ある意味で不条理ソングの最高峰・・・保阿津怒哀声音頭

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故・植木等さんの訃報から調子に乗って、大瀧詠一の不条理ソングネタが続いているが、
もう一曲だけお付き合いくださいなっ。

さて、本日ご紹介する大瀧作品は、
あまりにワケのわからないマニアックなアルバムばかり出し続け、
ナイアガラレーベルのレコードセールスが最悪の頃にリリースしたダメ押しの迷アルバム
「Let‘s Ondo Again」 に収録されていた超・問題作 「保阿津怒哀声音頭」 である。

さて問題。 この曲のタイトル、この漢字は何と読むのでしょう?

答えは 「ホワッド・アイ・セイ音頭」 と読みます。

そう、レイ・チャールスの 「What’d I say」 を音頭にアレンジした曲なのだ。

そしてこの曲、プロデュースはもちろん大瀧御大であるが、
とてもじゃないがこの曲は自分には歌えないと言うことで、
御大の盟友で ブルース・クリエイション の初代ボーカリストである
布谷文夫 が独特のしゃがれ声で、実にコブシの効いた渋いボーカルパフォーマンスを繰り広げている。

ちなみに布谷文夫はナイアガラレーベルのメインテーマ曲とも言える(そうか?)
あの 「ナイアガラ音頭」 のボーカリストでもある。

さらにちなみに、バックコーラスを担当している 長万部(オシャマンベ)キャッツ」 は、
あの 「河原の石川五右衛門 のボーカルチームであり、
メンバーの中には、日本歌謡史にその名を残す歌手 伊集加代子 も在籍していた。

曲そのものは、前述のとおり、レイ・チャールスを音頭でコピる、
と言う、まさにそのまんまの内容で、
ハッキリ言って特筆すべき 「ギャク」 等の 「ネタ」 は少ない。

だが、この曲の 「本当の恐怖」 は別のところにあるのだ。
この曲の 「本当の恐怖」 とはズバリ、歌詞。 つーか、歌詞カード。

と言うワケで、恐怖に頬を引きつらせたい願望を持つ「どM」な方は、
こちらをクリックして歌詞カードを表示した後、本曲を聴いてみていただきたい。





まだワープロなんぞなかった時代に、よくぞここまでやってくれますた。
さすが大瀧御大はやることが違う。

オイラ、一生、御大について行きますぜい。

ところでオイラがこの曲を知ったのは、1981年に発売された、
ナイアガラレーベルの集大成とも言える11枚組みのレコード 「NIAGARA VOX」 からであるが、
最後に、同アルバムに掲載されている本曲に関するライナーノーツをご紹介して、
本日のブログをシメることとしよう。


「MORE MORE NIAGARA FALL STARS」 ライナーノーツより曲解説

1978年「Let’s Ondo Again」より。
“誤解の極み”に挑戦した作品。
途中のアクビのシーンは、小林信彦氏のてんぷくトリオのギャグについての紹介文から思いついたものである。
ガヤガヤのシーンには、星セント・ルイスの諸君も特別参加している。
後半のオシャマンベ・キャッツとのかけ合いの盛り上がりは、
民謡だけでは味わえない躍動感に満ち溢れ、
またR&Bだけでは味わえない、
そこはかとなくたなびく雲の優雅さと、
異質の文化の和合をそこに感じるのは私だけだろうか。
何はともあれ、間違いなく大滝の最高作品の一つである、と言い切りたい。




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