これぞ名曲!「シャイニン・オン 君が哀しい」 by LOOK

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昨日、一昨日とブログった 鈴木トオル であるが、
彼にとって最大にして唯一(失礼!)の大ヒット曲がこれ。

1985年にエピック・ソニーからデビューしたJ-ROCKバンド 「LOOK」 のデビュー曲。
「シャイニン・オン 君が哀しい」 だす。

オイラ、このバンドのデビューをリアルタイムで目撃した世代なのだが、
実はデビュー当時はそのイデタチがキライで、まったくと言っていいほど関心がなかった。

この曲にしても、何度となくテレビで目撃したはずなのに、
ぜんぜん 「いい曲」 とは思わなかった。
いや、それ以前にちゃんと聴こうとしていなかった、と言うのが本当のところ。

で、今から5~6年前だったか、すでにLOOKが解散して十数年経った頃、
例によって中古レコード屋で掘り出しモンを漁っていたときにアナログのシングル盤を発見。
「あ~、こんな曲、あったなー」程度の軽い気持ちで購入し、
家に帰って針を落とした瞬間、かなり衝撃を受けちまった。

いや、こんなにいい曲だったとは、そしてこんなにボーカルが凄かったとは、
いささか気がつくのが遅すぎたが、心底ビックリいたしますた。

と同時に、これだけの実力派バンドが、なぜ一発屋で終わってしまったのか?
恐らくオレ同様、「軽いバンド」という色眼鏡で見ていた「聴かず嫌い」が少なくないのではないか?
などの疑問がふつふつと湧き出した。


例によって、Wikipediaで調べてみると、

アイドル的な活動が中心のグループや
特定のプロデューサーの手掛けた楽曲のバンド等が乱立した時期に、
ほとんどの楽曲のアレンジを自分たちで手掛け、
ライブバンド顔負けのスケジュールで全国各地を回るなど、
短期間ではあったもののミュージシャンとしての個々の技量の高さに支えられた音楽性は、
現在でも色褪せない魅力を持ち、再評価が高まっている。


と書かれていましたが、まさに同感です。
これは再評価すべきバンドでしょう!

▼全文はこちらを参照あれ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF_%28%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%29


それでは、本日お題の 「シャイニン・オン 君が哀しい」 についてアナライズいたしませう。

まず第一に、鈴木トオルの圧倒的なボーカルパフォーマンス!

徳永英明を彷彿させるナチュラルな声質の魅力、超・高音域の絶叫ハイトーン、
さらに情感溢れるダイナミクスのつけ方など、
ボーカリストとしてこれ以上何を求める、ほどのクオリティだと感ずる。

オイラ、けっこう高音域な歌を歌うのが趣味であるが、この曲を原曲キーのまま歌うのは無理だ。
間違いなく小田和正以上、ジョン・アンダーソン(YES)に匹敵する高音域である。

繰り返すが、なぜこれほどのウルトラ・スーパー・ボーカルが一発屋で表舞台から消えてしまったのか、
なんとも残念でならない!


第二に、少しだけひねくれた楽曲構成とコード進行。

この曲はLOOKのキーボーディスト・千沢仁(チザワ・マサシ)の作曲であるが、
いかにも鍵盤弾きらしい、ちょこざいな(?)コード進行がちりばめられている。

楽曲構成は、サビ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏(以下省略)と言う流れだが、
なんと言ってもBメロからサビに移るときのメロウ感と言うか、
いかにもメジャー進行に移行するかに見せかけておきながら、
実はマイナー進行のサビに持っていくという、心憎いテクニックがお見事!

