トム少佐、応答せよ

昨日、朝の情報番組を見ていたら、カナダの宇宙飛行士であるクリス・ハドフィールド氏が、
国際宇宙ステーションの中で歌った様子をプロモーションビデオとして制作し、
ユーチューブにアップロードされた、とのニュースを目撃すますた。
(2013年5月14日現在の閲覧回数は約一千万回!)



宇宙ステーションという 「究極の非日常」 とも言える環境での動画というだけでインパクト大ですが、
そこでクリス氏が歌った歌が、デビッド・ボウイスペイス・オディティ であったことが、
特に欧州や北米の方々的には、さらにインパクトに拍車をかけたように思われます。

スペイス・オディティ は、ボウイ にとって2枚目の同名アルバム (1969年) からのシングル曲で、
その前年 (1968年) に公開された スタンリー・キューブリック 監督によるSF映画の金字塔
「2001年宇宙の旅」 にインスパイアされて制作された、というのが定説となっております。

「2001年宇宙の旅」 の原題 = 2001 A Space Odyssey
Odyssey = 長期の放浪冒険の旅 を、Oddity = 風変わりな人、変人 と
モジった辺りにボウイのセンスを感じます。

んで、この スペイス・オディティ の歌詞ですが、ネット検索したら次のような訳詞に目が留まりました。


▼上記サイトから無断転載
地球管制塔より  トム少佐へ
地球管制塔より  トム少佐へ
プロテイン錠を服用して ヘルメットを装着せよ

地球管制塔より  トム少佐へ
地球管制塔より  トム少佐へ
秒読み開始  エンジン起動 
発火装置確認  神のご加護を君に…

(10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,発射)

こちら地球管制塔  トム少佐へ
やったぞ 大成功だ!
君の着てる服のメーカーだけでも特ダネになるぞ
そろそろカプセルを離れてみては? やれそうか?

こちらトム少佐  地球管制塔へ
今,ドアから踏み出すところだ
非常に不思議な感じで浮いている
今日は,星もまったく違って見えるよ

ここでこうして
宇宙船に座っている
全世界の遥か遠く
惑星地球は蒼い
そして 僕はあまりにも無力だ

遥か10万マイルも旅してきたが
気持ちはとても落ち着いている
この宇宙船に,先は任せておいて大丈夫そうだ
妻に とても愛していると くれぐれも伝えてくれ

地球管制塔より  トム少佐へ
回路が故障しているぞ 異常事態だ
応答せよ トム少佐
応答せよ トム少佐
応答せよ トム少佐
応答せ…

こうして宇宙船の周りを回っている…
月から遥か遠く
惑星地球は蒼い
そして 僕に出来ることは何も無い

ちなみに、ボウイの作品には 「トム少佐」 以外にも次のように架空のキャラクターが有名です。

ジギー・スターダスト = 異星からやってきた虚像のロックスター
シン・ホワイト・デューク = 極右派の痩せこけた白人の伯爵

上記キャラクターが登場する 「ジギー・スターダスト」ステイション・トゥ・ステイション は、
数あるボウイの名曲の中でもあまりにも大好きな曲なので、別の機会にブログらせていただきますっ。


いやー、それにしても思いがけず、デビッド・ボウイ の名曲がこのようなタイミングで脚光を浴びるとは、
昔からのボウイのファンとしてはヒジョーにうれしく思います。
それも、レッツ・ダンス以降のポップ路線時代の作品ではなく、
暗く陰鬱でカルトスター時代の楽曲であったことが、さらに輪を掛けます。

冷徹で、非人道的で、感情を表に出さない、何を考えているかわからない、
そんなキャラクターを演じていた デビッド・ボウイ に、オイラはシンパシーを禁じ得ません。


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