アウトプット・ゲイン

マチュアレベルのライブPAにおいて 「あれば便利」 なエフェクターのひとつに
「コンプレッサー」 があると思います。
もちろんプロのライブPAでは必要不可欠で、アマチュアPAであっても 「使いこなせれば」
ヒジョーに有効なエフェクターであることは間違いありません。

かくいうオイラもアナログミキサーを使用していた頃は、
ミキサーのメインアウト ~ 2chコンプ ~ グラフィックEQ ~ パワーアンプという具合に、
トータルリミッター的な使い方しかしたことがありませんでしたが、
デジタルミキサーを使用するようになってからは、
全チャンネルにコンプが装備されていることから、勉強がてら、積極的に使用するようになりまして、
現在では 「なくてはならない」 エフェクターの一つとなってきています。

総じてコンプに代表される ダイナミクス系」 エフェクトは、
バーブ/ディレイに代表される 「空間系」、コーラス等に代表される モジュレーション系」
エフェクターに比べると、その効果がわかりにくかったりするワケですが、
逆を言えば、いかにお客さんに気付かせることなく、音の変化を伝えることが醍醐味とも言えます。

うーん、我ながらわかりにくい表現だ。

たとえば、一般的なコンプレッサーには次のようなツマミが装備されています。

スレッショルド (スレッシホールド)
・レシオ
・アタックタイム
・リリースタイム
・アウトプット・ゲイン (メイクアップ・レベル)
・ソフト・ニー

中には一部のツマミが省略されているものや名称が異なるものもありますが、
一般的なデジミキ・DAW内蔵のものであれば、ほぼ上記パラメーターで統一されているように思われます。

本日はオイラがアコースティック系ライブで多用しているツマミ = 「アウトプット・ゲイン」
について、少しだけ述べさせていただきまする。

▼ YAMAHA O1V96 のコンプ画面 = Out Gain
イメージ 1


▼ Steinberg Cubase7 のコンプ画面 = Make-Up
イメージ 2


▼ PreSonus Studio One 2 のコンプ画面 = Gain
イメージ 3


▼ Propellerhead Reason のコンプ画面 = Output Gain
イメージ 4


▼ Line6 M20d のコンプ画面 = Output Gain
イメージ 5


「アウトプット・ゲイン」 は、入力した音をコンプレス=圧縮処理した後に、
その音を増幅して出力するためのボリュームツマミです。

コンプにインプットする前の段階で、すでに音量の大きな楽器、
たとえばキック、スネア、ベース等であれば、「圧縮」 するだけで事足りると思いますが、
反対に、入力段でそれほどレベルが大きくない楽器や、
小さな音から大きな音までの音量差 = ダイナミクスが激しい楽器の場合は、
「圧縮」 するだけでなく、ある程度 「かさ上げ」 の処理が必要となります。

その代表的な楽器が 「アコースティック・ギター」。
つま弾くような繊細なアルペジオの場合は、フェーダー等により音を大きくしなければならないし、
逆に力強いストロークの場合は、音を小さくするように操作しなければなりません。
これをある程度、自動的に処理させるためにコンプレッサーを活用するワケです。

まず、演奏者に力強いストロークを演奏してもらいます。
その状態のまま入力レベルを 「PFLメーター」 等で視認し、ゼロデシになるようトリムをセット。
続いてチャンネルインサートのコンプレッサーを立ち上げ、
スレッショルド「レシオ」 ツマミを使って、
適度にゲインリダクションメーターが振れる状態にパラメーターを設定。
当然、コンプ処理後の音は設定前より小さくなります。(-1~-5デシくらい?)

今度は、演奏者にアルペジオを演奏してもらいます。
この状態で 「PFLメーター」 を視認すると、当然、先ほどのストロークよりも音量は小さいはず。
先ほどはコンプレッサーの 「スレッショルド」 と 「レシオ」 をいぢりましたが、
今度は 「アウトプット・ゲイン」 を使ってアウトプット音量を大きくしていきます。
当然、コンプ処理後のアルペジオ音は設定前より大きく聴こえます。

ただし、先ほどのストローク時の音量も大きくなってしまいますので、
再びストロークアルペジオの演奏を繰り返してもらいながら、
コンプのツマミを調整していくことで、いちいちフェーダーを動かさなくても、
アルペジオのときは 「アウトプット・ゲイン」 の効果により、自動的に音が大きくなり、
ストロークのときは 「スレッショルド」 + 「レシオ」 の効果により、自動的に音が抑えられる、
という設定が可能となるワケです。

さらに言えば、アタックタイムとリリースタイムを調整することにより、
ピッキングのパキパキ感 (?) を際立たせることができたりもします。

ある意味、PA屋としての 「気遣い」 を反映することができることが、
コンプレッサーの醍醐味ではないか、と自画自賛してしまう今日この頃。

とはいえ、まだまだコンプについては勉強しなければならないことがたくさんあります。
日々、精進いたしませう。









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