ある意味で画期的 ある意味で無責任

ちょっち古いネタだが、インプレスの記事にこんなのが載っていた。

ジョブズCEO、4大レーベルに「DRM完全撤廃」を提案

▼記事の全文はこちら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070207-00000015-imp-sci

ごくごく簡単にジョブズ氏のコメントを紹介すると、

アップル社に
「iTunes Storeで販売している楽曲にはDRM(電子式コピーガード)がかけられており、
iPodでしか聞くことができない仕様となっているのはおかしい」
との苦情が寄せられるが、これはアップル社の都合でそうしているのではなく、
楽曲そのものを所有している4大レーベルの要請によるものだ。

だが、しょせんDRMはすぐに破られてしまうことは明らかで、
するとレーベルは新たなコピーガードを開発し、
そしていずれかはまたそのコピーガードは破られてしまう「イタチごっこ」である。

ゆえにアップル社としては、DRMそのものの完全撤廃を提案する。

ちなみに、DRM保護がかけられていない曲は2006年に200億曲販売されたのに対し、
DRM付き楽曲は20億曲(約1割)のみだった。



・・・とのこと。

DRMをはじめとする電子式コピーガードが撤廃されれば
ユーザーにとってはありがたいことこの上ない。

だが、せっかくの「カネのなる木=楽曲データ」のアキレス腱を
4大レーベルがやすやすと手離すワケがない。

そんなことがわからんジョブズ氏でもあるまいに・・・
なーんてヤボなことは言いません。

むかーし、MDが発売され出した頃、いち早くCD/MDラジカセを商品として発売したのは、
MD開発メーカーのソニーではなくシャープなのであった。

んで当時、とあるイベントでご一緒したシャープの方に、
なぜソニーよりも早く商品化できたのかを尋ねたところ、こんな回答が返ってきた。

ソニーは家電製品だけでなくCDソフトも製造販売しています。
 なのに、自らがCDからMDにデジタルコピー可能なハードを販売することは、
 著作権保護、違法コピーを禁ず、を謳っている企業としての姿勢と矛盾するので、
 販売したくてもできないんですよ。」

なーるほど、自分で自分の首を絞めてしまったワケね。

じゃあ、その後もソニーは自社のポリシーを貫き、CD/MDラジカセを販売しなかったのか?
いえいえ、作りましたよ、シャープに続いてあっさりと。

じゃあ、その後、CDからMDへのデジタルダビングが横行したことにより、
CDの売上は激減したんでしょーか?
いえいえ、今ではMDの方が壊滅寸前です。


これはオイラの個人的な勝手な推測だが、iPodがバカ売れした要因のひとつは、
「アップルのDRMが脆弱だったから」ではないか、と思っている。

つまり、iTunesストアで購入した楽曲のコピーガードが弱く、
本来なら数回しかデジタルコピーできないはずなのに、
少し細工をすれば無制限コピーが可能になる「ガードの甘さ」がユーザーに受けたのでは?
と考えているが、どーよ?

さらに言えば、前述のシャープ同様、アップル社は楽曲の管理は行っていないので、
著作権保護とかについてほとんど責任を負わないお気楽なスタンスだったりもする。

なので、「消費者のため」を大義名分に大風呂敷を広げ、
ユーザーの不満をうまく4大レーベルに責任転嫁したと思える。

ちなみにレーベル側は「消費者のため」ではなく
著作権者のため」を大義名分にDRM継続を主張してるので、ま、どっちもどっちですな。

でもやはり、一般消費者はジョブズ氏の主張を支援することは明白。

さて、4大レーベルは今後、「消費者のため」にどんなサービスを提供してくれると言うんでしょう?
まったく期待してませんけどね。


追伸:

ちなみにオイラ、DRMはおろか、
楽曲をネットからダウンロード購入した経験がありましぇん。

さらに言えば、レンタルCD屋からCDを借りた経験さえもありましぇん。

CDにしろレコードにしろ、ジャケットごと所有しないと気が済まない性格なもので。

それに、mp3程度の音質クオリティに数百円を払うなんてバカらしくてとてもとても・・・



さらに追記

本日の記事が通算して500本目となりやした。

おありがとうござーい。



2月10日の24時(2月11日の0時)、さらにさらに追記。

オイラ自身がカウンタ22222踏んじゃいますた。

よすなに。




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