ホンモノしか生き残れないスポーツ界に比べると

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一昨日(3月15日)にテレビ放映された総合格闘技「HERO’S」は面白かった。

と同時に今さらながら、スポーツエンターテイメントも時代が変わったな~、と実感。

そもそも、ルールやテクニックを知らない観客が総合格闘技を見て「面白い」と感じるとは到底思えない。

それに比べると一昔前のプロレスのわかりやすかったこと。
一目で「悪いヤツ」とわかる外見やら、見るからに痛そうな流血、お決まりのフィニッシュホールド、
と、初めて見る観客にもヒジョーにわかりやすいコンテンツを提供していたものだ。


でも時代は変わったなー。


プロレスにあって総合格闘技になかったもの、その最たるものが「観客論」。
そして総合格闘技にあってプロレスになかったもの、その最たるものが「真剣勝負」。

かつて、プロの格闘技興行で「真剣勝負」はタブーだったらしい。
何より膠着状態に陥りやすく、選手はともかく、見ている観客にはヒジョーにかったるい。
そのような「見ていてつまらないモノ」をプロの興行師が手がけるワケがない。
だったら「見ていて面白く感じるモノ」に変化させなければ食っていけない、というロジックだったとか。

しかし、選手の質が向上し、観客の見る目が育ってきた現在、
「真剣勝負」であっても、観客がほんの少しだけ総合格闘技のルールやテクニックを勉強すれば、
「見ていて面白いモノ」に変わってきた。

さらに、テレビ局がバックにつくことによって「観客論」が生まれ、
ショーアップされた、完成度の高い興行が繰り広げられるようになった。


いったいいつ頃からこのような傾向が生まれたのか?

あくまでオレの私感だが、きっかけの一つに「世界陸上」があると思えてならない。


1987年にヘルシンキで開催された第1回世界陸上が、
果たしていつ頃から日本でテレビ放送されるようになったかはわからないが、
いくら世界の強豪が争うとはいえ、
「単なる陸上競技」がテレビの特別番組のコンテンツとして成り立つなど、ひと昔では考えられなかった。

サッカーの試合さえもテレビ番組として成り立っていない時代に、
陸上競技」をゴールデンタイムで放送しようと英断したプロデューサーはタダモノではない。

従来の感覚で言えば、このような真剣勝負の「かけっこ」で視聴率を取ることなど夢のまた夢だったはず。

それを、人気タレントを司会者に据え、選手のインフォメーションをドラマチックに紹介することで
エンターテイメント性を高め、観客論を十分に消化したうえで正真正銘の「真剣勝負」をそのまま放送し、
その結果、観客の感動を誘う人間ドラマを作り出すことに成功するとは、
かなり根性をすえてかからないといけないプロジェクトであったことは想像に難くない。

ここで重要なことは、「はじめに、真剣勝負ありき」で番組(興行)を作り上げていることだと思う。

根幹にあるものが、まぎれもないホンモノ(真剣勝負)であるからこそ生まれたコンテンツと言える。
逆に、制作側が「たかが陸上競技じゃねーか」という姿勢だったら恐らく失敗していたはず。


というワケで、従来の感覚であればテレビ番組として成り立つはずのなかった「真剣勝負」が成功したことにより、
現在の様々なスポーツエンターテイメントの誕生につながってきたのでは? というのがオレの私感である。

つい最近のフィギュアスケートの盛り上がりは記憶に新しい。
少なくともオレがガキの頃に、フィギュアの大会がゴールデンタイムでテレビ放送された記憶はない。

なんつーか、スポーツ界に関して言えば、
今まで陽の当たらなかった競技でも「はじめに、真剣勝負ありき」であれば、
そのホンモノの魅力によりメジャー化できる道が開けたと思われる。


しかし音楽界に関してはどうか?

はたして「はじめに、音楽ありき」のミュージシャンがどれだけいるのだろうか?

我ながらけっこうキワドイ問題だと思うけど、どーよ?




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