これぞ名盤! 「BANDWAGON」 by 鈴木茂

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オイラが敬愛するギタリスト・ 鈴木茂大麻所持の現行犯で逮捕されたとのこと。
マジかよー!?

2月19日8時3分配信 サンケイスポーツより無断転載

はっぴいえんど鈴木茂大麻逮捕

日本を代表するミュージシャン、細野晴臣 (61)、大瀧詠一 (60) らを輩出したロックバンド
はっぴいえんど」 の元ギタリスト、鈴木茂容疑者 (57) が18日までに、
大麻取締法違反 (所持) の現行犯で警視庁東京湾岸署に逮捕された。
警官に職務質問を受けた際、乗用車の中から大麻が発見された。
鈴木容疑者は、日本語ロックを確立した伝説のバンドの名を汚してしまった。

わずか3年間の活動で 「ロック=英語」 という既成観念を覆した
“日本語ロック”の元祖バンド 「はっぴいえんど」。
華麗な演奏でその名声を支えたギタリストが、大麻に手を染めていた。

同署の調べによると、17日午後2時ごろ、パトロール中の警視庁地域課の警官が、
同署やフジテレビ湾岸スタジオに近い江東区青海2丁目の路上で駐車禁止の路肩に停止中の不審車両を発見。
運転席にいた鈴木容疑者に職務質問をした。

現場は、巨大倉庫が立ち並ぶ片側2車線の道路で、トラックなどの大型車の通行が目立つ。
終始、うつむき加減の鈴木容疑者を不審に思った警官が車内を調べると、
運転席脇の小物入れから、タッパーに入った乾燥大麻約1グラムを発見。

警官から 「これは何ですか」 と訪ねられた同容疑者は、抵抗することなく 「大麻です」 。
その場で現行犯逮捕された。
取り調べでは 「音楽の収録で近くまで来ていました。
大麻は自分のもので吸うために持っていました」 と供述している。

鈴木容疑者は 「はっぴいえんど」 当時から、スライドギターの名手として鳴らした。
解散後の74年には、細野や松任谷正隆 (57) らによる音楽ユニット 「ティン・パン・アレー」 に参加。
80年代からは主にアレンジャーとして活躍し、真心ブラザーズなどをプロデュース。
歌手の沢田研二 (60) や水谷豊 (56) などのバックギタリストも務めた。

ほかのメンバーが表舞台で華々しく活躍する中、“裏方” として音楽活動を続けてきた鈴木容疑者。
同署によると、大麻1グラムは 「4~6回吸えるほどの量」。
過去に大麻での逮捕歴はないが、同容疑者の自宅を家宅捜索するなどして、使用状況などを慎重に調べる。

うーぬ、オイラの知る限り、はっぴいえんど を頂点とするミュージシャンつながりの中で、
大麻覚せい剤による逮捕者と言うのはほとんど記憶がない。

上記記事に書かれているとおり、
「鈴木容疑者は、日本語ロックを確立した伝説のバンドの名を汚してしまった。」
と言う表現は、残念だが認めざるを得ない・・・

事件そのものはもちろん衝撃的であったが、それと同じくらいオイラが驚いたのは、
はっぴいえんど 解散 (1972年) から37年が経過していると言うのに、
未だに鈴木茂のことを はっぴいえんどの元ギタリスト」 としか形容できない、
マスコミ側のボキャブラリー (?) の貧しさだ。

鈴木茂の足跡として 「元・はっぴいえんど の呪縛から逃れることはできないが、
それと同じくらい、いや、それ以上に多くの素晴しい作品を世に残しているのに、
どこのニュース記事でも判で押したように はっぴいえんど ばかり強調しやがって、
なんつーか、必要以上に 「栄光から奈落の底へ」 を強調したがっているように見えて面白くない。


さて、低俗な芸能報道はともかく、
鈴木茂 の残した数々の功績が日本の音楽ファンの記憶から消えることはない。

恐らく日本のベテランミュージシャン、特にギタリストを対象に
「多大な影響を受けた日本のアルバム」 についてアンケートを実施すれば、
鈴木茂のソロデビューアルバム 「BAND WAGON」 が上位に食い込むことは間違いない。

オイラ程度の 「なんちゃってギタリスト」 が
このアルバムについて語るなど、おこがましいにも程があると言わざるを得ないが、
当時23歳の鈴木茂が単身LAに乗り込んで、当時の超一流ミュージシャンを起用し、
あの リトルフィート の面々を相手にギターバトルを繰り広げて作り上げた歴史的名盤である。

何度聴き直してみても、この躍動感溢れるグルーヴの嵐のようなサウンド
エバーグリーンの輝きを失うことはない。

現在においても鈴木茂作品としてもっとも知名度のある名曲 砂の女 から始まる全9曲。
後年の鈴木茂のアルバムは年を追うごとにギターのアレンジが控えめになっていくが、
このアルバムに限っては、まさに 干し芋小僧 (=鈴木茂のアダ名) のストラトキャスターが、
狂気の叫びを上げまくっている!