具体的なコード進行としては、
まずAメロ(KEY=Bメジャー)のツーファイブ進行に続いてBメロに突入、
そしてBメロからサビに移る直前にKEY=Eメジャーに転調し、
そのEメジャーのドミナントコード(F#m7/B→B7)でBメロが終了。

普通ならここでEメジャーのトニックかツーファイブに行くところを、
サビ直前のB7をKEY=Eマイナーのドミナントに見立てて
そのままEマイナーと言うか、Gメジャー?に転調し
ツーファイブ進行でサビに展開する、

と言う、ニューミュージック系ではあまり見られないワザを使っております。

ま、単にオレが知らないだけと言う気もするが、
それにしても、このコード進行にこのメロディラインはなかなか絞り出せないと思いまする。
いやー、作曲者・千沢マサシ、恐るべし。

今回、耳コピしてみて、実に劇的で応用の効くコード進行だと思ったので、
将来、このワザを自分のオリジナル曲に応用しない手はない、と感じますた。ムフフ。


第三に、省略歌詞の妙。

オレ的に特筆したい歌詞はサビのこの部分。

シャイニン・オン 思い出の砂浜を浮かべるたびにただ涙が溢れる

本来なら 「思い浮かべる」 と書くべきところを、
譜割りの都合から 「思い」 を省略したものと察するが、
その省略によりなんとも耳新しい日本語が生まれた 「怪我の功名」 的なフレーズだと思う。

この 「思い」 が省略されたことにより、
リスナーに様々な 「浮かべる」 ものをインスピレーションさせる効果を生み出している。

前述のとおり 「狙った」 と言うより 「偶然」 生まれた歌詞のような気もするが、
この普段使われない言い回しを入れることによって、
より効果的なサビを演出できたと感ずるがどーよ?

とは言え、他にも日常あまり使われない単語をちりばめたりしてるので、
実は必然的な狙いかもしれましぇん。


また、上記以外にも、Bメロ途中の変拍子とか、三連符の譜割りとか、ドラムフィルの入れ方とか、
そこかしこにちょこざいな(?)編曲が施されているところも見逃せねえっす。

つーか、この頃のバンドって、詞・曲以上に編曲にこだわっていたバンドが多かったように思う。
それゆえ、LOOKだけが抜きん出て凄かったワケでもなかった、
と言うことも、オイラがこの名曲を聞き逃してしまった理由なのかな~?、と思ったりもする。


まあ、そんなこんなで5~6年前から何となく鈴木トオルの動向に注目していたワケで、
今回、ようやく念願のナマ鈴木を体験することができましたっ!

ありがたや~。


恐らく、70~80年代の曲の中には、
まだまだオレが知らないだけの名曲は数多く埋もれているんだろう、と再認識すますた。

これだから中古レコード屋通いはなかなかやめられませぬ。


▼YOU TUBEで映像が見れます
http://www.youtube.com/watch?v=-fkwMpMdzEM


 シャイニン・オン 君が哀しい

 シャイニン・オン 星も見えない夜に 君の姿 浮かんで消える

 消えた淡い秘め事に 今さら悲しむこともないだろう

 オン・ザ・ロック 一息に飲んで忘れよう Sing a song of Billy Joel

 孤独さ オレもその一人 傷口癒えないまま

 Maybe Come Back 辛いことばかりで 君がいなけりゃ So Cry

 シャイニン・オン 想い出の砂浜を浮かべるたびに また涙があふれる だから

 シャイニン・オン せめて表向きだけ 今も君を忘れはしない

 時計が12時を回り 静寂に埋もれる 

 外は雪が舞い落ちて ひととき安らぐけど

 静けさだけが突き刺さり なす術もなく窓を開けて

 Mabye Come Back 凍てつくほどの 君の微笑み So Cry

 シャイニン・オン 想い出の砂浜を浮かべるたびに また涙があふれる だから

 シャイニン・オン せめて表向きだけ 今も君を忘れられない 苦しい だから

 シャイニン・オン 君の面影だけが

 シャイニン・オン 忘れられなくて

 シャイニン・オン



http://www.geocities.jp/garage_miho/songs/shininon.mp3




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  NEW ようやく機材リストを更新すますた
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