シミフェスＮＯ．４ レポート（その３）

まだまだ続く、シミフェスＮＯ．４の１日目の舞台裏編・パート３

電源トラブルは解消されたものの、
ＦＢ（ステージへの「かえし」の総称）サイドの音量が小さいままの原因は解明できず、
しかしいつまでもそこで時間を潰しているわけにも行かないので、
いったんあきらめて、今度はデジタルミキサーのインプット系の回線確認を行う。

すでにステージ上では３組目のパフォーマーである 「レッツ・プレイ」 の面々がセッティングを始めている。

当ブログをご覧のＰＡ屋さんなら、
「別にインプット系の確認なんざ、ど～ってこたぁねえ作業だろう」 と思いのことであろう。

たしかに、フツーのデジタルミキサーとフツーの外部Ａ／Ｄコンバーターとの接続だけなら、
どぉ～ってことのない作業である。
だが、オイラの場合はここにＤＡＷ用のオーディオＩ／Ｆを介在させているため、
ちょっち・・・いや、かな～り変態的な接続を施しているのだ。

ＤＡＷマニアの方向けにその接続内容をご説明いたそう。
興味のない方はすっ飛ばして先に進んでおくんなせ。

※クロックマスターはデジタルミキサー、オーディオＩ／ＦとＡＤＣはスレーブに設定する

１．デジタルミキサー（ＤＤＸ３２１６）のインプットソース
　　１～１６ｃｈ・・・デジミキ本体のアナログインプット
　１７～２４ｃｈ・・・外部Ａ／Ｄコンバーター①からのデジタルアウトプット（ａｄａｔ①）
　２５～３２ｃｈ・・・外部Ａ／Ｄコンバーター②からのデジタルアウトプット（ａｄａｔ②）

２．オーディオＩ／Ｆ（ｄｉｇｉｆａｃｅ）のインプットソース
　　１～　８ｃｈ・・・デジミキからのデジタルアウトプット（ａｄａｔ③）
　　９～１６ｃｈ・・・デジミキのデジタルアウトプット（ａｄａｔ④）
　１７～２４ｃｈ・・・外部Ａ／Ｄコンバーター①からのデジタルアウトプット（ａｄａｔ①）

３．Ａ／Ｄコンバーター①（ＡＤＡ８０００）のインプットソース
　　１～　８ｃｈ・・・オーディオＩ／Ｆからのデジタルアウトプット（ａｄａｔ⑤）

４．Ａ／Ｄコンバーター②（ＶＣ－８）のインプットソース
　　１～　８ｃｈ・・・オーディオＩ／Ｆからのデジタルアウトプット（ａｄａｔ⑥）

この場合、クロック（同期信号）は、デジミキ（クロックマスター）からオーディオＩ／Ｆを経由して、
Ａ／Ｄコンバーター①と②に分配されることになる。
そして、デジミキとＡ／Ｄコンバーター①・②との同期が取れた時点で、
初めてデジミキの１７～３２ｃｈに音声信号が正常に入力されることになる。

つまり、オーディオＩ／Ｆが正常に作動しなければ、
デジミキの１７～３２ｃｈには音声が入力されない、と言うことなのだ。

そして、みなさんご想像のとおり、この日、最悪の事態が起こってしまう。

そう、この日の朝から何度も停電を繰り返していたため、
ＤＡＷ用のパソコン＋ＨＤも何度も強制終了することとなり（恐らく１５～２０回）、
ついには、何度再起動してもパソコンがオーディオＩ／Ｆを認識しなくなってしまったのだ！
ドライバーソフトは立ち上がっているものの、ｄｉｇｉｆａｃｅ本体のエラー表示が消えない！

当然、デジミキとＡ／Ｄコンバーター①・②との同期は取れない。
つまり、１７～３２ｃｈに入力した信号がデジミキに入ってこない。

うーぬ、やヴぁい！　１７～３２ｃｈには、
ドラムタム（ハイ／ロー／フロア）、ＭＣ、ＢＧＭ、予備マイク等がルーティングしてある。

このままではこれら入力ソースをミックスすることができない。
（ちなみにこの時点で、ＭＣとＢＧＭは１～１６ｃｈの空きチャンネルで代用していた）

どーすりゃいい？
って、考えるまでもない。　オイラが取るべき措置はただひとつ。

システムからオーディオＩ／Ｆを外すしか方法はない。
そして、デジミキとＡ／Ｄコンバーター①・②を直結すれば済むだけの話。

その代わり、ＤＡＷへのマルチトラックレコーディングはできなくなるが仕方ない。
そもそも、主催者からは録音のオファーなどなく、オイラが好きでやってることなんだから。

いみじくもオイラがあたふたしてる横で主催者の一人・チャオくぼたが呟いた。
「録音なんてどーでもいいから、ＰＡの方をお願いしますよぉ。」

はい、おっしゃるとーりです。
と言うワケで、渋々、デジミキとＡ／Ｄコンバーターの接続を配線し直し、
レッツ・プレイのパフォーマンス中に、ようやく１～３２ｃｈの全入力が立ち上がったのだった。

まさにアマチュアＰＡ屋ならではの逸話だと自負するが（そうか？）、
でもなー、ある意味、オイラのＰＡ屋としてのステータスは、
この「ライブのマルチトラックレコーディングに完全対応！」を売りにしたいという気持ちがあるんで、
オファーがあろうがなかろうが、ＰＡ現場へのＤＡＷ持ち込みは今後も続けていきてーズラ。

とまあ、こんな経緯でこの日のＤＡＷレコーディングは不可となり、
辛うじて予備用にセットしてあったＭＤレコーダーでＰＡアウト（２ＭＩＸ）を録音するに止まったのであった。

さて、時刻は１１時５０分。
ステージ上では４番目の出演者である 鳥井沙樹子 ちゃんの弾き語りが始まるところ。

そのパフォーマンス中に、なんとかＦＢフットの音量も改善し、
１２時過ぎたころにようやく、電源、ＦＢ、ミキサーインプットが安定し、ほっと胸を撫で下ろした。

ここまでＰＡ関係のトラブルで関係各位にご迷惑を掛けてしまった分、
遅ればせながら、さあ、張り切って後半戦を乗り切ろう！

と気合いを入れたのも束の間。
今度は予想だにしていなかった天変地異がオイラたちに牙を剥き始めたのだったのだったんだった。

（ＴＯ　ＢＥ　ＣＯＮＴＩＮＵＥＤ）

追伸：
をを、なんか連載小説っぽくなってきたじゃねーか！
明日のブログを待て！

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