DAW と DTM の違い

何を今さらと言われても反論のしようがないタイトルを付けてしまいました。
2017年の今日において DAWDTM はすでに 
「同義語」 と言って差支えありませんが、
ま、なぜ2つの言葉が生まれたのか、その歴史を知っておくのも乙なモンじゃろて。

「詳しくは Wikipedia で検索してちょんまげ」 で終わりなんですが、
ここはひとつ、Wikipediaの力を借りず、
オイラのあやふやな記憶だけを辿って両者の違いを解説してみたいと思いますっ。

まずはじめに、DTM という言葉の出自は明確に説明できます。

1980年代の終わりくらいだったか、キヤノンがアップルの日本代理店だった頃、
「DTP」 という分野が脚光を浴び始めていました。

「DTP」 とは、「デスクトップ・パブリッシング」 の略で、よーするに、
アップルのパソコン = マッキントッシュ を使えば、
ソフト上で印刷物の編集ができますよっ!
という製品PRのために生み出された単語? キャッチフレーズ? でありました。

その 「DTP」 をパクって、自社の製品のキャッチに流用したのがかの ローランド
ミュージシャンではなく、パソコンユーザーを主対象に、
MS/DOSパソコンと専用ソフトと専用機器を使って、音楽を作ろう! 
というテイで発売されたのが 「ミュージ郎」 というパッケージ商品でした。
このときのキャッチフレーズとしてローランドがPRしたのが
前述の 「DTP」 を模した DTM = デスクトップ・ミュージック」 
という造語だったワケです。

当時 (1980年代後期~1990年代前期) の DTM と言えば、
音源 (サウンドキャンバス) を、MIDIシーケンサーソフト (ミュージ郎) で鳴らす、
というスタイルで、歌やギター等の 「生音(ナマオト)」 を録音することなど
夢のまた夢のハナシ。


一方、プロミュージシャンやヘビーな宅録アマチュアミュージシャンはと言えば、
楽器メーカーがリリースした 「専用MIDIシーケンサー を駆使して
MIDI機器 (シンセサイザーやドラムマシン等) の自動演奏のための
プログラミング等に勤しんでおりました。

「MIDI機器を鳴らす」 という全体像だけを見れば、
DTM MIDIシーケンサー も大差ありません。
しかし、両者の間には決定的な 「差」 がありました。

DTM は、パソコンユーザー が音楽に触れるための 初心者向け製品 であるのに対し、
専用MIDIシーケンサー は、業務使用にも耐えうる
純然たる ミュージシャン向け製品、ということです。

1990年代中期頃になると、専用MIDIシーケンサー
徐々にパソコンのシーケンスソフトにその座を明け渡し、
パソコンのCPUの処理速度の向上に伴い、
オーディオ信号さえも扱える時代が到来します。

そして1990年代中期、オーディオ信号も扱えるシーケンサーソフトには、
「DAW = デジタル・オーディオ・ワークステーション という
カテゴリーネームが冠されることとなります。

この時点で、
DTM 「これからパソコンベースで音楽を始める人向けのソフト」
DAW「すでに音楽活動を行っている人がパソコンで音楽制作を行うためのソフト」
という立ち位置だったとオイラは記憶しております。

2000年代になると、アドビ フォトショップイラストレーター」
性能の差が曖昧になってきたように、
DTMソフト DAWソフト の違いもほとんどなくなり、
DTMソフト DAWカテゴリー の中に吸収された状況で今日に至るワケです。

2017年の現在において、DTMソフト という明確なカテゴリーの製品は存在せず、
DAWソフトの下位バージョン (上位バージョンより機能限定された低価格製品) を使って
「パソコンによる音楽づくりを始める人」 に向けた音楽制作スタイルを指す用語として、
DTM という言葉が使用されている、というのがオイラ的見解でございます。


ちなみにオイラは1980年代は、専用MIDIシーケンサー (Roland MC500mk2) を、
90年代からは、マック用シーケンスソフト (Vision → Cubase) を使用しておりますた。
しかし、DOS/VマシンのOSが MS/DOS から Windows に昇華されたのに伴い、
Windows ベースでもマック用ソフトに匹敵するDAWソフトがリリースされたため、
プラットフォームを Windows にチェンジして現在に至ります。

さらにちなみに、2000年代以前において、
PAと宅録DTMには何の接点もありませんでしたが、
2000年代以降は多チャンネル入出力端子を備えた
オーディオインターフェースがリリースされたため、
デジタルミキサーとDAWを併用する 「PAライブレコーディング」 の可能性がグッと高まり
オイラはその分野において、アマチュアレベルではありますが、
最先端の試行錯誤を行っていた、という自負があります。

まあ、2017年の今日においては、
ほとんどのデジミキに最初から搭載されている機能であり、
な~んの自慢にもならない ジジイの戯言 = 昔話 にすぎませんが、
DTMDAW の変遷をリアルタイムで目撃し、実践してきた身としては、
「最高に面白い時代を実体験できたな~」 と述懐する次第です。

おおっと、昔話を懐かしむほどオイラはまだ老いぼれていないズラ。
まだまだDAW関連情報には胸をときめかせながら、
サンレコ記事を血眼で読み漁っております。

宅録ヲタクジジイ」 と揶揄されるなら本懐だべさ。



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▼ 月定例やまぼうしライブ












  日時 : 2月10日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ BLUES和也 (イカサマロック)
       20時15分~ 杉本あきら (ギター弾き語り)




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トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








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