出演者あれこれ

オイラのようなアマチュアPA屋でも、20年以上、PAに関与していると、
様々な異常事態に遭遇したり、常識外れの出演者に出くわし、
ついつい、「不適切な対応」 を取ってしまったことがあります。

本日はPA側から見て 「好ましからざる出演者 の思い出などをご紹介いたしませう。


さて、プロのPAオペレーターの方は、実は凄腕ミュージシャンだったりすることが珍しくありません。
オイラがまだPA見習いだった頃、そんな方のPA現場をお手伝いしていたときのこと。

その日は複数のアマチュアバンドが出演する企画ライブのPA現場。
とあるフリースペースを貸し切り、PAを設営いたしますた。
各チャンネルの回線チェック、ハウリングチェックが終わり、リハーサルを始めたとき、
大学生と思しきバンドがステージに上がり、各メンバーが勝手に練習を始めます。
リハーサルとバンド練習を勘違いしている、アマチュアバンドにはよくある光景なので、
まあまあ、これだけならまだ許容範囲。

ほどなくドラムのヤツが、タムのチューニングをいじりはじめるが、なかなか納得できない様子。
すると、そのドラムのヤツがPAチーフにこんな一言を放ちました。
「すみませーん、このタム、他のモノに交換してもらえませんか?」
この一言を聞いたPAチーフは、恐らくカチンときたと思われますが、そんな態度はおくびにも出さず、
「どーしたの? タムが不良品っぽいのかな?」
「ええ、いくらチューニングしても安定しないんです。」
「ちょっと待って、いま、そっちに行くから。」

実はこのPAチーフ、ドラム教室の講師でもある凄腕ドラマー。
そのドラマーに替わって、さささっとタムのチューニングを手直しすると、
そのまま、ドラムソロを叩き始めました。

文句を付けていたドラムくんはもちろんのこと、
勝手に個人練習をしていた他のパートのメンバーも途端に音を出さなくなり、
その超絶技巧なドラミングに呆気にとられてしまいました。

そして、PAチーフが約30秒のドラムソロを終えて一言。
「別に不良品じゃないと思うよ。 このチューニングで大丈夫かな?」
もうそのドラムくんは、「はい、大丈夫です・・・」 と答える以外に選択肢はなかったとさ。


数多の出演者の中には、こんな風にPAオペレーターを 「楽器ができない素人」 と
高を括って、舐めた態度で接してくるヤツが、ごくごく稀にいます。

正直言いますと、「コイツら、PAを舐めてやがるな」 と感じたとき、
「ちょっとイジメてやろうっかな~」 と思う時が、オイラはあります。

実際に行動に移す場合はそれほど多くありませんが、たとえば、リハで出演者に音出ししてもらい、
「モニターバランスはどうですか?」 と尋ねてみると、
実際には特に問題ないのに、「通」 ぶって、何か一言、言ってやろうと背伸びするヤツがいます。

「音がカタイので、もう少し丸くしてください」 だと?

そんなときは、たいていこんな風に対処します。
「音を丸く?ですか。 ではEQのハイをひと目盛り下げます。 今度はどーですか?」
「はい、さっきより聴きやすくなりました。 ありがとうございまーす。」
・・・って、実はEQを動かした 「フリ」 だけで、さっきと同じ音質だよっ!

当然ながら、大半のミュージシャンはアマチュアと言えども、
EQを操作して音の変化があったか、ないか、を聴き分ける 「耳」 を持っているので、
こんな小手先の嫌がらせ技がそもそも通用するはずありません。

ほんのひと握りのカッコつけミュージシャン (自称アーティスト) の中には、
「ただPAに対して何か一言、言ってやりたいだけ」 というヤツが実在するんです。
ま、そーゆーヤツに限って、大したパフォーマンスはできないんですけどね。

逆にPAの立場からすると、
「モニター? いいよ、適当で」 という出演者ほど警戒心 (?) を抱いてしまいます。
オイラの経験則から言わせていただくと、自分 (たち) のパフォーマンスに
絶対の自信を持っている方たちの定番セリフであり、たとえPAがなくとも、
ナマオトだけで完全にバランスの取れた出音を出すことができる、という意味と解釈できます。

つまり、PAをプラスすることによって、外音のバランスが崩れてしまったら、
それはすべてPAの責任ということになるワケです。

さらに言えば、こーゆー上手いバンドは、最初こそ 「モニターは適当でいい」 と言っているものの、
リハが進むに従って、「フットに少しだけ●●を足してくれるかな? ああ、そのバランスが最高」
というように、少しずつ、わかりやすいリクエストを指示してくれるなど、
PAが気持ちよくオペできるよう、出演者の方がPAを 「乗せて」 くれるんです。

こんな風に 「乗せられて」 しまうと、いつも以上に気合を入れてPAをオペしたり・・・
なーんてことがあったりしましたねえ~。


というワケで、PAと言えども人格を持った一人の人間なので、
エラそうな口を利く割りに演奏技術は大したことなかったり、
PAに対して舐めた態度で臨んでくる出演者には、カチンときます。

逆に、凄腕なのに謙虚な態度で接してくれたり、PAに対して過剰に気を遣ってもらったりすると、
こちらの方が恐縮してしまい、期待に応えねば!と思ってしまう次第です。

さて、みなさんのPAに対する態度やいかに?




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▼ 10月定例やまぼうしライブ












  日時 : 10月14日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ 竹田キミヒコ (ギター弾き語り)
       20時15分~ 荒井 豊 (静かなギター)



▼ 関連リンク












トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です

※オイラがファン倶楽部会長(本人未公認)を務めるアマチュアミュージシャン あやあね のブログです

※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクトです

※オリジナル曲や関係各位のライブ音源等をアップロードしてあります

宅録作品や関係各位のライブ映像等をアップロードしてあります

※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません

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