Ｍ２０ｄの遠隔操作について

先日、コメント欄にて ＬＩＮＥ６　Ｍ２０ｄ の遠隔操作に関するお問合せをいただきまして、
これはいいブログネタだと思い、本記事にて回答、説明させていただきます。

まずは、久しぶりの Ｍ２０ｄ ネタということで、念のため概要説明から。

Ｍ２０ｄ は、２０１２年秋に ＬＩＮＥ６ 社がリリースした超変態系デジタルミキサーです。

▼ＬＩＮＥ６の製品説明サイト
http://jp.line6.com/stagescape-m20d/

ご覧のとおり 「デジタル」 とはいえ、「ミキサー」 のくせにフェーダーがないのが大きな特徴で、
その操作体系も従来のミキサーとは一線を画しております。

メーカー曰く 「ＰＡスキルのない方でも簡単に設定～操作できる製品づくりを目指した」 とのことですが、
オイラ的には、むしろそれなりの知識やスキルが要求されるハードルの高い製品のような気がします。

ちなみに同時期 （２０１２年秋） に、ベリンガーから正統派デジタルミキサー Ｘ３２ が発売され、
こちらの方は瞬く間にベストセラーとなった様子ですが、
どうもＭ２０ｄはアヴァンギャルドすぎてあまり流通しているようには見受けられません。
もっともオイラはこのアヴァンギャルド性に惹かれて速攻ゲットしてしまいましたが。

さて、このＭ２０ｄには従来のデジミキにはない、いくつもの 「ウリ」 があります。

・自動的にトリムやチャンネルストリップを設定
・グラフィカルで感覚的なパラメーター操作
・全入力チャンネルをマルチトラックレコーディング可能
・全入力チャンネルにフィードバックサプレッサー装備
・Ｌ６リンク装備
・無線ＬＡＮにて遠隔操作可能

ここで本日のお題となるのが 「無線ＬＡＮによる遠隔操作」 についてです。

オイラは２０１２年秋にＭ２０ｄを購入してすぐに、
近所のヤマダ電機でＵＳＢ型無線ＬＡＮアダプタ （バッファロー製） も購入し、
所有していたｉＰａｄにリモート操作用のアプリをインストールし、遠隔操作を試みました。

マニュアルに沿ってＭ２０ｄのＵＳＢ端子に無線ＬＡＮアダプタを接続してみるも、
ｉＰａｄがその無線ＬＡＮを認識しません。
後で判明したことですが、日本とアメリカでは電波法による使用可能帯域が異なるため、
日本の電波事情ではアメリカ製無線ＬＡＮアダプタは使用不可能とのこと。

さらに、上記ＬＩＮＥ６の製品説明サイトには次のように記されています。

互換性を持つサードパーティ製USB Wi-Fiアダプタ (ドングルタイプのもの) は、
現時点では日本国内では発売されておりません。
より安定した接続を広範囲で実現できる
Apple USB Ethernetアダプタ + 市販のDHCP対応WiFiルーター (Apple AirMac Expressを推奨)
のソリューションをご利用ください。

というワケで、すでに２つの国産ドングル式ＵＳＢ無線ＬＡＮアダプタを購入しては失敗しているため、
推奨されているとおり、現行の Apple USB Ethernetアダプタ + Apple AirMac Express を購入し、
これでようやく無線操作ができる！と勇んで自宅で試してみたところ・・・

ｉＰａｄが無線ＬＡＮを認識しません・・・

念のため、Apple AirMac Express ＝ 無線ＬＡＮルーターが正常作動するか、
自宅の無線ＬＡＮ環境で確認したところ、問題なく作動しました。
もちろんｉＰａｄも問題なくApple AirMac Expressを認識し、インターネット接続できます。

再びＭ２０ｄに Apple USB Ethernetアダプタ + Apple AirMac Express を接続してみるも、
やはりｉＰａｄは無線ＬＡＮを認識してくれません。

その後、ライブＰＡの際、数回にわたり場所を変えて接続にチャレンジしてみましたが、
結果は相変わらずで、未だに無線ＬＡＮによる遠隔操作は成功しておりません。

なお、ＬＩＮＥ６の製品説明会等に出掛けて話を聞いてみると、
他のユーザーの方は問題なく無線ＬＡＮを認識して遠隔操作にトライされているそうな。
うーん、なんでオイラのＭ２０ｄは認識してくれないのかなあ～？

ぜひ一度、メーカーにオイラが使用している実機を送って、動作確認していただこうと思っていますが、
思っているだけで未だに送る機会を見計らったまま、現在に至っております。

ちなみに、他社製デジタルミキサーでもｉＰａｄによる遠隔操作可能な機種は増えていますが、
トリムを含めた 「すべての操作」 をｉＰａｄで行えるモノはＭ２０ｄだけのようです。
さらに、前述の Apple USB Ethernetアダプタ + Apple AirMac Express との組合せにより、
ｉＰａｄ内の音源を Apple AirMac Express のラインアウトからＭ２０ｄに送ることが可能です。

これって何気にゴイスなことでありまして、今までの概念ですと、
たとえ 「デジミキを遠隔操作可能」 であったとしても、デジミキ本体をステージ側に設置してしまうと、
当然ながらＢＧＭ再生用機器もデジミキの横、つまりステージ側に設置することになり、
ＢＧＭ再生機器の再生・停止等の操作も遠隔操作しなければならなかったワケです。
仮にワイヤレスリモコンでの操作が可能であったとしても、
再生機器のディスプレイを確認することはかなり困難と言わざるを得ません。

その点、ｉＰａｄとＡｉｒ Ｍａｃの組合せなら、Ａｉｒ Ｍａｃを介して
手元にあるｉＰａｄ内の音楽をデジミキに送ることができるワケなので、
これはヒジョーに便利であるに違いありません。
なお、これはＭ２０ｄだけのアドバンテージではなく
ｉＰａｄによる遠隔操作可能なすべてのデジミキに応用できるワザです。

というワケで、オイラもなんとかＭ２０ｄの遠隔操作を実現させたいのはヤマヤマですが・・・
果たしてＸデーが訪れるのはいつになるのでしょう？

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　　▼ 1990年頃、オイラが参加していたアマチュアバンドの自主製作CDからの音源です
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