EQかエコーかそれが問題だ

むかーし、20年くらい前だったか、とあるイベントでこんな出来事(?)があった。
某演歌歌手による約30分のステージプログラムが組まれており、
オイラはそのPAを担当することになっていた。

リハーサルの時間になったので、その演歌歌手の持ってきたカラオケテープを再生し、
ゲイン調整の後、実際に演歌歌手に歌っていただき、
FB (ステージ上の返しモニター) バランスの調整を行っていたときのこと。


オ イ ラ 「歌とオケのバランスはいかがでしょうか?」

演歌歌手 「うん、バランスはオッケーだけど、もう少しイーコーを上げてくれるかな~」

オ イ ラ 「イーコー・・・ですか?」


実はその演歌歌手、東北弁訛り (だと思う) が強く、
ところどころ何を言っているのかわからないところがあったが、
はて、 「イーコー」 とは何のことだろう?

咄嗟に思ったのは、イコライザー、つまり 「EQ (イーキュー) 」 をナマって喋っているのか、
と言う発想だったが、オイラの経験則では、大半の演歌歌手の方は音質補正を表現するときは、
「もう少し音を固く (柔らかく) して~ 」 と言うパターンが一般的なので、
よもや 「EQ」「イーコー」 と発音することはあるまい、と考え直した。

そしてもうひとつ思いついたのが、
バーブ、つまり 「エコー」 をナマって 「イーコー」 と発音したのでは? と言うこと。
たしかに演歌歌手の方で、ボーカルの返しモニターにリバーブ付加を希望する方は少なくない。

と言う結論に至ったオイラは、
恐る恐るリバーブリターンチャンネルのAUXツマミをほんの少しだけ上げていき、

「イーコーを少し上げてみました。どうですか?」

と尋ねると、

「あー、とても歌いやすくなったよ。ありがとう。」

と言われて、ホッと一安心したのだった。

だが、果たして本当に 「イーコー」「エコー」 のことだったのか、
実は EQ で高音域をブーストして欲しかったんじゃなかったのか、
真相は未だに謎のままである。


でもまあ、オイラの経験則では、この手の要望に対しては、プラシーボ効果 というか、
実際にはツマミを回していなくても、

「ハイ。少しだけイーコーを上げてみましたけどどうでしょう?」

と言えば、大概の場合、

「ああ、さっきより聴きやすくなりました。」

で済んでしまうケースが多い。

ハッキリ言って、シビアな音質調整が要求されるレコーディング現場に比べれば、
オイラのような50万円~200万円程度のPA設備での音質調整など、
よほど耳がいい人でも 「聴き比べ」 は難しい、と思っている。

特に、現在のようなデジタルミキサーを駆使した高音質PAではなく、
20~30年前の低価格アナログミキサーに搭載されているようなチープなEQを
一目盛だけ動かす程度の変化を、いったいどれだけの人間が聴き分けられるのか?
オイラ的には疑問が残る。

ちなみに、もしオイラ自身がブラインドテストを行ってみたら・・・
「間違いなく聴き分けられる」 と断言できる自信はありましぇん。
我ながら情けないっ!




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