俺が死んでも三沢さんを恨まないでくれ

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プロレスラー・小橋建太が地獄の淵から蘇った。

悪夢の腎臓ガン告知からいったんリングを去り、
腎臓摘出手術を経て、地道なリハビリとトレーニングを続け、
去る12月2日、“鉄人・絶対王者 こと小橋建太は、
実に546日ぶりに日本武道館のメインエベントのリングに戻ってきた。

現在、プロレス界は総合格闘技の人気に完全に押されていて、
どこの団体も会場への入場者数は激減していると言うのに、
この小橋建太の復帰戦が発表されるや、ぬわんと翌日には全席チケット完売!
いかにこの小橋建太と言うレスラーがプロレスファンから愛されているかがわかると言うモノ。

お客さんの熱気、期待が臨界点に達したメインエベント。
小橋の入場テーマ曲が流れ出すや、爆発するような歓声が日本武道館を覆い尽くす。

山下達郎がよく口にする、
「コンサートを成功させる要因の8割以上はお客さんの力に委ねられている」
を、まさに証明するかのような入場シーンだ。

音楽ライブもプロレスの試合もそういった意味ではまったく同じ。
ハッキリ言ってこの「出来上がった」空気さえあれば、興行として9割以上成功したも同然と言える。

しかし残りの一割はやはり主役の力に委ねられるしかない。

どんなにお客さん、スタッフ、脇役たちがお膳立てを整えたとしても
主役がその期待に応えられなければすべては水泡に帰してしまう。

その責任感、重圧たるやオイラなんぞには想像できるワケもないが、
我らの鉄人・小橋建太は十二分にその重責を全うする復活劇を遂げてくれた!


ご存知のとおり、プロレスの勝負は 「フェイク」 である。
だが、この日、地獄の淵から奇跡の生還を果たした小橋の生き様は正真正銘の 「リアル」 であった。

恐らく観客1万7千人のうち1万6千人が予想したとおり、この日、小橋はフォール負けを喫した。
にもかかわらず間違いなくこの日の真の勝者は小橋であった。

試合後、勝利者である三沢のテーマ曲が流れているにもかかわらず、
そのビートに乗せて全観客がコバシコールを絶叫すると言う前代未聞のシーンが
如実に 「勝者・コバシ」 を物語っていた。


やはりここでも故・井上義啓週刊ファイト編集長の名言がよみがえる。

「プロレスの真の勝者とは見る者の心によって決まる」

「“過激なプロレス”とはリング上ではなくリング外の生き様を指す言葉である」



本日のブログタイトルである 「俺が死んでも三沢さんを恨まないでくれ」 と言う言葉は、
1997年1月20日大阪府立体育館での三冠戦前日に小橋が母親に電話をかけたときに発したもの。

その試合でも小橋は負けた。

試合後、小橋は病院に直行し、予定されていたその日の夜のスポーツ番組への生出演はかなわず
対戦相手である勝者・三沢のみが出演することとなった。
そのテレビ番組の冒頭、キャスターの中畑清はプロレスの真似事として女子アナの首をしめるなどしてふざけていたが、
実際に試合のVTRを見てその想像を絶する激しい攻防にショックを受け、三沢に謝罪したという逸話がある。


誰もが認める天才・三沢光晴に対し、誰もが共感を覚える凡才・小橋建太

古くからのプロレスファンは、凡才・小橋がカメのように天才・三沢を追い続け、どんなに負けを重ねても、
練習に練習を重ね、そしてついに三沢に追いつき、三沢を追い越した生き様を知っている。

そして現在、小橋は 「鉄人」、「絶対王者」 と言う称号で呼ばれているが、
オイラ的には真の意味での 「ピープルズ・チャンプ」 の称号を贈りたいっ!
この称号は小島聡より小橋の方がずっと相応しい。
たとえベルトを持っていなくてもそんなの関係ねえっ!

そしてピープルズ・チャンプはどんな苦境に立たされようと必ず人々の期待に応えてくれた。

だから、プロレスファンは彼の生き様から学習しなければならない。
凡才がいかに天才を超えたのか、凡人がいかに病魔に打ち克ったのかを。

小橋がプロレスファンに与えてくれた 「夢」 を、
今度はプロレスファン一人ひとりが身を持ってそれぞれの 「夢」 を実現することが
ピープルズ・チャンプへの最大の恩返しとなる。


いまどきダサいと言われようが、オイラも小橋からはたくさんの夢と希望をいただいた。

だから

今度はオレの番なのだ。




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   日時 : 12月14日(金)19時30分~21時00分
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