ライブでの “エス・イー” について考えてみる

2016年3月21日、Apple から iPhone 等をはじめとする新製品が発表されました。
んで、今回の目玉のひとつが、「iPhone SE」 なんだそうな。

世間の一部では、この末尾に付けられた 「SE」 とは、いったい何の略なのか? 
という話題で盛り上がっているとか、いないとか。
一説によると、アップル社のマーケティング担当副社長のフィル・シラー氏が、
「かつて名機と言われた “Macintosh SE”“SE” と同じ。
Special Edition“ の “SE” です。」 と回答したとのこと。

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ふーむ。 なんつーか、アタリマエすぎてつまんねー、というのが偽らざる感想ですな。

まー、世間一般的に “SE” というと、大半の方は前述単語の略、
あるいは “System Engineer” であると解釈すると思いますが、
音楽関係者に限っていえば、“Sound Effect” と解釈する人の方が多いかもしれません。

“Sound Effect” とはその名のとおり、「効果音」「音響効果」 という意味であり、
テレビや映画のMA (編集作業) において、自然の音、環境音、電子音等を
「後付け」 するときに用いられる音のこと・・・でした。 以前は。

ところが最近は、ライブにおいて ミュージシャンがステージに登場するときに流すBGM のことを 
“SE” と呼ぶことが定着しているように感じられます。

まあ、すでに定着してしまっているモノにイチャモン付けてもしょーがないですが、
オイラ的には未だにスゲー違和感を覚えているので、自らSEなどと呼ぶことはなく、
たまにオイラがPA担当しているライブの際に、出演者から 「このSEを流してください」
といわれたら、「ああ入場用BGMですね。わかりました。」 と答えています。

ちなみにプロレス・格闘技界では、選手入場時に流す曲のことを 「入場テーマ曲」 と呼んでます。
少なくともオイラは “SE” という呼び名を聞いたことはありませんね。

つーか、エンターテイメント・ショーとして完成されているプロミュージシャンのライブはともかく、
マチュアのライブにおいて、入場用BGMって必要なんでしょーか?

もちろん一括全否定する気はサラサラありませんが、
複数の出演者が入れ代わり立ち代わり登場するイベントライブの場合、
前の出演者の出番が終わり、次の出演者が薄暗い中でセッティングを行い、
さんざん楽器の出音をチェックした後で、一度、袖に引っこみ、PAがSEを流したら再び登場
・・・しても、なんつーか、間抜けに見えてしまうように感じるお客さんはオイラだけなのでしょーか?

ヒドイ奴 (バンド) になると、薄暗い中でのセッティングの際、お客さんの目を気にすることなく
ギター、ベース、ドラムが各々勝手に個人練習のように数分間にわたって大音量を出しまくり、
ようやく出音チェックが終わったと思ったら、袖に引っこんで、
まるでさっきまでの大音量個人練習が 「なかったこと」 のようにしれっと入場してきて、
「おめーら、よく恥ずかしくないな」 と思ったことは一度や二度ではありませぬ。

いくらアマチュアとはいえ、もう少し 「お客さん目線」 でエンターテイメントのあり方を
勉強し直した方がいいのではないでしょーか?

少なくともオイラにとって 「入場テーマ曲」 とは、
お客さんが待ちに待った、その出演者の 「お目見え」 を演出するための手段 であり、
その前のリハーサル状態をお客さんの目に晒してしまった時点で、
演出効果は半減してしまうと考えます。

複数出演者が登場するライブの場合、出演者入れ替え時のセッティングは不可欠ですが、
少なくとも 「入場テーマ曲」 を有効利用しようと思ったら、大音量個人練習は絶対NGです。
アンプに楽器をつないで、音が出るのを確認したら、それでセッティングは終了。
PAとのライン接続の確認が必要な場合は、
PAオペレーターから回線チェックOKのサインが出たら終わり。
余計な 「音」 を出せば出すほど、暗いステージを見ている観客は、
その後の 「派手な再登場」 に白けてしまいますので、注意されたし。

さらに言うと、せっかく 「入場テーマ曲」 を流しても、
その演出効果をまったく生かしていない出演者が少なくない、とも感じます。

たとえば、既存の曲をSEとして流したとして、その曲をフェードアウトして、
いったん会場内がシーンと静かになったところで、カウントを出して1曲目の演奏を始める
・・・これぢゃあ、ホントにただの 「入場曲」 でしかない。

どーせなら、フェードアウトではなく、カットアウトでSEを切り上げ、
間髪を入れずに1曲目を始めた方が、断然カッコよい。

ちなみにオイラが目撃したアマチュアバンドのSEで、これは面白かった、という事例を
いくつかご紹介させていただきませう。

事例① 本番前の注意事項のアナウンス
「ライブの開演に先立ちまして注意事項を申し上げます。
本番中、あまりの心地良さに思いがけずお眠りになってしまうお客さまを発見されましたら、
やさしく叩き起こして下さいますようお願い申し上げます。
なお、本番中の撮影、録音はくれぐれも好感度カメラやレコーダーにより、
ベストショット、ベストテイクをお撮りいただき、積極的にSNSで拡散くださいますよう、
重ねてお願い申し上げます。」
・・・といった、お客さんの予測を裏切るアナウンスを行う。(あるいは事前に録音しておく)

事例② カウントダウン
サンダーバード」 のオープニングに使われる定番カウントダウン等の音源を流用し、
決め台詞 (例:サンダーバーズ・アー・ゴー!) の後、間髪入れずに1曲目を始める。

事例③ 効果音
雨の音、波の音、風の音、等々、BGMではない本物の 「SE=効果音」 を流用し、
やはりキッカケの音 (例:爆発音等) の後に1曲目を始める。

事例④ BGMの続き
入場BGMが流れる中、ステージに登場し、そのBGMと同じ曲の生演奏を徐々に重ねていき、
1曲目に繋げていく。

・・・等々。

恐らく前述のような 「セッティング中に大音量個人練習を始める ようなバンドの方々は、
“SE” を単に 「入場曲代わり」 としてしか捉えておらず、
リハスタ練習の際に、「SE終わりから1曲目を始めるタイミングの練習」 をやっていない、
あるいは、そもそもそーゆー発想がないのではないか? と邪推してしまいます。

演芸、特に 「お笑い」 の世界では、舞台に登場して一発目の発声やパフォーマンスのことを
「ツカミ」 と呼ぶんだそうな。
オイラは、“SE” とはまさにツカミのための演出効果に他ならないと思いますので、
それなりの創意工夫、研究、練習は不可欠と考えます。

というワケで、なんとなーく身に覚えのある方は一考してみてはいかがでせう。

なんてな。


▼オイラの年代にはあまりにも有名すぎるレインボーのオープニングSE




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▼ 月定例やまぼうしライブ










  日時 : 4月8日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ FJスズキ (ギター弾き語り)
       20時15分~ PAL (S&Gカバー主体のデュオ



▼ 関連リンク












トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です

※オイラがファン倶楽部会長(本人未公認)を務めるアマチュアミュージシャン あやあね のブログです

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※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません

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