ゲスの極み

2015年4月18日付けのブログにて、東洋経済オンラインの記事
をご紹介するとともに、オイラ的見解 (全否定的意見) を述べさせていただきました。

んで、あまりにも偏向的な内容だったものだから、
もしかすると他にも的外れな記事があるんじゃないか?
と老婆心で東洋経済オンラインの音楽関連記事を探してみたら、こんな記事を発見しました。

2015年2月22日 論家・コラムニスト:常見陽平
若者の音楽離れはウソ?中年はカモ!~いまこそ「新曲不要論」を提唱しよう~

▼元ネタ記事へのリンク

なんとも煽り気味の炎上商法狙い的なタイトルですが、全5ページからなるこの記事を拝読したところ、
オイラの率直な感想は 「まさにそのとおり!激しく同意!」 でありました。

1~2ページこそ、現在40~50歳代のオヤヂどもが、かつての青春よろしく、
自分が若かりし頃熱狂していたミュージシャンのライブに、高いチケット代を払って、
今も通い続ける姿を自虐的に述べていますが、3ページ以降の 「現在の音楽事情」 の分析考察は、
今までに見たこの手の記事の中では、もっとも的を射ている内容だったと感じます。

では、前回同様、本文から抜粋引用させていただきます。


(前略)

ややざっくりではあるが、これがよく言われる音源→ライブという音楽市場の変化である。
これだけでも音楽の楽しみ方の変化がわかるが、ここでもうひとつ、考えてみたい論点がある。
それはネット経由の試聴である。

YouTube、ニコ動などで音楽が楽しめる時代になってきている。
私も思わず、夜、ウイスキーのロックを片手に過去の映像、夢の共演などを見てしまう。
網羅的に、YouTubeで音楽関連の動画がどれだけ再生されているか
を正確に確認するのは困難だと思うが、人気アーティストのPVは
1曲だけで再生回数は1000万回を超えることもある。

2014年に最もYouTubeで見られたのは、きゃりーぱみゅぱみゅの 「にんじゃりばんばん」 で、
2015年2月20日現在、約3800万回再生されている。

このように、無料でも音楽を楽しむことができるようになった時代である。
相変わらず、ラジオでも音楽はかかっているし、そのラジオは 「radiko.jp」 で広がりを見せているし、
ネット経由で海外のラジオだって聴ける。お店に行ってもいつも音楽は流れているわけである。

正確には測定できないのだが、要するに
「おカネを払って新品の音源を買う人」 が減ったという話であって、
むしろ人間がこんなに音楽を聴いている時代はないのではないかとも思えてくる。
“NO MUSIC,NO LIFE”は実現されているといえる。

この手の話は 「若者の音楽離れ」 など、若者の◯◯離れ話として論じられやすいのだが、
実はまったく離れているわけではない。
むしろ、こんなに音楽が身近な時代はない。
ただ、「有料の音源」 におカネが落ちないという、そういう話なのである。

これは、「◯◯離れ」 論全般に言えることである。
「新しく世に出たものを有料で購入する」 ことを前提に議論しているだけであって、
中古や他の手段へのシフトを意識すると、見方は大きく変わる。

要するに、実はこれは 「ビジネスとして音楽で食べている人」 の問題である。
ただ、これもやや大胆に言うならば、
レコード会社が昔ほど音源だけでは儲からなくなっており、
儲け方が変わっているという話なのだと思う。

ある業界人の話

この記事を書くにあたり、音楽プロモーターに勤務していた方に話を聞いたが、
こんな回答が返ってきた。

「もともと音楽をやっている側、つまりアーティストと周りの組織は、
昔から、ただいい音楽を生み出して世の中に伝えたいと思っていたのです。
特に努力しなくてもビジネスとして成立してバブルを迎えてしまったところ、
その音楽コンテンツがフリーになってしまったので、
今まで入ってきていたおカネが入ってこなくなって焦り始めた、
というのが現実なのではないでしょうか。
ただ、やっぱり音楽は文化や芸術であってビジネスではない
というのが根本にあるので、ビジネスとして何とかしなくちゃ!
とは、音楽をやっている側は正直あまり考えていないのかな、と思っています」

なるほど、たしかにメジャーで活躍しているミュージシャンの友人たちも
「これで食べられる」「必ず大儲けできる」 などとは思っていないわけで。
あまりにビジネスとして解釈しすぎたがゆえの実態だとも言える。

