アマチュアPA屋の逆襲

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一昨日のブログで長々とプロ・アマのPA屋の違い、プロの責任感等について語らせていただいたが、
さて、それじゃー 「プロのPA屋」 はすべての面でアマチュアPA屋を上回っているのだろうか?

いーや、そんなことはない。
マチュアには簡単にできることでも、プロにはなかなか難しいことだってある。

オイラ的見解では、大きく二つの点でアマチュアはプロに勝っていると考えている。
ひとつは 「しがらみのなさ」、もうひとつは 「冒険」 である。


「しがらみ」 とはズバリ、PA料金のこと。

プロのPA屋さんはノーギャラの仕事はしない。
もしノーギャラで、とあるクライアントの仕事を請けざるを得ない状況になったとして、
万が一そんな情報が他のクライアントの耳に入ってしまおうものなら、
「ウチの現場もひとつくらいはノーギャラでやれ!」
と言われるのがオチ。

あっちを立てればこっちが立たず、一度下げてしまった料金体系を元に戻すのは至難のワザ。
ゆえに、プロのPA屋さんは、ノーギャラの仕事を請けることはできない。
たとえ自分がお気に入りのアマチュアミュージシャンがいたとしても、
そいつのためだけに特別サービスすることは、原則的にできないはず。
すると、個人的にはサポートしたくても、会社的には絶対NGと言うことになる。

それに対してアマチュアPA屋の場合・・・いや、「オレの場合」 と言うべきか、
オイラは自分が気に入ったミュージシャンを見つければ、
こっちから頼んででもそのミュージシャンのライブPAをやらせてもらう。
もちろんノーギャラだ。
そしてそのことに対して、他のミュージシャンからのクレームは一切受け付けない。
文句があるなら、今後一切、そのミュージシャンからのオファーは請けないだけのことだ。


そしてもうひとつの 「冒険」 とは、すなわち 「失敗を恐れず実験ができる」 と言うこと。

その良い例が 「デジタルミキサー」 の導入である。
世界初の廉価版デジタルミキサー 「YAMAHA Pro-Mix01」 が発売されたとき、
オイラの回りのベテランPA屋の方々はこぞって 「あんなモノ、PAで使い物になるワケねぇっ!」
と、ハナっから相手にしていなかったが、オイラだけは、
「オレならこいつをPAで100%活用してみせるっ!」
と言う確信を持ち、実際、コイツを導入して数々の現場で使っていった。

たしかにデジタルミキサーはわかりにくいし、使いにくい。
だが、省スペース性、コストパフォーマンスに関しては、
従来のアナログミキサーが逆立ちしても敵わない、将来性が秘められていた。

ハッキリ言って、オレももしプロの現場のPAを頼まれたら、怖くてデジミキは使えなかったと思う、当時は。
だが、多少の失敗には寛大(?)なクライアントの現場であれば、
失敗を恐れず、「本番」 で色々な試行錯誤を行うことができたのだ!


オイラが実践してきた試行錯誤には次のようなモノがある。

① デジタルミキサーの積極的導入

② DAWを使ったライブのマルチトラックレコーディング

③ PAを兼務しながらのVJの試験的導入



このうち、②については、オイラはプロ・アマ問わず、かなりのノウハウを構築できていると言う自負がある。
恐らくプロのPA屋さんが、アマチュアバンドからライブのマルチトラックレコーディングのオファーを請けて、
24トラックの同録の対応できる業者さんはそうそういないはず。
仮に対応できたとしても、24ものチャンネルを使う規模のバンドのPA料金と、
さらにレコーディングにかかる経費を見積もれば、恐らく20万円クラスの仕事になると思う。

だが、アマチュアが20万円も支出して、プロのPA屋にライブのマルチ録音をオファーするとは到底思えない。
そんなに経費がかかるんだったら、PAの2トラックアウトをもらってMDに録音することで我慢するであろう。

クライアント側(アマチュアバンド)にとっては、見積もりが高額すぎてとてもオファーを出せない。
プロのPA屋側にとっては、オファーがない仕事を自腹を切って行う必然性はない。

だが、アマチュアPA屋なら、いや、オレなら、単に 「自分がやってみたい」 と言う理由だけで、それができる。
そして、実際にPA現場にパソコン、DAWを持ち込み、PAオペをしながらマルチトラックレコーディングを行っている。

くどいようだが、ライブ主催者から、出演バンドから頼まれたワケではなく、
本当に、ただ単に自分の希望により実施しているに過ぎない。
もちろんノーギャラである。

オファーがないにもかかわらず、本番中に危険を伴う余計なこと(試行錯誤)にトライできることは、
マチュアPA屋最大のメリットだと、オレは思っている。

そしてこれはプロのPA屋さんには恐らく真似のできないことだとも思っている。


プロは 「お金」 をもらうことが第一目的でサービスを提供しているのに対し、
マチュアは、「自己満足」 を得ることが第一目的であることに最大の違いがあるのではなかろうか?

マチュアPA屋だって、そらーできることならギャラ(お礼)は高額の方が嬉しいに決まっているが、
それ以上にPAを行うことによって音楽的な満足感を得ることの方がず~っと大事である。


もし、本番中にクライアントがPA屋の意に沿わない要求を出した場合、
プロはギャラをもらっている以上、自分の信念を曲げてでもその指示に従わなければならない。
だがアマチュア(オイラ)は、クライアントの指示を無視しても自分の信念を貫く。

お気に召さないのならギャラはいらねーぜ。
別に生活のためにPA屋をやってるワケじゃねーんだから。
音楽が好きだから、心地よいライブを自分の好みのミックスバランスで聴くためにPAやっているようなモンだから、


プロの真似をする気などサラサラありましぇん。
プロには真似のできないことをやってこそアマチュアの意義があるってモンだぜいっ!




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  ▼ 11月定例やまぼうしライブ
   日時 : 11月9日(金)19時30分~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー「やまぼうし」
   料金 : @500円(ワンドリンク付き)
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        20時15分~ チャオくぼた (シミフェスより愛をこめて)
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   日時 : 11月23日(金)~25日(日)(雨天中止)
   会場 : 静岡市葵区・青葉公園
   料金 : 入場無料
   ※ オイラも 「BLUES和也」 名で出演しますっ!(ちなみに あやあね さんも出演予定!)

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