甘ったれるなよ by 坂本龍一

先日の朝日新聞の求人コラムに 坂本龍一 のインタビューが掲載されとりました。
Web上でも閲覧可能なんで、音楽関係者はぜひご覧くださいまへ。
http://www.asakyu.com/column/?id=655
http://www.asakyu.com/column/?id=659


オイラ的にビックリしたのは次の一節。

(前略)
音楽とは何かがまだ自分には分からなかったし、
もちろん僕がその世界で何かできるとも思っていなかった。
その大学時代に結婚し、家計のために地下鉄工事の肉体労働をした経験があります。
しかし親方から「向いてない」と3日でやめさせられ、
ピアノが弾けるので酒場のピアノ弾きのアルバイトに変わりました。
時給は良かったのですが、
自分にとって大切な音楽で安易にお金を稼いだことが今でもトラウマになっています。
(後略)

ええ? その程度のことがトラウマになるの? と言うのがオイラの正直な感想だす。
オイラはもちろんのこと、オイラの近しい音楽関係者はほとんどがアマチュアであるが、
中には上記のような 「簡単な音楽仕事」 を請け負って、いくばくかのお金を稼いでいる方々も少なからずいる。
しかし彼らがそういったアルバイト感覚の営業仕事に対して
「屈辱感」 とか 「劣等感」 のようなものを抱いているようには思えないし、
オイラ自身、そんな感覚はまったく持ち合わせていなかった。

オイラ的には、プロ志望のアマチュアが下積み時代に場末の居酒屋で営業を行うくらいは、
「よくある経験」 程度の認識しかなかったが、さすがに坂本クラスになると、
「自分の音楽に対するプライド」 が尋常ではなかったということなのだろうか。

考えようによっては、これこそが坂本龍一坂本龍一たる所以、と言う気がしないでもないが、
まあ結果的に売れたからいいようなものの、世間一般的には
「そんな意地を張っていたらいつまで経っても音楽で食っていくことなんてできない」
と言うのが実際のところだと思う。

「名」 を取るか 「実」 を取るか、は各人の主義主張、生活基盤等によって千差万別である。
ハッキリ言って坂本龍一のように 「名」 を取って結果的に成功したというのはかなり稀な例だと思う。
では世俗の人間たちは皆 「実」 を取るべきなのか、と問われればそれもまた実に味気なく、
夢も希望もないようでみじめったらしくも思えてしまう。

となると、「儚い夢」 という 「名」 を残しつつも 「実」 を取る、と言うのが
大多数の人間の選択なのだろうと思われる。

そして世の 「かつてプロミュージシャンに憧れたアマチュアのままの音楽家たち」 は、
その儚い夢を垣間見るような気持ちで、前述のような 「居酒屋での演奏」 に臨んだりしている。

同じことやっても志の違いで受け取り方は天と地ほども違ってくる、と言う典型的な例ではなかろうか?

うーん、例によってオチが上手くまとまらないが、
やはり坂本龍一のように 「プロの中のプロ」 にまで上りつめるレベルともなると、
そこら辺のアマチュアが 「プロ志望です」 などとのたまうレベルとは
段違いの 「プロ意識」 なのだということでしょう。

いやはや、今さらながら 「音楽で食べていく」 ってえのは難しいねえ~




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