オイラ的・馬鹿のひとつ覚え[セカンダリードミナントモーション]

先日、6月28日のドリプラシーサイドライブレポートをブログったところ、
出演者の クロール さんからご丁寧なコメントと次のようなご質問をいただいた。

セカンダリドミナントモーションとはなんぞや?

と言うワケで、本日のブログのお題はコレでいかせていただきませう。


まず話は唐突に約30年前(!)に溯る。
オイラのアマチュアミュージシャンとしてのキャリアは、
中学時代から聴き始めたフォークソングの流れから 吉田拓郎 に辿り着き、
同級生の影響もあってフォークギターを弾き始めた、と言うところからスタートする。

当然のごとくその頃は [C-Am-F-G7 といった、
ごくごくフツーの フォークソング的コード進行」 の知識しか知らなかった。

その後、オイラは 渡辺真知子 にハマるようになり、
自分でもギターを弾いて歌ってみたいと思い、ギター弾き語りスコアを買ってみた。
ところがそのスコアには、それまで見たこともないコードが鬼のように羅列してありぶっくらこいた!
ディミッシュ?、オーギュメント? フラット5?、クリシェ?、ペダルポイント?
なんじゃそりゃーと思いながらもワケわからないままに
コードポジション図を見ながらカッコだけ真似して弾いていたワケだ。

そんな見慣れぬコード進行のオンパレードの中で、ことさらにオイラの琴線に触れた曲があった。
それは 渡辺真知子 の3rdアルバム 「遠く離れて」 収録の 「別れてそして」 と言う曲。

この曲のサビのメロディとコード進行の感じがとっても好きだったので、
早速、ギター弾き語りスコアで確認してみると、次のようなコード進行が載っていた。

[ C → Gm7 → C7 → F△7 → Fm7 ]

(注:原曲キーはFメジャーなのでカポ=5の場合の進行だす)

一見してオイラは疑問に思った。
Cメジャーの曲になぜBフラットが構成音の「Gm7」が入っているのか?
その次の「C」は、なぜただの「C」ではなく「C7」なのか?

それから長い間、この疑問は解消されなかったが、23歳頃だったか、
生まれて初めて 「ギター教室」 なるモノに3ヶ月ほどお世話になり、
そこでツチヤ先生にコード理論、スケール理論などを手取り足取り教えてもらい、ようやく謎が解けた!

それ以降、オイラがオリジナル曲を作るときに常套手段として用いているワザこそが、
「ツーファイブを使ったリ・ハーモナイズ(=セカンダリドミナントモーション)」 であり、
前述の 「別れてそして」 のサビのカラクリでもあった。

※ 先にお断りしておくが、ここからの解説はあくまで 「オレ流」 であり、
恐らくクラシックやジャズ理論に明るい方から見れば、
かなり独善的で間違った解釈も含まれると思うので、その辺はご容赦くらはいまへ。


フォークソングのギター弾き語りからオンガクを始めた方の多くは、
[C-Am-F-G7 と言ったコード進行には馴染みが深いと思うが、
これだけじゃーあまりにバリエーションがなさ過ぎて曲づくりに幅が出ない、と感じてはいないだろうか?
少なくともオイラはそう感じていた。

ヒジョーに乱暴な見方をすれば、
「別れてそして」 のサビの進行である
[C-Gm7-C7-F△7-Fm7]

[C-Am-F-G7
の 「変形」 である、と言えなくもない。

このコード進行、見た目は4つのコードが使われているが、単純化していけば、
[C(Ⅰ・トニック)-F(Ⅳ・サブドミナント)-G7(Ⅴ7・ドミナント)] と言う、
主要三和音による典型的な進行と解釈することができる。

しかしコレではあまりに面白味がないので、トニックコードを [C-Am] に二分割して、
[C-Am-F-G7 に変形した、と言う見方ができる。

じゃあ、[Am] の部分を別のコードで代用することはできないのか?

できます。

その代用コードのひとつが、[C7] もしくは [Gm7-C7] と言うワケだ。

これは、Cメジャースケールにおける [F(Ⅳ・サブドミナント)] を、
一時的に Fメジャースケールにおける [F(Ⅰ・トニック)] に見立てて、
そこに解決する ドミナント 、つまり [C7(Ⅴ・ドミナント)]
もしくは ツーファイブ、つまり [Gm7(Ⅱm7=サブドミナントの代用)-C7(Ⅴ・ドミナント)]
に入れ代える、と言う手法である。

ついでに言えば、「別れてそして」 サビの最後の [Fm7(Ⅳm7)] は、
G7(Ⅴ・ドミナント)] の代用コードとして機能していたりもする。
(こちらの解説は割愛いたしやす)


このワザを駆使した代表的な曲は、一青窈ハナミズキ ではあるまいか。

サビの部分の 「うーす・べ・に・いーろのー」「かわー・い・い・ー」
「・」 で囲った部分に セカンダリドミナントモーション が使われておりやす。

まあ、ハナミズキ 以外にもそこかしこで使われているワザなので、
ベテランの弾き語リストの方の多くは無意識のうちに作曲ワザとして身に付けているものと妄想する。

恐らく先日ドリプラに出演された クロール 氏も 「身体で覚えたワザ」 を、
自然と繰り出されていたのではないかと思うのだが、実際のところはどーなんでしょお?


何はともあれ、この
「トニック以外のコードを、一時的にトニック(Ⅰ)に見立てて、その前にツーファイブを入れる」
と言うワザは、お手軽に 「お洒落感(?)」 を付加できるお得な手法なので、
転調ワザと絡めて使ってみるとオモシロイ曲が生まれるのではないか、と思いまする。

未体験の方はぜひ一度お試しあれ。



よかったら当ブログの過去の関連記事なんかもご参照あれ。
http://blogs.yahoo.co.jp/garage_miho/49507113.html


よすなに。




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