ライブでのキーボードのステレオ出力について
先日、当ブログにキーボードからPAへの出力に関する質問コメントをいただきました。
「ライブハウス等でキーボードをPAに繋ぐとき、
ステレオではなくモノラル接続が多いように感じますが、
その理由はなんでしょう?」
要約すれば上記のような質問であると解釈いたしました。
それではオイラなりの見解をご回答させていただきませう。
▼参考リンク
理由1 / チャンネル数の問題
オイラが知る限り、アマチュアが気軽に出演できるライブハウスのイメージというと、
失礼ながらあまりメジャーなハコではなく、PA機器もそれほどハイクオリティではない、
という先入観を抱いております。
常設のミキサーも貧弱で、入力チャンネル数はせいぜい16ch程度ではないか?
と邪推する次第です。
さらに、エフェクトリターンやBGM等の「楽器以外の入力チャンネル」を考慮すれば
実質的な楽器入力可能チャンネル数は12ch以下になるかもしれません。
となると、常設ミキサーは、普段は次のようなチャンネル割になっていると妄想します。
1~4ch ボーカル
5~6ch ギター(DI、マイク)
7ch ベース
8ch キーボード
9~11ch ドラム(キック、スネア、オーバーヘッド)
12ch 予備
もちろんこれはオイラが勝手に妄想した内訳ですが、
少ないチャンネル数を駆使ししながら楽器の収音を行っているであろうことは
容易に想像できます。
つまり、キーボードをステレオ接続すれば
モノラル接続より余分に1chを使用することになり、
それはPAオペレーターにとっては結構、重要な負担となるワケです。
出演者が一組だけならまだしも、複数バンドが出演するブッキングライブであれば、
ひとつのチャンネルを 「使いまわし」 する必要も生じるので、
なるべくステレオ接続を避けたいと考えてしまうのは仕方ないことと思えます。
(特にデジタルミキサーの場合はこの傾向が強いと邪推します。)
理由2 / ステレオ効果の重要性
そもそもの問題としてキーボードをステレオ (2ch) で出力する理由を考えてみます。
その大きな理由は 「ステレオ効果 (広がり) を施したエフェクトを効かせるため」
であると言えます。
具体的には空間系、モジュレーション系のエフェクトがその代表でしょう。
では、ライブにおいてその ”ステレオ効果” はどれだけの効力を発するものなのか?
まず空間系ですが、残念ながらリバーブのステレオ効果は薄いと思われます。
ピンポンディレイなら効果てきめんでしょうが、そもそもピンポンを効かせた
音色プログラムそのものが希少であるような気がします。
次にモジュレーション系ですが、観客席のセンターで聴いているのであれば、
コーラス、フェイザー等がステレオで 「揺れる」 効果は絶大ですが、
レフト・ライト側の端っこで聴いているお客さん的にはむしろ
「変な音色」に聴こえてしまうリスクも生じてしまいます。
つまり、ライブでの 「ステレオ効果」 というのは
プレイヤーが思っているほど重要でない、という考えもあるということ。
アマチュアの場合、9割以上の確率でモノラル収録です。
理由3 / KBスケーリング
デジタルピアノやシンセのピアノプログラムには、ライブPAの視点から見て
「邪魔な仕様」 が装備されています。
その代表格が 「キーボードスケーリング」。
つまり、低音鍵盤はL側、高音鍵盤はR側から聴こえるという仕様のこと。
この仕様のままライブでステレオ効果を効かせて出力すればどんな結果になるか、
容易に想像ができるでしょう。
・・・なんて脅迫まがいに書いてしまいましたが、実際のところ、
鍵盤の両端を使って演奏することなどほとんどあり得ないので、
あまり心配する必要はありませんっ。
というワケで、キーボードのステレオ出力は、
① ハコ側の入力チャンネル数の都合でモノラルにされる可能性が高い
② ステレオ接続しても思った程の広がり効果が得られるとは限らない
という傾向があります。
・・・というオイラの見解でございます。
今度は改めてキーボードアンプについてブログってみようと思います。
期待しないでお待ちくださいませ。
■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■
▼ 5月定例やまぼうしライブ
日時 5月10日(金)19時30分~21時00分
※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です
※オイラがファン倶楽部会長(本人未公認)を務めるアマチュアミュージシャン あやあね のブログです
※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクトです
※オリジナル曲や関係各位のライブ音源等をアップロードしてあります
※宅録作品や関係各位のライブ映像等をアップロードしてあります
※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません
■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■