コードを弾かなくても楽曲成立させるスマートさ

2018年5月頃からテレビでオンエアされている SK-Ⅱ のCMソングがカッケ―です。


ローファイなヴィンテージサウンド
70年代末期のニューウェイブを彷彿させる懐かしいフレーズ。
ナチュラルオーバードライブやチューブコンプがかったベースとギター。
80年代後期の12ビット程度の仕様と思われるドラムマシン。

・・・等々、オイラ的どツボにハマるサウンド、グルーヴ、フレーズの集合体です。

ここで使われている音色というか楽器は、前述のとおり、
ドラム、ベース、ギター、効果音風味のシンセ、
そして ハンドクラップ の5種類と思われます。

オイラ的に注目すべきは、ベースは単音弾き、
ギターも基本は単音弾きもしくは瞬間的な3~4音カッティングのみ。
つまり、この30秒のCMの中に登場する 「音階のある音数(おとかず)」 は
最大で4~5音程度ということ。

ちなみにこの曲にコードネームを付けるとすれば 
Bm → A  E  Bm → A  E  Bm → D → A
となりますが、みなさんご想像のとおり、この曲に和音のバッキングを付加するのは 
「無粋」 と言うものです。

そう、この曲は各楽器が最小の音数を鳴らすことによって生ずる 
「ミニマムなアンサンブル」 こそが 「味」 というか 「聴かせどころ」 なんです!

オイラは 「音楽の入口」 がフォークソングの弾き語りなので、
どーしても 「アコギでじゃーんとコードを弾くことが伴奏のセオリー」 という
固定観念にしばられていましたが、20歳あたりから 「コードでじゃーん」 に疑問が生じ、
当時、何らかのインタビューで 山下達郎 師匠が言ったこのセリフに衝撃を受けました。

「僕の音楽はギター1本の弾き語りで完結するようなものではありません」
「ドラム、ベース、ギター、KBのアンサンブルによって成立する音楽を目指しています」

それは、吉田拓郎の影響でアコギ弾き語りの練習をしていた
オイラ自身を全否定するような言葉でしたが、
なぜかとても素直に受け入れることができました。

それ以来、やり方はわからないものの、
「4リズムでなければ構築できないような演奏」 
を実現させるための方法論を模索して現在に至ります。

例によって能書きが長くなりましたが、この SK-Ⅱ のCMソングは、
まさに複数楽器による必要最小限の編成で構築された
見事なアンサンブルだと確信します。

どのパートも決して難しいことをやっているワケではないんですが、
各メンバーが責任もって自分の仕事 (演奏) をこなすことにより、
こんなに素晴らしいハーモニー、グルーヴが生み出せるなんて素敵じゃあーりませんか。

オイラにも心当たりがありますが、
アコギ弾き語り系のアマチュアの方々がセッションを行おうとすると、
全員が同じコードをそれぞれ独自のストロークで刻んでしまい、
縦軸のグルーヴが乱れがち、という現場を散見します。

たしかに フィル・スペクター に代表される 「音の壁」 手法というものもありますが、
対極には、「各自が必要最小限の音数に留める」 ことによりアンサンブルを構築する、
という手法も存在します。

興味を抱かれた方は、自分のオリジナル曲を4リズムで演奏すると仮定して、
どうやって各パートの音数を削っていくのが効果的なのか、
妄想してみるのも一興だと思いますぞ。

つーか、「いかにコード弾きせずにギター演奏を成立させるか」 に挑戦することが、
ギタリストとしてのステップアップには不可欠だと思います。

なんてな。



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▼ 6月定例やまぼうしライブ







日時 6月8日 (金) 19時30分~21時00分
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし
料金 @500円 (ワンドリンク付き)
内容 19時30分~ Tacaco (ピアノ弾き語り)
    20時15分~ Hiddy&Satty(大正JAZZ浪漫)



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