本ブログ史上、もっとも過激な記事(その2)

当ブログ記事の原則として、なるべく特定の個人・団体に対する誹謗中傷は控えるようにしているが、
「音楽の利権を漁る金の亡者ども」 に限っては容赦なく誹謗中傷を浴びせる所存である。

さて小室哲哉

色々なブログを拝見すると、
「あんなにいい曲をたくさん作ったのに残念だ」
「音楽産業に数多くの革命をもたらした先駆者としての功績は認めるべき」
等の擁護意見を数多く目にするが、その点についてもオイラは異論がある。

よく小室哲哉を表す言葉として、マーケティングリサーチ と言うフレーズを耳にする。
改めて説明するまでもなく消費者の要望を調査し、
それを商品開発にフィードバックする手法であるワケだが、
オイラが知る限り、ミュージシャンでこの手法を取った先達はいなかった。
いや、実際のところはいたと思うが、大成功を収めたのは小室氏が史上初だったはず。

だが、消費者の要望とは、供給側にしてみれば 「タブー」 領域を多く含んでいたことは想像に難くない。


ちょっち強引だが、プロレス界に置き換えるとわかりやすい (そうか?)
1981年、新日本プロレス初代タイガーマスク佐山サトル) がデビューした。
そして下衆な写真報道雑誌 (フライデー等) は、タイガーマスクの素顔の写真に 懸賞金 をつけた。
プロレス界、プロレスマスコミは、業界内部の誰かが懸賞金に目が眩んで写真を売りつけるのでは?
と危惧したが、結局、タイガーマスクの素顔がフライデーに掲載されることはなかった。
それだけ、プロレス村の住人の 「掟」、「絆」 が強固だったと言うことの証明でもある。

しかし、それから約20年後の2000年。
元・新日本プロレスのレフェリーである ミスター高橋 が業界のタブーを赤裸々に綴った暴露本
「流血の魔術、最強の演技~すべてのプロレスはショーである~」 を発刊した。
それまで業界が守り続けていた 「掟」、「タブー」 を、あろうことか元業界人が破ってしまったのだ。
絶対に一般ピーポーに明かされることがなかった闇のルールやタブーが白刃の下に晒された本書は、
当然のごとくベストセラーとなり、著者・ミスター高橋 には莫大な利益が入ったらしい。

業界関係者の誰もが思っていたこと。
「暴露本を書けばオレは巨万の富を手にできる。
 しかし、もうプロレス村にはいられなくなる。
 オレはプロレスが大好きだし、ずっとここにいたいからそんな本は絶対に書かない!」
と言う思いを、その禁断の果実を破ってしまったのがミスター高橋だった。

もっとも高橋にも言い分がある。
自分がこの本を書かなくともいずれは晒される事態になることは誰の目にも明らかだから、
業界外部の人間よりも内部の、すでに引退している自分が書くことでショックは緩和されたはず、と。


さて、ここで音楽業界における小室哲哉の功罪を見直してみる。

通常、「プロ」 とはシロウトに真似のできない技術を持つ人間を指す言葉だった。
ゆえに 「プロ歌手」、「プロミュージシャン」 には、「シロウトに舐められたら終わり」 といった、
「プライド」、「意地」、がたしかにあった。
もっと具体的に言えば、カラオケで簡単に真似できるような歌い方ではプロとは言えない。
また、オケにしたって、カラオケ打ち込みのバイトくんが簡単に耳コピできるようなバックトラックなど、
プロの意地にかけて、そんな低レベルのオケではCDリリースなどできるはずもなかった。

だが、逆転の発想をしてみると、ここにはビッグなビジネスチャンスが眠っていた。

では、シロウトのカラオケのお手本となる、「プロ歌手」 の歌唱力をシロウトレベルに落とせば、
そのカラオケはよりいっそう歌われるのではないか?
町の通信カラオケで流れるオケのクオリティがCDとほとんど変わらないクオリティだったら、
そのカラオケはもっとヘビーローテーションされるのではないか?
CDの売上よりもカラオケで歌われる回数で稼ぐ方が儲かるんじゃないのか?

