「ブッチャーを“殺した”男」バッドニュース・アレンさんが死去

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2007年3月7日、また一人、昭和の名レスラーがこの世を去った。

バッドニュース・アレン こと アレン・J・コージ(本名)さん。


1976年2月6日の アントニオ猪木レスリング) vs ウイレム・ルスカ(柔道)
から始まった異種格闘技戦シリーズの要員として、
モントリオール五輪の柔道重量級銅メダリストの肩書きを引っさげ、
1977年11月から同シリーズに 「柔道選手」 として参戦するも、坂口征二 に完敗。
ちなみに、このときのリングネームは バッファロー・アレン・コージ」 でした。

その後は、オリンピックメダリストであるにもかかわらず、
新日本プロレスの練習生(!)となってイチからプロレス修行に取り組み、
世界に通用する名脇役レスラー 「バッドニュース・アレン」 となったことは周知の事実。

過去の栄光(柔道銅メダル)を捨て去り、新しい世界(プロレス)で成功したアレンに対し、
いつまでも過去の栄光(柔道金メダル)を引き摺り、
結局、新しい世界(プロレス)に馴染めなかったルスカとはまさに対照的。

とにかくこの二人(アレンとルスカ)は仲が悪かったらしく、
リング外のトラブル(ルスカの人種差別的発言等)は絶えなかったとのこと。
オマケに二人ともナチュラルに喧嘩が強いと言うことで、
いったん小競り合いが始まるとなかなか収拾がつかなかった、との逸話も聞かれる。


さて、バッドニュース・アレンと聞いてオイラが真っ先に思い出すのは、
アブドーラ・ザ・ブッチャーに止めを刺した男」 と言うこと。

ブッチャー と言えば、当時(70~80年代)の日本で知らない人はいないほど有名な悪役レスラー。
特に70年代後半の全日本プロレスでの活躍時が全盛期と思われ、
81年に全日本から新日本に移籍してからは、その 「神通力」 にも翳りが見え始めた。

とは言え、新日本にとって看板レスラーであることは変わりなく、
全日本時代同様、ブッチャーをボスとする悪役レスラーグループが形成された。
そしてそのグループのナンバー2が、新日本生え抜きの 「バッドニュース」 であった。

しかし、すでにマンネリ化していたブッチャーのファイトスタイルやワガママな性格が災いしたためか、
新日本首脳部はブッチャーの商品価値に疑問符を抱き始める。
そしてついに、プロレスでは定番の 「仲間割れ」 ストーリーが描かれ、
バッドニュースがブッチャーに造反劇を演じることとなった。(恐らく82年頃だったと思う)

そんな経緯でマッチメークされたのが 「ブッチャー vs バッドニュース」 の遺恨試合。

当時の 「常識」 で考えれば、お互いの商品価値を下げぬよう
「両者リングアウト となるのがお約束、と、オイラは高を括っていたが、
果たして試合内容は想像を絶する展開となった!

ぬわんとブッチャーの得意技であった凶器攻撃、
それもビール瓶を鉄柱で割り、その破片を相手の額に振り下ろすという、
当時のテレビ生中継では放送コードギリギリの(そうか?)凄絶な反則攻撃を、
造反者バッドニュースが、オヤブンのブッチャーに見舞ったのだ!

結局、試合はこの攻撃を止めないバッドニュースに反則負け(!)が宣せられた。

「悪役レスラーにとって相手を血祭りにあげての反則負けは勝利に等しい」 と言われていた時代に、
悪役レスラー同士の試合で、この決着はブッチャーの完敗に等しい。

つーか、オレ的には 「新日本がブッチャーに見切りを付けた試合」 として忘れがたい一戦だ。

だが、本来であれば、それ以降はバッドニュースが新軍団を結成していくべきなのに、
クソ真面目で控えめな性格なバッドニュースは、それ以降も 「名脇役」 の道を継続していくのだった。

たしかにバッドニュースの試合は面白味がなかった。
「強い」 ことはその余裕しゃくしゃくのファイトスタイルでよくわかるものの、
あまりに脇役に徹しすぎる真面目さが、彼本来の持ち味を消しているような気がしてならなかった。

後年、UWFインターに移籍し、ようやく本領発揮の機会を得たとは思うが、
さすがに時期を逸した感は否めない。

だが、最後の最後まで、自分を育ててくれた新日本プロレスを裏切ることなく、
第一線から退いた後で他団体(Uインター)に移籍する義理堅さなど、
日本人以上に日本人らしい職人肌のガイジンレスラーでした。


バッドニュースに合掌。





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