人によって異なる 「マスタリング」 の解釈

今でこそ、アマチュアミュージシャンでも気軽に 「マスタリング」 と言う単語を話すようになりましたが、
少なくとも1980年代頃までは、プロミュージシャン、いや、レコード制作関係者の専門用語であったと思います。

ではなぜ、現在はアマチュアでも口にするようになったかと言えば、
マチュアが自分一人でもCD-Rによりアルバム制作できる環境になったからに他なりませぬ。

Wikipedia 「マスタリング」 の意味を調べてみると次のように記載されています。

1 様々な素材、内容を記録媒体(CD、DVD、LPレコード、ビデオテープ等)に収録し、
  量産用プレスをする際のマスター(原盤)を作成する作業。
  これは音楽に限らずコンピュータゲームやパソコン用ソフト、データを収録した
  CD-ROMやDVD-ROMの他、DVD-Video、DVD-Audio等のメディアの種類を問わず
  原盤を作成する事を意味する。原盤製作作業。

2 録音による音楽作品制作において、ミキシングして作られた2トラックのマスター音源を
  イコライザーとコンプレッサーを用いて加工し、最終的な曲の音量や音質、音圧を調整すること。

オイラはレコード制作関係者でもなく、一介のアマチュアPA屋でしかないので断言はできませぬが、
1980年代までの 「マスタリング」 とは、上記 「1」 のことを指し、
1990年以降においては、「2」 の意味が付加されてきた、と解釈しております。

つまり、本来のマスタリングとは、2トラックにミックスダウンされた 「1曲だけ」 を調整するものではなく、
アルバムに収められる全曲を調整して、原盤を製作する作業全般のことであったとのこと。

その中には、アナログレコード時代であれば、プレスマスターとなるビニール盤に
溝をカッティングしていく作業等の 「職人技」 も含まれているワケで、
どのくらいの針圧、どのくらいの溝の間隔でカッティングすれば、どんな音が再生されるのか、
そういったことを熟知した職人でなければとてもつとまらない 「聖域」 であったと妄想いたします。

それに対して、最近、使われている 「マスタリング」 とは、
DAWで宅録した自作曲を、wav や mp3 に書き出す前に行う調整作業の意味でしかありません。
ハッキリ言って 「誰にでもできる」 作業であり、そこに熟練の職人技は必要とされません。

いや、本来であれば、マスタリングエフェクトのすべてのパラメーターを試行錯誤し、
どのパラメーターをどれだけ増減すればどのような効果が出るのか、を勉強し、
「職人技」 を習得する必要があることは言うまでもありませんが、
オイラを含めて9割以上のアマチュアは、プリセットの設定をほんの少し調整する、
程度のことしか行っていないのが現状であると想像いたします。

たまにアマチュアミュージシャンのホムペ等で 「マスタリング引き受けます」 の表記を見かけますが、
果たしてコイツは本来の 「マスタリング」 の意味を理解し、職人技を身に付けているのか?
疑問に思ってしまいます。








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