いま一度、吉田拓郎コンサート in つま恋 を振り返って

とにもかくにも肉体的疲労の記憶が色濃く蘇るコンサートではあったが、
NHK-BSハイビジョンの録画を見て、ようやく音楽的な記憶も刻みこまれてきた(遅っ!)

で、改めて感ずるのか、バックミュージシャン人口の多いこと!

ドラム×1、ギター×2、ベース×1、KB×2、コーラス×4、ブラス×4、弦×約10
それから指揮の瀬尾一三を加えて総勢約25名!

そしてこれらバックバンドの中で、もっとも拓郎とのつきあいが古いのは瀬尾氏であるが、
恐らく2番目につきあいが古いと思われるのが、ドラムの 島村英二 であろう。

吉田拓郎の長い歴史を支えた2大ドラマーの一人と言って過言ではない。

ちなみにもう一人は、オレのもっとも敬愛するドラマー 田中清司 である。

田中氏のドラミングは、そりゃーもー、グルーヴの塊みたいなソウルフルなものであったが、
一方、島村氏のドラミングは、それほどグルーヴィーではなく、
むしろAORっぽいベーシックビートと「計算された」フィルインが特徴的であると感ずる。

正直なところ、拓郎のドラムが田中清司から島村英二に代わった頃はヒジョーに違和感を感じていた。
特にライブアルバム 「LIVE’73」「TOUR1979」 のグルーヴの違いは顕著であり、
ハッキリ言ってオレは「島村英二のドラムは拓郎には合わないのではないか?」と思ったものだ。
(注:LIVE73…田中清司、TOUR1979…島村英二

特に両アルバムに収録されている 「落陽」 を聞き比べればその違いがよくわかるだろう。

そんなワケで、80年頃は島村英二のドラムが好きではなかったが、
よくも悪くも聞き続けていると耳に馴染んでしまうもので、いつしか違和感を感じなくなっていた。
と同時に、島村英二ってそれほど大したドラマーではないと思うようになっていた。

そんな矢先、山下達郎 sings SUGAR BABE」 ってなスペシャルライブが、
1994年に開催されることとなった。
このライブは、その名のとおり、山下達郎シュガー・ベイブを再結成するのではなく、
あくまで山下個人が当時のシュガー作品をパフォームするという趣旨のもので、
バックバンドの多くは、当然、シュガーのメンバーではなく、
当時の山下達郎のバックバンドのメンバーがほとんどを占めていた。
が、メンバークレジットを見ると、
なぜかドラマーだけはお馴染みの 青山純 ではなく 、そこには、島村英二 の名が記されていた。

実はこの 山下達郎 sings SUGAR BABE」 ライブをやろうと言い出したのが、
他でもない 島村英二 だったと言うことらしい。

遅ればせながら島村英二のプロフィールを記すと、

まず、1974年に泉谷しげるのバックバンドである 「ザ・ラスト・ショウ」 に参加。
メンバーは

 松 田 幸 一 (harp)

 村 上   律 (Steel Guitar、Pedal Steel)

 徳 武 弘 文 (Guitar)

 河 合 徹 三 (Bass)

 島 村 英 二 (Drums)

と言う凄腕の面々で、今にして思えば、拓郎のアルバム「Rolling30」では
ドクターKこと徳武弘文と島村英二のラストショウコンビが大活躍していたことが思い出される。

ラスト・ショウ解散後は、スタジオミュージシャンとして、あるいはツアーバンドのバックとして、
現在も第一線で活躍している大御所ドラマーである。


で、話は 山下達郎 sings SUGAR BABE」 ライブに戻るが、
山下と島村は、シュガーとラストショウと言う当時の「売れないバンドつながり?」の関係で、
親交があったらしく、島村のアドバイス?を受けて達郎がこのライブ企画にゴーを出したと思われ。

そして、中野サンプラザで開催されたライブでは、もう島村英二が水を得た魚の如く、
これでもかと言うくらいのグルーヴィーな16ビートを炸裂させていた!

島村英二ってこんなに上手かったんだ!」

拓郎のアルバムで島村英二を聴き始めてから16年目にしてやっと気が付いたオレなのであった。


蛇足だが、1998年頃、オレ自身が、とあるライブにバンドで出演させてもらう機会があり、
シュガーベイブの「今日はなんだか」を演ることになったが、
アルバムバージョンではなく、ライブバージョンの「今日はなんだか」を演りたいと思い、
ドラムのK氏にドラムパターンの耳コピをお願いしたところ、
ブレイク部の6連フィルを聴いて「こんなの叩けるかな~?」とビビッていたことが思い出される。
(ちなみにライブでは見事に完コピしてくれました!)


それからCD等で「島村英二」のクレジットを見るたびに注意深くドラムを聞くようになり、
その無難ながらも的確な基本ビートと、オレ的にヒジョーにオイシイと感ずる「オカズ」がお気に入りとなった。

あえてひとつピックアップするなら、
加藤いづみ「星空のジェット・プレイン」 のドラムなど、
オレ的には8ビートドラムの教科書にして、おいしいオカズの集大成であると感ずる。


と、まあ、長々と書き綴ったが、そんな島村英二のドラムをナマで聴けただけでも
今回の拓郎コンサートはメモリアルなライブだったと思う。

さすがに白髪混じりとなった頭に歴史を感じさせるが、「おいしいオカズ」は普遍でありました。

ぜひまたどこぞのライブでも目撃したいです!




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