BAND WAGON 収録曲
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オイラ的には、現在も色々なミュージシャンにカバーされている名曲中の名曲、
砂の女」、「100ワットの恋人」 はもちろん大好きな作品で、自身で弾き語ったこともあるが、
それ以上にお気に入りなのが3曲目の 微熱少年

この曲のイントロ部分に8分刻みのギターカッティングのようなフレーズがあるのだが、
このサウンドをどうやって作っているのか、オイラ的には未だに謎である。
恐らく8分のフィードバックディレイを使っていると思うのだが、本当にそうなのか、確証がない。
もしご存知の方がいたらぜひ教えて欲しい。

さらに、アルバム全体に 「ボトルネックサウンド」 がフィーチャーされているのだが、
中でもこの 微熱少年 のスライドギターは秀逸だ。

また、はっぴいえんど時代からの 「流れ」 を引き継ぐ、松本隆「風街」 的な詩も素晴しい。

微熱少年

俄か雨降る午後に 体温計を挟み 天井の木目ゆらゆらと揺れて溶け出した
窓の硝子を叩く 野球帽子の少年の ビー玉を石で砕いては 空に撒き散らす
ほらね 嘘じゃないだろう 路面電車は浮かんでゆくよ 銀河へと

遠い電車の響き 路地から路地に伝染り 目覚めれば誰もいない部屋 夜が忍び寄る
ほらね 嘘じゃないだろう 路面電車は浮かんでゆくよ 銀河へと

どーですか、お客さん。
後年、松本隆が自分自身の形容詞として多用する 微熱少年 の原点がここにあるんですっ。

悪寒を感じて自宅で寝込んでいる少年 (自分自身) の心象風景を、
宮沢賢治よろしく、当時の東京の下町の原色風景とオーバーラップさせて描いている。
ノスタルジー溢れる素晴しい詩なんだな~。


と言うワケで、オイラの知り合いの若手アマチュアミュージシャンの中では、
はっぴいえんど がなんと言ってもイチバン人気であるが、
オイラ的には、各メンバーのソロアルバムもぜひ聴いて欲しい。
中でもこの 「BAND WAGON」 は、超オススメの名盤中名盤でありやす。

このアルバムを聴いて 「グルーヴ」 を感じない人間にミュージシャンの資質はない。

・・・と思ったら、ぬわんと今回の大麻事件の影響から、
レコード会社 (ポニーキャニオン) が はっぴいえんど のアルバム出荷を中止するとの報道をが!
をいをい、30年以上も昔の作品、それも日本のロックの芸術的・歴史的名盤に罪はないだろう。

ちなみに BAND WAGONPANAMレーベル (=クラウンレコード) ですが、
こちらの方も 「発売を見合わせる」 ことになるのかな~?

ま、ロックに興味のない一般ピーポーや、顔の見えない無責任なネット上のクレーマーたちにとっては、
格好の 「標的」 になることは目に見えているので、
レコード会社のリスクマネジメントとしての今回の措置がわからんでもないが・・・

いやー、現在のループベースのリズムに馴れてしまっている若手ミュージシャンたちには、
何が何でも聴いてもらいたい究極のグルーヴだけになんとも残念ですっ。

干し芋小僧のチャカポコギターは永遠に不滅だあああああああ!



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  ▼ Recording Studio GARAGE MIHO(本館)はこちら
   http://www.geocities.jp/garage_miho

  ▼ カプー Toki Oto Akari ライブ
   日時 : 2月日21(土)19時00分開場、20時00分開演予定
   会場 : カフェCAPU
   料金 : チップインスタイル
   出演 : 丸山研二郎

  ▼ やまぼうしライブ増刊号
   日時 : 2月22日(日)17時00分~19時30分
   会場 : コーヒー&ギャラリー やまぼうし
   料金 : @500円(ワンドリンク付き)
   出演 : 17時00分~ HEY BABE! 超絶早弾きカントリー
        18時00分~ ツインブレード+1 完全即興ジャムセッション
       http://www.geocities.jp/garage_miho/photos/20090222zoukangou_flyer.bmp

  ▼ ライブハウスに ROCK54 出演
   日時 : 2月28日(土)19時00分開演
   会場 : JAM JAM JAM
   出演 : ROCK-GO-JUICY ~ 渇き ~ DOLLS ~ The Columbia
        ※オイラがボーカル&ギターで参加しているオヤヂバンドのハコライブです
   料金 : 前売1500円、当日1800円(ワンドリンク代別)

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