卓のCHインサート端子をダイレクトアウトに変換する
先日、知人から次のような相談がありました。
トリオ編成のバンドのライブをマルチトラックレコーディングしたい。
本来であれば、オーディオインターフェース機能を有すデジタルミキサーを使って、
DAW等に各CHをダイレクトレコーディングするのが定石だと思うが、
諸事情により、PA用の24CHアナログミキサーしか用意できない。
何かいいアイディアはないか?
うーぬ、21世紀の今日において、アナログ卓でライブのマルチトラックレコーディングとは、
なかんかチャレンジャーだな~というのが偽らざるオイラの本音でありますが、
まあ、ないモノはしょーがないので、ない知恵を絞り出してみようではあーりませんか。
まず、PA用アナログ卓から、メインアウト端子、AUXアウト端子以外に
「外部に出力する」 端子といったら、グループアウトかインサート端子くらいしかない。
実は以前にもブログったことがありますが、2014年に、
このアナログ卓の各CHのインサート端子を有効利用できるMTRがリリースされています。
ぬわんと 3極仕様のフォン-フォンケーブル で
本機のインプット端子と卓のインサーション端子を接続することにより、
16トラックのマルチトラックレコーディングを行うことができるという優れもの。
気になるお値段はサウンドハウス価格で約6万円!
ほんの20年前の宅録事情を思い返せば、信じられないような超激安価格ですが、
デジタル技術が日進月歩の21世紀において、果たしてこの単機能マシンにそれだけの価値があるのか、
判断がわかれるところですな。
さて、ここからが本日の本題。
前述のとおり、アナログ卓を使ってライブのマルチトラック録音を行おうと思ったら、
アナログ卓の各CHに装備されている 「インサーション端子」 を
どうやって 「ダイレクトアウト」 に変換するか、というポイントがキモとなります。
ダイレクトアウト端子さえ確保できれば、市販のあらゆるMTRを使ってマルチトラック録音が可能。
(とは言っても、同時録音可能トラックが16以上なんて機種は自ずと限定されますが)
その答えはズバリ、「パッチベイを活用する」 です。
DAW全盛の今日においては、ほとんどレガシーと化しているスタジオ機材のひとつ。
まずはサウンドハウス作成のこちらの動画をご覧あそばせ。
手順としては、
1 まず、アナログ卓の1~16 (24) CHのインサーション端子 (三極フォン) と
パッチベイの背面のイン/アウト端子を、Yケーブルを使って接続
2 パッチベイのモードを 「ハーフノーマル」 に設定することにより、
パッチベイの正面のアウト端子 (上段) が 「ダイレクトアウト端子」 となる。
これだけ。
つーか、80年代においては、この方法を使ってMTRに様々な信号を送るのが常識でした。
蛇足ながら、「ヤマハ O1V96」 等の一部のでじたるミキサーには、
このパッチベイの名残りともいえる 「パッチメニュー」 が装備されているので、
当時の宅録少年には 「応用の利く」 セッティングが可能となっています。
というワケで、ダイレクトアウト端子さえ確保できれば、
あとは単体MTRを駆使してマルチトラック録音を行うだけ。
た・だ・し、前述のとおり、現時点2016年の今日において、
16トラック以上の同時録音が可能な現行機種というものはほとんど存在しません。
その数少ない機種のひとつが、サイマティック・オーディオ LR-16 というオチでござんす。
(だったら、パッチベイを使わずに三極フォンケーブルで接続すればいい)
ぽつぽつと出品されているようですが、信頼性ということを考慮すれば、
やはり LR-16 ということになりそうですねえ。
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▼ 11月定例やまぼうしライブ
日時 : 11月11日(金) 19時30分~21時00分
▼ 関連リンク
2014年1月10日のやまぼうしライブ PAL × Tacaco
トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)
※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です
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※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません
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