大瀧詠一の伝統芸を継承いただくために

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昨日ブログった 「針切じいさんのロケンロール」 つながりで、
大瀧詠一御大がライフワークとしている(そうか?)
コミックソング」 の芸風を現代の若いアマチュアミュージシャンに継承いただくため、
少~しずつではあるが、その名曲の数々をご紹介していこうではあーりませんか。
(なーんて大そうな風呂敷を広げちゃあいるが、実際は単にブログネタに苦しんでいるだけだす。)

と言うワケで、本日は、時節的にもタイムリーな 「お花見メレンゲ をご紹介いたしませう。

この曲は1977年リリースのアルバム 「ナイアガラ・カレンダー」 の収録曲。

ちなみにこのアルバム、その名のとおり、1月をテーマにした曲から12月をテーマにした曲まで、
計12曲とオマケの1曲を収録するという、誰でも考えつくような安易な企画で制作されている。
だが、収録曲のバラエティの広さ、クオリティの高さ、何よりも斬新なアイディアの豊富さが素晴らすいー。

アルバム収録曲は次のとおり。

 1月  Rock’n’Rollお年玉
 2月  Blue Valentine’s Day
 3月  お花見メレンゲ
 4月  Baseball Crazy
 5月  五月雨
 6月  青空のように
 7月  泳げカナヅチ君
 8月  真夏の昼の夢
 9月  実録、名月赤坂マンション
10月  座・読書
11月  想い出は霧の中
12月  クリスマス音頭~お正月

参考までに、本アルバム収録の 「青空のように」 では、
3年後にリリースされる 「A LONG VACATION」 サウンドの片鱗が伺えます。
・・・と、大瀧御大ご本人がのたまっていたのを聞いた覚えがあるまする。


さて、それではようやく本日お題の 「お花見メレンゲに話を移しませう(イントロ長っ!)

まずはじめに メレンゲ とは何ぞや?
大瀧詠一作品には本曲以外にも 「恋はメレンゲ ってな曲もあり、
ご本人の メレンゲ に対する執着ぶり(?)が伺えるが、
実はオイラ、大瀧詠一を聴き始めて早30年にもかかわらず、
いまだにこの メレンゲ の意味がよく理解できていない。

今さらながらWikipediaで調べてみると、

メレンゲ(英語・スペイン語アメリカ大陸) merengue, フランス語 meringue、
ハイチ・クレオール語 meringue)は、カリブ海にあるドミニカ共和国の発祥のダンス。
早い2ビートの音楽に合わせて2ビートのステップを繰り返す。

と書かれているが・・・
あれ? メレンゲってサンバやサルサのような 「音楽ジャンル」 を指す言葉じゃないのか?
うーぬ、どーもイマイチ納得できない。

改めてもう一度 「メレンゲとは」 でヤフってみると、今度はこんな説明を見っけ。

メレンゲは1840年代にドミニカ共和国で生まれ、
ハイチなどに広がったダンス・ミュージック。
ギターを主体とした編成からスタートし、
ボタン・アコーディオンやサックスが次々にリード楽器として導入され、
メレンゲはそのスタイルを変え続けた。
1960年代に入るとメレンゲ・バンドはサルサ・バンドの編成に接近。
数本のサックスをまじえたホーン編成でリズムもアップ。
現在一般に知られるところのメレンゲである。

ふーむ、こちらの説明の方が納得いきますな。
(とは言え、具体的な音楽的特徴はわからずじまいだが・・・)

▼興味ある方はこちらをご覧あそばせ
http://www.geocities.jp/mashmaxx/mere/merengue.htm

さてそんなワケで、イマイチ掴みどころのないメレンゲ・ビートに乗せて繰り広げられるのは、
ナイアガラレーベルが誇る強力なリズム隊によるチョー能天気な演奏と、
ほとんど 「やる気」 を感じさせない大瀧御大の脱力感溢れるボーカルパフォーマンスでごじゃる。

気になるスタジオミュージシャンは次のとおり。

Drums : 上原“Unbelievable トチリング”裕
Bass : 金田一昌吾
Piano : 井上鑑、上田“メリー”雅人
Guitar : 村松邦男
Steel Guitar : 駒沢“サクラ”裕城
Giro : イーハトブ・田五三九
Clarinet : 岡崎資夫
Chorus : The Kingtones
Vocal : 遠山“桜吹雪”金五郎

ちなみに、ギロ担当の 「イーハトブ・田五三九」 とボーカルの 「遠山“桜吹雪”金五郎」 は、
もちろん大瀧御大の別名でごじぇーます。

▼さらに、クラリネット担当の 岡崎モトオ 氏はこの方なんであります。
http://www.at-s.com/bin/musi/musi0110.asp?id=E6188
山下達郎の 「Solid Slider」 でサックス吹いてる方でおま)


曲そのものは、いたって単純なコード進行とさほど難しくない(と思う)グルーヴで展開するが、
そこかしこに、小ざかしい(?)ギャグと言うか、ネタと言うか、隠し味のようなものがちりばめられている。

たとえば・・・

例によってダジャレを駆使したほとんど意味のない日本語の歌詞
字余りな歌詞を強引に短縮して詰め込む譜割り
多重録音でなければ絶対にノーブレスで歌えないサビのメロディ

そしてなんと言ってもエンディングの 「仕掛け(?)」 が笑える!
「桜散っちゃった パッと散った」 と言うサビのリフレインの最後の最後に、
「トチッタ!」 と叫ぶと同時に演奏もトチると言う、
誰にでも考えつくものの、馬鹿馬鹿しくて誰も実行しなかったギャグを実行する不条理さが素晴らしい!

こういう馬鹿馬鹿しいネタにもクソ真面目に取り組む姿勢を見習いたいモノでございます。



[ お花見メレンゲ

 花見メレンゲ お花見メレンゲ・・・

 桜が咲いた 弥生の空に みんなそろって見に行こう
 朝も早よから 腰弁提げて ニンマリ笑って見に行こう
 桜咲いたッタ パッと咲いた・・・ 咲いた 咲いた

 上野の山じゃ 西郷どんも 浮かれてカッポレ踊りだす
 風サッと吹きゃあ 散る散るミチル 百円らいたあ よく売れる
 桜咲いた後 パッと散った・・・ 散った 散った

 木の回りにゃ お花見客の 夢の後かや ゴミの山
 桜散っちゃった パッと散った・・・ トチッた!






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