第56回グラミー賞に起こった 「歴史的事件」 (?)

「リアルサウンド」 のサイト に次のような記事が掲載されておりました。


宇野維正が今年のグラミー賞授賞式を分析
ダフト・パンクグラミー賞パフォーマンスは、なぜ “歴史的事件” だったのか

今年のグラミー賞で、なんといっても最大の話題を集めたのは ダフト・パンク だろう。
もちろん主要2部門含む4部門制覇という受賞結果も快挙だが、
音楽ファンにとってその何倍ものインパクトと感動を与えてくれたのが、
当日の彼らのライブパフォーマンスだった。
そもそも、ダフト・パンクがテレビに出演するのはこれが6年ぶり
(2008年、同じくグラミー賞カニエ・ウェストのパフォーマンス中にサプライズ出演して以来)。
ライブ自体も、4年前に盟友フェニックスのニューヨークでのライブにサプライズ主演したのが最後。
昨年も、『ランダム・アクセス・メモリーズ』 リリース直前に開催された
アメリカのコーチェラフェスティバルや、何故かオーストラリアの田舎町で行われた
世界最速リスニングパーティーに姿を現すのではないかという噂が世界中で飛び交ったが、
結局現れることはなかった。
(なのに、同時期に開催されていたF1のモナコ・グランプリのピットに
突然現れるという神出鬼没ぶり)
したがって、今回のグラミー賞でパフォーマンスを行うことが事前に発表された時点で、
それは既に 「事件」 だった。

そして当日、その 「事件」 はただの「事件」ではなく、「歴史的事件」となった。
ステージ上に立ったのは、
ネイサン・イースト (ベース)
オマー・ハキム (ドラム)
ポール・ジャクソンJr. (ギター)、
クリス・キャスウェル (キーボード)
という 『ランダム・アクセス・メモリーズ』 参加ミュージシャンにして、
ソウル、AORフュージョン系の音楽に少しでも造詣がある人なら
おしっこをチビっちゃうような超ゴージャスなメンバー。
さらに、そこにゲストとして スティーヴィー・ワンダー がジョイント。
もう、その7人が並んで演奏をしている画を見ただけで嬉しくて涙が出てくるのだが、
さらに泣けてきたのは、そのステージセットが
往年のアナログレコーディングのスタジオを模したものだったこと。
『ランダム・アクセス・メモリーズ』 という作品は、
ダフト・パンク の2人が少年時代に夢中になっていたミュージシャンを実際にスタジオに招集して、
このデジタルの時代にほぼ100%アナログの手法で作り上げてしまった、
2人にとって非常にパーソナルな夢のアルバムだった。
彼らは、そんな自分たちだけが目撃した夢の風景を、
世界中で数千万人が同時に視聴している音楽界最大のショーの中で再現してみせたのだ。

クライマックスは、最初真っ暗だったスタジオブースを覗くコントロールルームの窓から、
突然真っ白なヘルメットとコスチュームに身を包んだ ダフト・パンク の2人が現れた瞬間だった。
「ゲット・ラッキー」ダフト・パンク
「おしゃれフリーク」  (シック)
→ 「アナザー・スター」  (スティーヴィー・ワンダー
という驚きのメドレーが生演奏で繰り広げられる中、
2人はコントロールルームのミキシングコンソールから、
「ルーズ・ユアセルフ・トゥ・ダンス」
「仕事が終わらない」
といった自分たちの曲をマッシュアップしていく。
それは、70年代から現在まで綿々と繋がってきたダンスミュージックの歴史を、
たった5分30秒に凝縮させてしまったような、奇跡としか言いようがないパフォーマンスだった。

ステージ上から一瞬たりとも目を離したくなかったので、正直言っていい迷惑だったのだが、
グラミー賞の中継カメラは会場全体がダンスフロア状態となった客席の
セレブミュージシャンたちを頻繁に映していた。
そこでビヨンセJAY-Zケイティ・ペリーがノリノリで踊っているのはわかるとして、
そしてオノ・ヨーコまでが踊り出している光景には、
「みんな、テレビの向こうの目を気にして無理して踊ってない?」
と思わず心配になってしまった。

一方、日本のミュージシャンの間でも、その衝撃はSNS上で瞬く間に広がっていった。
OKAMOTO’Sのハマ・オカモトは「夢と希望をありがとう!!!」
と同業者としての感動をツイートし、
「ギターを始めた時、ディープ・パープルよりも先にシックを知っていたら、
たぶんまた別の人生だったな僕」 と自身の音楽原体験にまで思いを巡らし、
マイケル・ジャクソン・フリークの西寺郷太はベーシストのネイサン・イース
マイケル・ジャクソンの名曲群のプレーヤーでもあった) のプレイに賛辞を送っていた。
その後も、ASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文をはじめ、
動画サイトでライブ映像を見た多くのミュージシャンが
思わずその感動を呟かずにはいられなかった模様。
かつて、日本のミュージシャンの間でグラミー賞での一パフォーマンスが
ここまで反響を呼んだことがあっただろうか。
その点においても、今年のグラミー賞でのダフト・パンクのパフォーマンスは、
あまりにも特別なものだった。



オイラは70~80年代ディスコ・ミュージック大好き人間で、ダフトパンクのファンでもあるので、
1月29日のブログ記事 に書いたとおり、今回のグラミー賞授賞式でのライブ映像を拝見して、
ヒジョーに満足した一人でありますが、果たして日本の音楽ファンはどれほど楽しめたのか、
ちょっち疑問に感じたりもしていました。

そんな折にこの記事を拝読してうれしく思うと同時に、
さすがにこれは褒めすぎぢゃないか? と思ったりもするワケです。

それにしても、今回演奏されたこの 「ゲット・ラッキー」 という曲、
最初から最後までひたすら4つのコードの繰り返しで
グルーヴは見事なまでにキック四分打ちビートの一本調子であるにも関わらず、
なぜ、こんなにもミュージシャンや音楽ファンの心を捉えて離さないのでしょうか?
興味を持たれたアマチュアミュージシャン各位は、そのカラクリを研究解析して、
自分のオリジナル曲にその手法を取り入れない手はないと思いますけどね。


転じて日本のグラミー賞・・・と言えなくもない (?) 日本レコード大賞に目を向けてみると、
日米のポピュラーミュージックに対する音楽業界の姿勢と言うか、意識の低さに
怒りや嘆きを通り越して諦めを感じずにはいられません。




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  ▼ 月定例やまぼうしライブ
  日時 : 2月14日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内c容 : 丸山研二郎 (ギター弾き語り)
        杉本あきら (ギター弾き語り)


▼ 関連リンク













トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です

※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクトです

※オリジナル曲や関係各位のライブ音源等をアップロードしてあります

宅録作品や関係各位のライブ映像等をアップロードしてあります

※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません

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