「J-POP」 ではない 「ニューミュージック」 の底力

2005年9月に 「iPod nano」 を購入して以来、
オイラの自宅での音楽鑑賞のプラットフォームは 「iTunes」 メインとなっております。
当初は、CDのリッピングに加えて、DAWを使ってアナログレコードをデジタル変換し、
HDに取り込むなどの作業を行っていましたが、2015年の現在においては、
専ら iTunesストアからのダウンロード購入 
アップルミュージックによる定額音楽配信 の併用にシフトしてきております。
しかし、一部の邦楽ミュージシャンのカタログは未だに iTunesストア にないため、
CDを購入する以外の方法がない、というケースもあります。

オイラの場合、その筆頭となるのが 松任谷由実 でございます。
特に1980年代リリースの
「水の中のASIAへ」
「昨晩お会いしましょう」
「PEARL PIERCE」
「REINCARNATION」
の4枚は、二十歳前後の頃に友人からアナログ盤をお借りして、カセットテープにダビングし、
ヘビロテ視聴していたため、かなり思い入れがあると同時に今でも名盤であると確信しています。
その後は、中古でアナログLPを入手し、思い出した頃、タンテで聴き直したりしていました。

ただ、やはりアナログ盤をデジタル変換した音源と、
メーカーがリマスターしたCDでは、断然、後者の方がバランスが良いので、
いつかはリマスターCDも購入したいと思っておりました。

んで、先日、ようやくこの中から 「REINCARNATION」 を入手し、
数年ぶりにアルバム全体を通して聴き直したところ・・・

「素晴らしい!」

もう、文句のつけようのない、パーフェクトなアルバムであることを再確認いたしました。

作詞作曲がヨイのはアタリマエとして、松任谷正隆 の編曲センスが神がかっているのと、
バックの演奏の見事さ、レコーディング、ミックスバランス、マスタリング、と、
何ひとつ 「落ち度」 がない、完璧完全なスタジオワークではないか、と思います。

中でも、マンタ氏のアレンジによる、ストリングスとコーラスの絶妙さは特筆モノ。
いわゆる 「白玉」 系のオブリガードが、主旋律をまったく邪魔していないにも関わらず、
ピアノやギター等のコード楽器の中に埋まらずにハッキリと自己主張しているというか、
4リズムと同等の存在感を醸し出しているところが特にゴイスだと思います。

つーか、どの楽器もあまり 「コード」 を刻んでいないんですよね。
各パートがそれぞれの旋律を奏でることにより、結果としてコードを演出している、
という、まさにアレンジの主目的を見事に体現しています。

恐らく、同時期の他のアレンジャー同様、マンタ氏も当時のアメリカの最先端の音楽を聴いて
そのアレンジ術を参考に、自身の編曲スキルを磨いていったものと妄想しますが、
オイラ的には、まったく 「元ネタ」 が想像できません。

時代背景から推測するに、AOR系に強く影響されていることは間違いないでしょうが、
そのうちの 「誰」 からの影響が強いのか、オイラは推測することができません。
強いて言えば、多くのアレンジャーの 「いいとこどり」 をしているような気がします。

また、この 「REINCARNATION」 のリリースが1983年であることを踏まえると、
マンタ氏がKBで参加した 大滝詠一 「A LONG VACATION」 (1981) の
レコーディングからも影響を受けているかもしれませんねえ。

いずれにしても、マンタ氏の緻密すぎるアレンジと演奏者の卓越した技術により、
最上級の素晴しい音楽が生成されていると感じ入る次第です。

「J-POP」 という言葉が定着したのが1989年頃、とのことなので、
本アルバムは、当時 「ニューミュージック」 というカテゴリーに括られていたことになります。
もっとも、2015年の現在では 「J-POP」 の範疇に入っているようですが。

しかし、オイラ的には、この1980年代前半までにリリースされた 「ニューミュージック」 は、
決して、1980年代後半から台頭してきた「ビーイング系」、「AVEX系」、「小室系」
などと同一視されるべきモノではない、という気がしてなりません。

「一曲」 を制作するために注入される、関係者の音楽技術や情熱の 「濃度」 や 「量」 が、
後の 「J-POP」 とは比べ物にならない、とオイラは感じます。

小室哲哉に代表される90年代の 「粗製濫用」 的音楽と、
この頃のニューミュージックの 「職人技」 的音楽の違いをハッキリと聴き分けられる力を、
たとえアマチュアでもミュージシャンを自称する方は、ちゃんと持たなければいけないと思います。

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▼ 月定例やまぼうしライブ












  日時 : 9月11日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ Floating Jam (変態反則系デュオ)
       20時15分~ Cup of Soul (卑猥淫乱系デュオ
 


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トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








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