FOSTEX MODEL 812
昨日のブログで 「マスターフェーダーのないミキサー」 の一例をご紹介しましたが、
もちろん同様の製品は少なからず他にも存在しています (いました) 。
オイラ的に記憶に残っているのが1989年に フォステクス からリリースされた、
8トラMTRとの併用を前提に設計されたレコーディングミキサー 「モデル812」 。
一昨日のブログで紹介した 「AHB SYSTEM8」 が 「モニターブロック式」 であるのに対し、
こちらは当時の主流である 「インライン式」 を採用しています。
「インライン式」 とは、各入力チャンネルの一部のAUXセンドに
「テープリターン」 機能 (ボリューム、パン、等) への切換えを可能とした仕様のことで、
レコーディング (オーバーダビング) 時は主に 「テープリターン」 として使用し、
ミックスダウン時は 「AUX(エフェクトセンド等)」 に切換えて使用する、
というのが定番の利用方法でありました。
▼ルーティングボタンの上の 「GAIN」、「PAN」が 「テープリターン」 ブロックで、
ミックスダウン時は最上部の 「トリム」 ツマミの下のボタンを 「TAPE」 に切換えることにより
「GAIN」 ツマミは 「AUX (EFX SEND3)」 として機能します。
「インライン式」 (つーか 「レコーディングミキサー」 というカテゴリーそのもの) は、
幸か不幸かDAWの著しい進化に伴い、20世紀で完全に 「過去の遺物」 となってしまいましたが、
オイラ的には複雑ながら実に理にかなった 「省スペース設計」 だと思います。
ま、インプットチャンネルに 「インライン式」 を採用したのはよくあるパターンですが、
この 「モデル80」 の省スペース設計思想はそれだけにとどまらず、
本来であればMTRへの信号を送るマスターボリュームとなる
「グループフェーダー」 を4本、あるいは8本配置した後で、
さらにそれらグループをまとめる 「マスターフェーダー」 を配置すべきところを、
「グループ7-8」 フェーダーに 「マスターフェーダー」 機能を兼用させてしまった!
というのがこのミキサーの変態チックな特徴でした。
「8トラック同時録音する時以外は 『グループ7-8フェーダー』 は使うんじゃねえっ!」
とでも主張したかったのでしょーか?
さすがにオイラ的には 「これはやりすぎ (省略し過ぎ) だろう」 感は否めず、
まったく購入意欲が沸きませんでした。
ちなみに入力チャンネルを 「20」 に拡張し、16トラックMTRに対応した
「モデル820」 という製品もラインナップされておりました。
オイラが知る限り、これら製品を使用していたという知人はいませんでしたが、
実際の売上状況はどんな案配だったのでしょう。
少しだけ気になります。
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