これぞ幻の名曲! 蒼夜曲~セレナーデ~ by 尾崎亜美

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オイラが初めて 尾崎亜美 の存在を知ったのは1977年のヒット曲 「マイ・ピュア・レディ」 でのこと。
それ以来、尾崎亜美と言えばオイラの中では 「一発屋」 のイメージが強かったが、
その固定観念をものの見事に打ち崩してくれたのが1980年リリースのこの曲。
当時、高校3年生だったオイラの脳裏に見事に焼きついた名曲中の名曲でやる。

「蒼夜曲」 にはアルバムバージョンとシングルバージョンが存在し、
オイラが衝撃を受けたのは後述のシングルバージョンの方。
後年(つーか最近)、アルバムバージョンの方を聴く機会があったのだが、
ハッキリ言って出来の良し悪しで言えば、シングルバージョンの方が圧倒的に素晴らしい!

同じ曲、同じ歌手であってもアレンジ、演奏、録音、ミックスが違うえば、
こんなにも出来が違ってしまうという代表的な例である。

ちなみにこのシングルバージョンは長年にわたり廃盤状態であったが、
2005年にリリースされたオムニバスアルバム 「名曲発掘!ジュエル・バラッズ」 に収録され、
20年ぶりに陽の目(?)を見たという経緯がある。

本アルバムは、当時ヒットはしなかったが、間違いなく名曲であったナンバーの数々が収録されているので、
80年代の隠れた名曲を発掘したい方にはオススメのアルバムではなかろうか。

なお、以前、本ブログで紹介した 「恋ほど素敵なショーはない」 も収録されとります。
▼こちらを参照あれ
http://blogs.yahoo.co.jp/garage_miho/46001189.html


さて、本曲のアナライズであるが、
これはもう、詩・曲・アレンジ・演奏・録音・ミックス、すべてが秀逸であり、文句のつけようがないっ!

特に強調したいのがアレンジの絶妙さと演奏のイキの良さ。
これはアルバムバージョンの陳腐(失礼!)なアレンジと比較すれば一聴してわかる。
イントロ前にプレリュードが付け加えられていたり、
ピアノのバッキングがリチャード・ティーばりに力強かったり、
ベースのスラップがルイス・ジョンソンぽかったり(注:褒めすぎ)、
とにかくシングルバージョンの方が段違いにイキが良い!

アレンジの要としては、サビのアタマの 「ダン!」、「ダダン!」 と言うキメの部分に尽きるでしょう。
それに加えて、キメの部分のあとに続くピアノやチョッパーベースの 「遊び」 フレーズがかっくいー。

当時もカッコイイと思ったが、あれから25年以上経った今、改めて聴き直してもやはりゴイス!
ただ、このシングルバージョンのミュージシャンのメンツがさっぱりわからないのがなんとも残念!

恐らく、後年、尾崎亜美のダンナになった 小原礼がベース であろうことは想像できるが、
他のメンバーは本っ当ぉ~にわからないっ。
どなたかパーソネルをご存知だったらぜひ教えていただきたい。

低音を主体とした力強いバッキングが特徴的なピアノ。
それに対して、力強さは感じないがハイハット、シンバルワークがオイラのツボに入るドラム。
フェイザーっぽいコーラスをかけて実にオイシイフレーズを奏でるギター。
いやー、どのパートの演奏、フレージングもお見事です。

さらに、この録音状態のよさ、ミックスバランスの完璧さ、くどいようだが文句のつけようがないっ!

今回、作曲面でのアナライズは省略するが、
一聴したカンジでは、それほど凝ったコード進行であるとは感じない。
だが、譜割り、と言うより 「キメ」 のポイントやシンコペーションのバリエーションのつけ方など、
どちらかと言うと、やはりアレンジっぽい見地での作曲が絶妙だと感ずる。

もっとも80年代初期はAORが流行し始めと言うこともあり、
今にして思えば、作曲、アレンジに工夫を凝らすというのは当時の流行でもあったと述懐する。


そんなワケで、オイラみたいな昭和30~40年代生まれの世代は、
思いっきりこの頃の「曲・アレンジ・録音・ミックスにこだわる」と言う洗礼を受けているので、
どうしてもいまどきの 「ループ」 を主体とした偶発的(?)な作曲術には馴染めない。

つーか、ガレージバンドに代表される、ループを繋ぎ合わせるだけの作曲術(※)では、
本日ご紹介の蒼夜曲のような緻密なアレンジ作品を作りだすことは至難のワザであり、
それどころか、そんな曲づくりを続けていては、いつまで経ってもアレンジ技術の向上など見込めない。
(※・・・山下達郎曰く 「レディメイド・ミュージック」 !)

いい機会なのでちょっち嫌味を書いちゃいますが、
たま~にネット上でアマチュアミュージシャンの自作曲を聴かせてもらうとき、
作品の説明欄に 「アレンジに凝ってみました」 とか書いてあるので期待して聴いてみると、
弾き語りの曲をただバンドで演奏しただけで、
とても 「アレンジ」 などと呼べるレベルではない作品を耳にすることが少なくない。

オイラ自身、他人のアレンジ術をとやかく言える技術を有しているワケではないが、
それにしても稚拙すぎるので、ついつい書いちゃいました。

70~80年代のニューミュージック、歌謡曲、洋楽AORなど、
今、聴きなおしても実に素晴らしい、緻密なアレンジの作品が多いので、
ひとりでも多くの方に、ぜひとも聴き直して欲しいと、
本ブログを書きながら強~く思いました、とさ。


と言うワケで、長年、尾崎亜美ファンには正真正銘の 「幻の名曲」 であった、
蒼夜曲~セレナーデ~(シングルバージョン)をご清聴あれ。



ついでにアルバムバージョンもどーぞ。





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