「移調」 と 「転調」
タイトルのとおりですが、アマチュアミュージシャンのみなさん、
「移調」 と 「転調」 の違い を理解されてますでしょーか?
ちなみにオイラは、約1年前までちゃんと理解しておりませなんだ。
(現在でも100%理解しているとは言い難いですが)
それではクイズです。
アコギで 「Key=C」 の曲を弾き語ろうと思ったらキーが低すぎたので、
5フレットにカポタストをはめて 「Key=F」 に変更した。
このケースは 「移調」 か 「転調」 か?
正解は 「移調」 です。
▼Wikipediaによる 「移調」 の解説
ま、これはわかりやすいですな。
アコギでいうところの 「カポタストによるキーの移動」
キーボードでいうところの 「トランスポーズ機能によるキーの移動」
等が、「移調」 というワケです。
さて、問題は 「転調」 のほう。
▼Wikipediaによる 「転調」 の解説
たとえば、沢田研二の名曲 「追憶」 の場合。
Aメロは 「Key=Eマイナー」 ですが、サビは 「Key=Eメジャー」 に転調します。
これはわかりやすい。
→ 「同主調」
では、フォークソングの名曲 「あの素晴しい愛をもう一度」 の場合で考えてみませう。
わかりやすくするため、「Key=C」 でコード進行を表記してみます。
Bメロ Am → Em → Am → Em → Dm → Am → D7 → G7
※先に断わっておきますが、ここからの解釈はオイラの独学によるもので正解とは限りません。
さて、まず、みなさんはこの曲は 「何調」 だと判定しますか?
恐らく 「Cメジャー」 と答える方が大半だと思いますが、実は 「Aマイナー」 も含まれています。
つまり、曲の中で 「Cメジャー」 から 「Aマイナー」 へ、「Aマイナー」 から 「Cメジャー」 に、
何度も 「転調」 している、と考えるのが適当だと思います。
「Cメジャー」 とは、トニックコードである 「C」 に解決するケーデンスのことであり、
「Aマイナー」 とは、トニックコードである 「Am」 に解決するケーデンスのことです。
それぞれの調のダイアトニックコードは次のとおりとなります。
● 「Cメジャー」
Ⅰ=C(△7) Ⅱ=Dm(7) Ⅲ=Em(7) Ⅳ=F(△7) Ⅴ=G(7) Ⅵ=Am(7) Ⅶ=Bm(7)‐5
● 「Aマイナー」
Ⅰ=Am(7) Ⅱ=Bm(7)‐5 Ⅲ=C(△7) Ⅳ=Dm(7) Ⅴ=E(7) Ⅵ=F(△7) Ⅶ=G(7)
上記のとおり、「Cメジャー」 と 「Aマイナー」 の構成音は大半が重複しています。
ノンダイアトニック音である 「ソ♯」 が含まれている点です。
つまり、「E7」 の使い方・使われ方を検証することによって、
「Cメジャー」 と 「Aマイナー」 を判定しやすい、とも言えます。
もっと正しく言うなら、
「C」 に解決するケーデンス 「F → G7 → C」 的な動きがあれば 「Cメジャー」
「Am」 に解決するケーデンス 「Dm → E7 → Am」 的な動きがあれば 「Aマイナー」
と判定する、ということになります。
これを踏まえて、「あの素晴しい愛をもう一度」 の転調ポイントを考察すると、
次のようになると思います。
「Aメロ」 は 「Cメジャー」
「Bメロ」 は 前半の6小節は 「Aマイナー」、
「Bメロ後半の2小節は 「Cメジャー」
「サビ」 は 「Aマイナー」
ちなみに、Bメロ終わりからサビ頭の 「Am → D7 → G7 → F → E7」 という進行は、
「マイナーに行くと見せかけて一時的にメジャーに進み、また、マイナーに戻ってくる」
という、なかなか心憎いワザが仕込まれている、と感じます。
あるいは、人によっては、前述の進行は
「転調ではなく一時的な代理コードの流れ」 と判定されるかもしれません。
いずれにしろ、「Cメジャー」 と 「Aマイナー」 は、「平行調 (関係調のひとつ)」 の関係 であり、
実際の曲づくりや耳コピの際には、とりあえず 「Cメジャー」 の括りの中で考察しても
あまり問題はないと思います。
(実際、オイラは20年以上、そーやって耳コピやリハモーナイズを独学してきました)
▼Wikipediaによる 「関係調」 の解説
恐らく、すでにオリジナル曲づくり等を行っている方にとっては、
「知っていても、知らなくても、あまり大した問題ではない」 ことだと思いますが、
ま、何かの参考になれば幸いでござんす。
おあとがよろしいようで。
テケテンテンテン・・・
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▼ 6月定例やまぼうしライブ
日時 : 6月12日(金) 19時30分~21時00分
▼ 関連リンク
2014年1月10日のやまぼうしライブ PAL × Tacaco
トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)
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