コンプレッサーを使いこなせる人は尊敬に値します

宅録、PA、楽器演奏に不可欠なエフェクターのひとつに 「コンプレッサー」 があります。
直訳すれば 「圧縮機」
その名のとおり入力された音声信号を 「圧縮」 するエフェクター

本来は、予期せぬ過大な音声入力を歪ませることなく出力するために開発されたとのことですが、
いつの頃からか、圧縮にかかるプロセスにより発生する 「音色変化」 が注目され、
現在は 「音圧を稼ぐ」 ことが主目的に変化しているように思えます。

ちなみにオイラが初めて入手したコンプレッサーはタスカムのDL20という製品で、
それはそれはノイジーなマシンではありましたが、圧縮後の音色変化がバイオレンスというか、
ヒジョーにロック的で荒々しいサウンドであったと記憶しております。

さて、一般的なコンプレッサーのパラメーターは次の4つで構成されています。
スレッショルド・レベル / 圧縮機能がかかり始める最低レベル
●レシオ / 圧縮比
●アタック・タイム / 音声入力がスレッショルド・レベルを超えてから圧縮機能がかかり始めるまでの時間
●リリース・タイム / 音声入力がスレッショルド・レベル以下に下がってから圧縮機能が解除されるまでの時間

まあ、細かい設定セオリー等については他の専門的なサイトにお任せするとして (オイ!) 、
オイラがコンプレッサーを使用する際にもっとも注意しているのは、
上記のパラメーターを設定するための目途となる 「ゲイン・リダクション (GR) ・メーター」 です。

一般的にコンプレッサーには2つのメーターが装備されていて、
一つは入力レベルメーター。そしてもうひとつが圧縮状態を表示するGRメーターです。

入力レベルメーターがレッドゾーンに入るようであれば、コンプ設定の前に、
まずチャンネル・トリムを下げて、適正なレベルに調整しなければなりません。
そして、他のチャンネルに比べて入力レベルのダイナミクスが大きいようであれば、
「下限」 をチャンネル・トリム (もしくはメイクアップ・ゲイン) を少し上げて調整し、
「上限」 をGRメーターを見ながらスレッショルド・レベルとレシオで調整します。

つまり、GRメーターが 「適度に振れている状態」 にパラメーターを動かす、
というのがオイラの基本スタイルでありやんす。
誰かに教わったワケではなく、自分で試行錯誤して見つけた方法論なので間違っているかもしれませんが、
とりあえず自分の担当してきたPA現場は、この方法で無難にこなせていると認識しております。

さらにアクティブに活用したいと思ったら、意図的に入力レベルを 「歪ませる」 位に大きく設定し、
スレッショルド・レベルを低めに、レシオで圧縮率を高めに設定することで、
いかにも 「潰した」 カンジを演出するようにしております。

特にドラム (キック+スネア) やスラップ系ベースに有効とされているワザで、
この場合は、曲のテンポというか、8分音符のタイミングで連続的に叩いた際に、
「潰れたまま」 の状態が続かないようにアタック・タイム、リリース・タイムを調整したりもします。
さすがに16分音符のタイミングでは 「潰れたまま」 にならざるを得ないとは思いますが。

最近のデジタルミキサーは、全チャンネルにコンプレッサーが装備されているものがほとんどで、
オイラ的には、これだけでもデジミキを購入するメリットがあると感じています。
アナログミキサーの全チャンネルにコンプレッサーを使用したいと思ったら、
本体以上にアウトボード購入経費がかかってしまいます。

また、アナログ式コンプレッサー、特にビンテージ物は独特の音色変化に人気があるようで、
「TELETRONIX LA-2A」 とか 「UREI 1176」 等の中古品には
数十万円の値がつくことも珍しくありません。

しかしながら、「圧縮する」 という機能の宿命により、SN比の低下は避けられぬようで、
実際の使用に当たっては、プロ並みの知識、注意、配慮が必須と思われます。
オイラのような 「門前の小僧」 状態で宅録やPAを行っている程度の者に
簡単に使いこなせるようなシロモノではないと思います。
(パラメーター自体は単純なんですが、機器の取扱いやメンテナンスという点において、です。)

よって、アマチュアPA屋は、アマチュアにも使いやすいようにチューニングされた、
デジミキ装備の 「ライブラリー」 を使って、使いこなし術を練習していくべきだと思います。

マチュア宅録作品、たとえば自主製作CD-Rやユーチューブにアップされている音源、
等を拝聴しますと、あからさまに過剰なコンプレッションの作品、オート機能の使い過ぎ作品、
コンプレッサーを使うべき所で使っていない作品 (適切なパラメーター設定していない作品?)、
等が散見されます。

かくいうオイラもまったくと言っていいほどコンプレッサーの使い方を 「極めて」 おりません。
つーか、コンプレッサーを完璧に使いこなすか、こなせていないか、が、
プロとアマのひとつの境界線であると思います。









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  ▼ 1月定例やまぼうしライブ
   日時 : 1月11日(金) 19時30分~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー やまぼうし
   料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
   内容 : (出演者調整中)

  ▼ 不肖オイラ=BLUES和也の1989年宅録作品です
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  ▼ 森下よしひさフィルムコンサート #07 / おまえが大きくなった時
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  ▼ 北街道の唄プロジェクト
  http://www.kitakaidounouta-project.net/
  ※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクト。
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  ▼ Recording Studio GARAGE MIHO (本館) はこちら
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