ハッキリ言って、すべてのプロがその可能性 (ビジネスチャンス) に気付いていたものの、
「シロウトに舐められてたまるか」 と言う 「プロ」 の意地にかけて、
誰一人として手を出さなかった 「禁断の果実」 にとうとう手をつけてしまったのが、
小室哲哉であり、エイベックスなのだ。

オイラは自称アマチュアミュージシャンであり、バンドマンの端くれでもある。
ゆえに 「グルーヴ」 の欠片も感じられない 「通信カラオケの演奏クオリティ」 も
悲惨極まりない 「カラオケ屋の音響」 も大嫌いだ。

プロのミュージシャンであれば100%毛嫌いして当然のはずのフィールドに自ら飛び込むとは・・・
そこまでして金儲けしたいのか!
と、小室&エイベックスの戦略を心の中で罵ったミュージシャンが大多数だったと想像する。

とてもプロの歌手の歌唱レベルには遠く及ばないタレント、
篠原涼子華原朋美、(当時の) 安室奈美恵、KEIKOなどを恥ずかしげもなくテレビに露出させ、
シロウト同然、いやシロウト以下の歌を流しまくる。
それを聴いて 「これなら私にも歌えるかも」 とCDを買って週末にカラオケボックスに通う消費者たち。
まんまと小室&エイベックスの 「読み」 は当たり、CDはバカ売れ、カラオケはヘビーローテされる。

前述のとおり、今回の詐欺事件に対する、元・小室ファンの意見の多くは、
「あんなに名曲が多いのに・・・」
と語っているが、それもそのはず。
「一般消費者がカラオケで歌いたいと思わせる曲」 を徹底的にリサーチして作り上げられたものだからだ。

その結果、90年代のテレビの歌謡番組のほとんどはものの見事に
「芸能人カラオケ大会」 状態と化してしまった。


幸か不幸か、オイラは小室ファミリー全盛時代にあまりテレビを見ていない。
なので、1995年の年末に久しぶりに歌謡番組を見たときも、
「今年の売上ランキング一位」 として紹介された
「WOW WAR TONIGHT/H Jungle with T」 を知らなかった。
誰だそれ? どんな曲だそれ? と思って期待して見ていたら、あのザマだ。

え? この曲が今年、日本でいちばん売れた曲?
このヘタクソな歌が? この何のひねりも入っていない曲が? ただ愚痴を並べただけの歌詞が?

オイラの音楽人生を振り返ってみてもこのときの衝撃は未だに忘れられない。
ここまで堕ちたか、日本の歌謡界は・・・と心底、思ったモンだ。

と同時に、楽曲のクオリティよりも、売れっ子タレントを起用して自分とコラボさせることで、
お手軽に 「アーティスト」 に仕立て上げ、公共の「テレビ」と言う媒体を利用して
歌謡番組とは名ばかりの 「カラオケ大会」 を繰り広げる小室哲哉「商魂」 に憎悪感さえ覚えたものだ。


その後、テレビで何度か globe が歌っているのを見たが、
もう見ていて何度やるせない気持ちに陥ったことか。
ボーカリストのキーレンジとは明らかにかけ離れた原曲のキー設定。
(作曲者、アレンジャーとしてまったく不適切な配慮だ)
それを差し引いてもあまりにもひどすぎるKEIKOの歌唱力。
いてもいなくてもまったく楽曲には影響がないMARCのラップ。
弾いてもいないのに弾くフリだけしている小室のギター。
そしてそのあまりにも程度の低いパフォーマンスを褒め称える番組の司会者たち。

なんだコレは?
金持ち (小室哲哉) のご機嫌どりの番組か?
結婚式の余興の方がまだましだ。

本来、プロデューサーとはあくまで裏方であり、テレビに露出することはない。
にもかかわらず小室の場合は自分が率先してテレビに出まくり、
自分が作詞・作曲・編曲・演奏、果ては歌ってもいないコーラスにまで出しゃばる始末。
そもそもひとりの人間にそこまでの仕事をこなせるはずがない。
その結果、すべての仕事が (オイラに言わせれば) 低レベルに終わってしまっている。
にもかかわらず、なぜ、小室は自分一人でその役目をこなそうと思ったのか?
もちろん印税収入を独り占めする目的以外にない。
他にあるならぜひ教えてくれ。

そんな考え方で良質な音楽が作れるものか!

オイラは一日も早く 「小室ブーム」 に終焉が訪れることを祈っていた。

(まだまだ続く)




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   料金 : @2000円(ワンドリンク付き)
   出演 : 瀬川信二/コヤブボード、子安フミフィドル、告井隆道/ギター他
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   ※関連リンク・・・ストフェスホームページ
   ※オイラは BLUES和也 として22日のミュージックステージに出演させていただきます

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