたマンションが 「全戸ケーブルテレビ」 仕様で、
その契約先のケーブルテレビの専用チューナーではFM (もちろん音声のみ) も
視聴可能であったため、以後はビデオデッキでFMをエアチェックするようになりましたが。
当時の留守録事情を考えると、2017年の今日では、
家電量販店で簡単に購入できるラジカセでも、
インターネットラジオとフリーソフトの組み合わせでも
お手軽にラジオの留守録が可能であり、
もし聞き逃した場合でも、上手くいけばユーチューブで
聴き逃したラジオ番組を検索発見できるかもしれません。
いや~、今さらながら便利な世の中になったもんだズラ。
長生きはするもんですな。
逆を言えば、当時はそこまでこだわらないと
「好きな音楽を聴く」 と言う行為にまで辿り着けなかった、とも言えます。
今日のように、ほぼ無料で、好きな時に好きな場所で、
好きな音楽を聴ける環境で育った方々とは、
「音楽に対するこだわり」 というか、温度差が生じるのも無理はありません。
だからと言って 「昔はよかった」 などと言う気はサラサラありませんし、
「あの頃に戻りたい」 などとは、ぜ~ったいに思いません。
むしろオイラの場合は、あの頃の不自由さの反動で
21世紀の 「デジタル化の波」 を歓迎している次第でございます。
なんてな。
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▼ 2月定例やまぼうしライブ
日時 : 2月10日(金) 19時30分~21時00分
▼ 関連リンク
2014年1月10日のやまぼうしライブ PAL × Tacaco
トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)
※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です
※オイラがファン倶楽部会長(本人未公認)を務めるアマチュアミュージシャン あやあね のブログです
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※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません
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