PA現場の命綱・・・安定化電源装置

先日の 「あかぺら横丁ライブ」 のPAを行った際、恐らく出演者やお客さんにはわからなかったと思うが、
実はPAブース内では、途中でステージパフォーマンスが中断してしまいかねない 事故 が
今にも起こるんじゃないかと冷や冷やしておりますた。

その事故とは、ズバリ 「電圧低下によるブレーカー落ち」

この現場の電源は、ドリームプラザ海側デッキに設置されている分電盤を利用させてもらっているが、
設営後の音チェックの時点での電圧は100V前後で、まあ安定していたが、
ゲストバンドのリハが始まった途端、電圧がグーンと下がりだし、
それこそビートの強弱で電圧が上下するような状況となり、
うわー、こらーもしかするとイベント途中でブレーカー落ちるかな~、とキモを冷やしていた。
結局、最後までブレーカーが落ちることなく、何とか無事イベント終了することができたが、
実は、PA屋的にはこーゆー場面は決して珍しいことではない。

事実、PA現場のトラブル原因の1~2位は、実は電源トラブルだったりする。
ゆえにプロのPA屋さんは電源の確保、確認に細心の注意を払う。

マチュアのオイラであっても、今までこれでもかと言うくらいに電源トラブルに見舞われているので、
一応、それなりの対処はしておりまふ。

つまり、安定化電源装置 の利用である。
安定化電源装置 とはなんぞや?

ちなみに サウンドハウス の商品カタログの 「電源モジュール」 のラインアップを見ると、
製品によって次のような性能説明がされておりまふ。
・パワーディストリビューター
・パワーコンディショナー
・安定化電源
・クリーン電源


正直、オイラ自身、あまりこれらの製品の相違点を十分に理解していなかった。
みなさんはこれらの違いがわかりますでしょーか?

この答えを求めていろいろと検索してみたところ、
このテの製品の代表ブランドである ファーマン の日本代理店、
日本エレクトロハーモニクス のページに次のような解説を発見すますた。

パワーコンディショナー、平衡アイソレーション電源トランス、安定化電源、パワーディストリビューター
の違いについて

・パワーコンディショナー
ラックマウントタイプのパワーディストリビューターに、
ノイズフィルター及びサージフィルターを装備したもの。
ライトモジュールや電圧表示メーター等の機能を持った製品が揃っています。

・平衡アイソレーション電源トランス
パワーコンディショナーよりも更にノイズ除去の能力を高めた電源装置。
アイソレーション(絶縁)トランスの2次側中点をグランドに落とす事でノイズをシャットアウトします。
但し、設置工事が必要です。

・安定化電源
パワーコンディショナー機能に加え、電源電圧を一定にする機能があります。
電圧の変動に対しシビアな機材をお使いの方、
機材の移動が多く、如何なる場所でも安定した電源を確保したい方、
野外で発電機等の不安定な電源で機材をお使いの方にお勧めです。

パワーディストリビューター
上記3種に含まれない機能の電源装置です


なるほど、ほとんどオイラの考えていたとおりの内容でホッと一安心。
ついでに、上記解説には触れられていない 「クリーン電源」 についての補足をば。

数年前に読んだサウンド&レコーディングマガジン記事のうろ覚えであるが、
「クリーン電源(装置)」 とは、家庭のコンセント等から得られる交流電源の波形を、
きれいなサインカーブに修正して出力するシロモノであり、
日本では 信濃電気」 の製品がディファクトスタンダードとなっているらしい。

蛇足だが、よく 「電源コードを変えたら音が良くなった」 と言うような話を耳にするが、
オイラ的にはたかが電源コードを変えただけで音が変わるとは俄かに信じがたい。
本当に音を良くしたいと思ったら、これら 「クリーン電源装置」 を使うべきではなかろうか、
と強~く考えるが、どーよ?

ちなみにその信濃電気の 「クリーン電源」 製品群だが、
もっとも有名 (だと思う) 同社の製品は、HSR510
サウンドハウス価格で275000円(!)だが、こんなんで 「高い!」 などと思ってはいけない。
オイラの記憶では、10年くらい前の同等製品の最安値はたしか40万円くらいだったはず。
かな~り価格破壊が進んできてこの値段になっている、ということを付け足しておきませう。



さて、いささかイントロが長くなったが、
以上のような理由から、 「オイラも安定化電源が欲しい!」 と強く思い始めたのが約15年前。
そしてその頃、偶然、東京の中古楽器店で見つけた製品がこれ、
[ FURMAN AR117J ]

イメージ 1


これは、現行製品である [ FURMAN AR1215J ] の先代製品で、当時も今も新品価格は約10万円。
たしかスタジオ落ちの中古を4~5万円で購入したと記憶している。


▼ファーマン(日本エレクトロハーモニクス)の製品説明はこちら
http://www.electroharmonix.co.jp/furman/ar1215j.htm

前述のとおり、コイツは、たとえ壁コンセントの電圧が80Vであっても、
強制的に100V電圧を供給してくれるので、コイツを使い出して以来、
デジタル製品(特に海外モノ)が電圧低下により途中でパワーオフしてしまうような事態はなくなった。

とは言え、コイツは決して 「発電機」 ではなく、
枯れかけた井戸から強制的に井戸水を汲み上げるような 「力技」 であるゆえ、
コイツを使ったことにより 「ブレーカーが落ちる危険性」 は、
使っていないときよりも、むしろ増しているのではないか、と思われる。

実際、小型発電機のコンセントにコイツを噛ませてPAを行ったときは、
発電機の発電量が電気の消費量に追いつかず、何度もエンストしかけた現場を経験したことがある。

かと言って、コイツを使わなければ、電圧が80Vを切った当たりで
外国製パワーアンプなどはアンプ内蔵のブレーカーが落ちまくったりするので、
結局、何もできない状態となってしまう。

となると、とどのつまりは、「ちゃんとした電源を確保しましょう」 と言う結論になってしまう。
もしくは、徹底的に 「低消費電力」 機器を取り揃えるか、と言うことでしょう。

ちなみにオイラは、前述のとおり、安定化電源モジュールと低消費電力のアンプを併用しておりまふ。

・・・それでもPA現場では、未だに頻繁にブレーカーが落ちるんだよなー。
ハッキリ言って、ここまで対処してきて落ちるんだから、もうこれ以上はオイラの責任ではありましぇんっ!




■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■

  ▼ Recording Studio GARAGE MIHO(本館)はこちら
   http://www.geocities.jp/garage_miho

  ▼ 祝・やまぼうし開店10周年記念パーティー
   日時 : 10月10日(金)19時~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー「やまぼうし」
   料金 : @2000円(フリーフーズ・ドリンク別)
※完全予約制です 参加希望の方は 森下 or 篠崎 までご一報を
        http://www.geocities.jp/garage_miho/photos/20081010yamaboushilive_flyer.bmp

  ▼ 秋の夜長チックライブ
   日時 : 10月12日(日)18時30分~21時00分
   会場 : ミュージアムカフェ「Pili-Pala(ピリパラ)」
        静岡市葵区昭府2-18-36静岡市北部生涯学習センター北側) 電話054-270-8050
   料金 : @1000円(フード・ドリンク代別で一律@500円)
   出演 : 18時30分~ 鳥井さきこ
        19時00分~ 森下よしひさ
        19時30分~ (intermission)
        20時00分~ 練 neri

  ▼ ドリプラシーサイドライブに出演
   日時 : 10月19日(日)14時~
   会場 : 清水エスパルスドリームプラザ シーサイドデッキ
   料金 : 無料
   出演 : blanc、カウチポテトROCK54、他(予定)

■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■-■