ベリンガーX32がもたらすデジタルオーディオ伝送システムへの期待

一昨日のブログにてベリンガーがおニューのデジ卓を発表した旨を掲載いたしゃーした。
このデジ卓に関しては、その後もあまり目新しい情報を入手できないので多くを語ることはできませぬが、
本製品と密接な関係があると思われる製品が気になったので、
本日はそちらについてブログってみたいと思いやすっ。

その製品がこれ、Behringer POWERPLAY P16-M

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さて、これはいったい何をどーするものか、一目で理解された方はどれだけいらっしゃるか?
コイツはいわゆる 「キューボックス」 でありやんす。

キューボックスとはなんぞや?
キューボックスってのは、よくプロミュージシャンがレコーディングスタジオで演奏する時、
ヘッドフォンをつけている姿を見かけると思いますが、
そのヘッドフォンから聴こえる音のバランスを調整するサブミキサーのようなモノざんす。

▼キューボックスをいぢる山下達郎師匠の図
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たとえば、1chにすでに録音済みのドラムトラック、2chにベース、3chにギター、
そして4chに、これから自分が演奏あるいは歌入れしようとしている音を、
レコーディングミキサー側から送ってもらい、演奏者 (歌手) は手元のキューボックスで
自分の好みのバランスに4chの音をミックスしてヘッドフォンでモニターできる、と言うシロモノでござんす。

ただこのキューボックスと言う製品、
ハッキリ言ってプロ用レコーディングスタジオ御用達のシロモノであるため、
アマチュアミュージシャンにはあまり馴染みがなく、価格だって軽く20~30万円を超す。
唯一、アマチュア向けと呼べるモノがあるとすればこれ。

OZ-AUDIO の、その名も Q-MIX
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http://www.studiorent.de/VK/QMix.htm

しかし、このキューボックスはあくまでレコーディングスタジオ用のモノであり、
ライブで活用するような機器ではない。
・・・と言うのが今までの常識だったと思うのだが、どうも数年前から、
このキューボックス方式をライブでも活用しよう、と言う動きが出てきているようだす。

その代表的な製品と言えばコレ。
Roland M-48
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http://www.roland.co.jp/products/jp/M-48/index.html

コイツはローランドが開発したデジタルオーディオ伝送システム REAC を活用した製品で、
デジタルミキサーから送られる16chの音を受信し、
任意のバランスで音をミックスし、モニター (音を聴く) することができる、と言うモノ。

と、これだけ聞くと、それがどうしてそんなに画期的なのか理解できないかもしれませぬが、
従来・・・つーか現在のPAシステムで同じことをやろうと思ったら、
ステージとPAブースを繋ぐ生命線とも言える 「マルチケーブル」 が倍以上必要となってしまう。
いや、演奏者分だけ信号を 「分岐」 することを考えたら、3~10倍のケーブルが必要かもしれない。

しかし、このデジタルオーディオ伝送システムでは、ステージとPAブースを繋ぐケーブルは1~2本だけ!
しかも比較的安価に購入できる CAT5e (いわゆるLAN) ケーブルで済んでしまう!
そしてステージ上、あるいはPAブースで必要に応じてパラボックス (?) で分岐すれば、
16chの音を好きな場所でモニターすることができるのだ!

もちろん実際にモニターするにはヘッドフォン、イヤフォン、モニタースピーカー等が必要だが、
演奏者が自分の好きなバランスでモニターできると言う自由度は何物にも代えがたい。

現在のPAシステムでは、演奏者のモニターバランスを作るのはPA側のスタッフであるが、
このデジタルオーディオ伝送システムでは、その作業が演奏者側にシフトするワケだ!

とは言え、現時点でもっとも安価と思われるローランドのシステムでも
実際に導入しようと思ったら、恐らく最少スペックでも150万円は下らないはず。

それに対し今回のベリンガーのX32を併用した POWERPLAY P16 モニターシステム はどうなるのか?

以下はまったくのオイラの妄想の世界の話となるかもしれないが、
ステージからPAブース側への伝送は現在のマルチケーブル方式を踏襲し、
PAブース側からステージへの 「送り/返し」 のみをデジタル伝送システムにすれば、
恐らく50万円未満でキューボックス方式のモニターシステムが実現できるはず!

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ベリンガーとマイダスが業務提携 (?) したとのウワサなので、
恐らくX32のリアパネルに装備されたLAN端子はマイダスのデジタル伝送規格となるはず。
であれば、「鍵」 となるのはマイダスの関連製品、
もしくは今後ベリンガーが発表するであろうデジタル伝送システムの価格次第と妄想いたしやす。

もしも・・・もしもこのデジタルオーディオ伝送システムを導入することができれば、
今まで不毛の争いを繰り返してきた (?) ミュージシャンとPAオペレーターの抗争、
「すみませーん、ギターの音をもっと大きく返してくださーい!」
「すみません、ハウリングするギリギリの音量なのでコレ以上は無理です。」
等のやりとりがかなり解消され・・・たらいいなあ~と思います。

少なくとも、すでにプロのライブでは珍しくない IEM (イン・イヤー・モニター)
活用できることだけは間違いないっ。
もっともワイヤレス化することはヒジョーに難しいですがね。

いやー、妄想だけで盛り上がっちゃいますな~・・・ってオイラだけかもしれませんが、
いよいよローカルなPA屋さんのデジタル化も第2フェーズに入ってきたような気がします。

▼Behringer POWERPLAY P16-M の主な仕様
● 16-Channel Digital Personal Mixer
● 16-channel digital stereo mixer to create your personal monitor mix
● Ultra-intuitive "analog" operation with total recall and 16 presets for custom mixes
● State-of-the-art 24-bit D/A converters for premium audio quality
● 16 Channel Select buttons with dual LEDs for perfect overview
● Level and Pan/Spread control per channel with LED meter
● 3-band EQ per channel with mid-band frequency control
● Solo and Mute functions per channel
● Global Level and EQ controls plus Panic Mute function
● High power and "drummer proof" headphones output
● Fully adjustable limiter protects your ears and headphones
● Additional mono/stereo line output to connect your powered monitor
MIDI IN port for real-time remote control of all channels by external MIDI device such as BEHRINGER BCF2000, BCR2000, etc.
● Standard CAT5e connection delivers power and 16 signals to each Personal Mixers
● ULTRANET connector to daisy-chain up to forty-eight P16-M mixers for large systems (in conjunction with P16-D)
● Ultra-low system latency of less than 1 millisecond
● Powered via external power supply (included) or P16-I / P16-D
● Mounts easily on a mic stand with the P16-MB mic stand mount (not included)
● Extremely rugged construction ensures long life even under the most demanding conditions
● Conceived and designed by BEHRINGER Germany




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