元プロモーターはこう続ける。

「アーティストや彼らを支える音楽業界は、まさに身を削りながら創作活動をしているのに、
現在の音楽産業の状況では、昔のように創作活動に経費をかけることができないのが現状。
しかも、アーティストの成り手も少なくなって、まさにアーティスト人材不足。
だから、時代に寄り添い、人々が共感するような良質の音楽、アーティストを生み出し、
届けたいと思っても、それが出来ないというのが一番の悩みというのが現状だと思います。
だから、『音楽ビジネスを何とかしなくちゃ』 となるんでしょうね」

個人的には才能のある人が苦労する仕組みは何とかしたいと思うものなのだが、
音楽では食えなくてバンドを 「辞めた人」 はいても、食えなくて 「死んだ人」 はあまり聞いたことがない。
もともと音楽で勝負するというのはそういうことなのだ。

音楽は一部で激しくビジネスに走りつつ、そこではおカネを払える人が
新曲なんかいらない世界をライブで楽しむし、音源も買う。
一方でおカネをあまり払わないで楽しむ層も増えていることも想定される。

見方を変えると、「食えない」 がゆえに、音楽はビジネスから解放され、
さらに独創的なものが生まれていくかもしれない。
PC上での音楽編集ソフトを始め機材が安価になり
少ない予算で音楽を作ることができるし、
逆に才能のある副業で音楽をやる人が参入してきて
面白いことになるシナリオもあるのではないかと思っていた。
気づけばルール、フォーマットが変わっていたという話である。

まあ、私は音源も買い、ライブにも通うし、
尊敬するミュージシャンたちが食える仕組みが続くことを祈る派なのだけど、
こういう変化を意識し、見立てを変えなくてはいけない。

“NO MUSIC,NO LIFE”は、皮肉なかたちで過去最高に実現しつつあるのだ。

まあ、私は、お金払って音源買うし、ライブ行くのだけどね。
3月はアンセム、アーチ・エネミー、スプリングルーブという春フェスに通う予定。
今から楽しみだ。


大文字+太字+下線で強調した部分は、オイラ的 「まさにそのとおり!」 と強く感じたところ。

2015年の今日は、多くの音楽を無料、あるいは低価格で視聴できるようになったこと、
マチュアでも低予算でプロ並みの音楽制作環境を構築できるようになったこと、
マチュアでもプロみたいに自分のオリジナル作品を手軽に公開できるようになったこと、
高い金を払ってプロのライブを観に行くより、低価格で自分のライブを観に来てもらうことの方が
自己満足を得られる事実を知ってしまったこと、
・・・等の要素がいくつも重なって、「パッケージ音楽の売上減少」 につながっている、と思います。

この記事の筆者の指摘どおり、パッケージ音楽の売上が減ったぶん、
無料動画サイトの再生回数は増加し、楽器や音楽制作アプリ等の売上も増加し、
自称アマチュアミュージシャンの人口は爆発的に増え続けています。

音楽への需要は決して減っていない。 むしろ増えている。
ただ、「音楽の楽しみ方」 のバリエーションが無限に拡大し続けているだけのこと。

もう30~40年も昔から 「日本のレコードやCDはアメリカに比べて高額すぎる!」
と批判されてきましたが、ついにただの一度もユーザー目線に立った価格改善は行われず、
日本経済そのものが異常だったバブル時のCD売上を「基準値」に定め、
少しでも売上が減少しようものなら「不正コピーのせいだ!」と一方的にユーザーを悪者にし、
「CCCD」 といった改悪処理を施すなど、音楽文化の向上にまったく貢献してこなかった。
iTunesが日本に市場展開しようとしたときの反対運動など
まさに既得権益へのしがみつきそのもの。

日本の商業音楽業界の歴史はユーザーを裏切り続けた歴史ですからねえ。
金の亡者がミイラになったところで、同情するユーザーは一人もいません。

ちなみに、ミュージシャン側にも少なからず下衆の極みがいたことは肝に銘じておきませう。

この動画の発言は、果たしてマヂなのか、ネタなのか?
オイラはネタ半分、本音半分のような気がしますがねえ。




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▼ 月定例やまぼうしライブ










  日時 : 5月8日(金) 19時30分~21時00分
  料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
  内容 : 19時30分~ 杉本あきら (ギター弾き語り
        20時15分~ WoodyBell (アメリカンフォーク)




▼ 関連リンク












トワイライト・ヴュー (2000年に宅録したオリジナル曲です)








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