「音楽のみに神経を集中して聴く」 ということ

昨日のブログにおいて、
音楽を提供する側の 「自称アマチュアミュージシャン」 も、
ライブハウスにお出でになる 「一般のお客さん」 も、
「音楽を聴く力が低下しているように思える」 旨を申し上げましたが、
その点について少し補足したいと思います。

恐らく全世界的に音楽ファンの 「音楽を聴く力」 は低下傾向にあると推察します。
オイラがそう思う理由は、2016年の今日と比べて30年前の音楽鑑賞事情が、
あまりに変化し過ぎたことが大きな原因であると考えます。

1980年頃まで 「自分のお気に入りの音楽を自宅以外の場所で自由に聴く」 ことは
ほぼ不可能でした。
つまり、当時の主たる音楽鑑賞環境は、自宅のリスニングルームに設置された
レコードプレーヤーやカセットデッキの前に 「居る」 しか選択肢がなかったワケです。

お気に入りの音楽を、旅先に持ち出すことなどヒジョーに困難であり、
就寝前に、寝ながら音楽を聴くことも、決して簡単なことではありませんでした。

オイラの場合、自分の部屋で自由に音楽を聴くことができる環境が整ってきたのは、
たしか1978年頃、親父が買ってきたステレオラジカセによって、ようやく実現したと言えます。
当時は、「音楽を聴く」 こととは、「音楽に集中する」 ことであり、
たとえ期末試験前であっても音楽を流し続け、本来、集中すべき試験勉強よりも、
音楽鑑賞に意識が集中していたことは言うまでもありません。
恐らく日本中の音楽ファンの音楽鑑賞事情は、似たり寄ったりだったと妄想します。

少ない小遣いをやりくりして購入したLPは、それこそ隅々まで集中して聴きまくりましたし、
耳コピしたい曲があれば、何度も何度もカセットテープの巻き戻しと再生を繰り返したモンです。
当然ながら、その繰り返し作業は面倒臭いので、かなり 「集中して」 耳コピいたしました。

そう、音楽を気軽に持ち出せなかった頃、音楽は決して 「消費」 するものではなく、
神経を集中してその世界に没頭し、ハードディスクではなく 「人間の記憶」 に保存していく、
「大切な情報が詰まったデータ」 であったと言えます。

翻って、現在の音楽鑑賞事情を見回してみますと、
好きな音楽を聴くために、わざわざリスニングルームに居座り続けて、
他にやりたいことをやる時間を削る必要もなく、好きな時に、好きな場所で、
インターネットで検索してクリックするだけでいくらでも聴けてしまいます。
あまりにも便利になってしまったため、
わざわざ 「人間の記憶に保存する」 作業を行う必要がなくなってきたと言えます。

また、「捨て曲」 が含まれているかもしれないフルアルバムを購入して余計なお金を払うより、
すでに聴いたことのある、お気に入りの曲だけをピックアップして購入する方が、
たしかに 「賢い音楽の買い方」 だと思います。
いわゆるコンセプトアルバムが売れなくなったのも致し方ない気がしますねえ。

よーするに、「自由に音楽を聴きたい」、「もっと安価で音楽を購入したい」、等々の
30年前以上前からの音楽ファンの 「望んだ方向」 に向かった結果が現在と言えなくもない。

オイラは、定額音楽聴き放題サービス 「アップルミュージック」 のおかげで、
昔、所有することができなかった、数多くの名盤を聴くことができ、ヒジョーに嬉しく思っています。
ただ、便利すぎて 「一球入魂」 ならぬ、「一曲入魂」 の気持ちはさすがに低下していますが。

ただし、本当に聴きたい曲、気に入った曲を 「耳コピ」 するときの集中力は、
それなりに経験を積んだこともあり、以前より遥かにスピードも精度も上がっています。

果たして、自称アマチュアミュージシャンのみなさんや、一般的な音楽ファンのみなさんの
「音楽を聴く力」 というか、「音楽のみに神経を集中して聴く時間」 は、昔と変わっていませんか?

アマチュアミュージシャンで 「イエス」 と答えた方は、
「本当に自分は心の底から音楽が好きなのか」 を自問自答してみてもいいかもしれませんぞ。

なんてな。




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▼ 月定例やまぼうしライブ











  日時 : 5月13日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ WoodyBell (アメリカンフォーク)
       20時15分~ あやあね (劇空間音楽



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トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








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