サンデー・ソング・ブック「新春放談」を聞いて(その2)

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以前、山下師匠が言った言葉で強烈に印象に残っている発言がある。

僕はプロのミュージシャンでありレコード会社の役員でもある。

僕には社員を 「食べさせる義務」 があるから、売れる音楽を作らなければならない。

それは必ずしも自分のやりたい音楽であるとは限らない。

僕の場合、幸いにも自分の好きな音楽のジャンルが世間一般の需要と似通っていたから生き残れている。

常に 自分のやりたい音楽 と 売れる音楽 の妥協点を探しながら作品を作っています。



うーん、なかなか重たいお言葉。

特にポイントだと思うのが、山下師匠自身が「制作」と「経営」の両方に関わっていること。
それゆえ、山下師匠ひとりの中で自己完結しているからまだいいようなものの、
これが制作側と経営側が別人だったら(恐らく大半がそうだと思うが)、
オレはこういうオンガクを作りたい!
それじゃあ売れないから、ここをこうしろ!
と言う不毛の戦いが日常茶飯事ではなかろうか?

もしくは、制作側が自分の意思を放棄して、
経営側に言われるがままの「人形」に徹するのか、それはよくわからない。

わからないが、もし自分が「食べていくために人形に徹する」ことを選ばざるを得ない状況になったら、
さぞかし苦痛であろうことは想像に難くない。


今まで上記のようなことはオレの 「憶測」 に過ぎなかったが、
昨日ブログった大滝師匠のお言葉

「音楽のプロ(制作側)に回ったことを後悔している」

旨の発言を聞き、やっぱりそうなのか、との思いを強くした。



プロになりたくてもなれないオイラなどからすれば、
なんともゼータクな悩みのような気もしないではないが、
聞くところによると、プロを目指して上京したロックバンドの下積み生活ってのは、
そりゃーまー過酷な毎日だそうな。

たとえ事務所からのスカウトがきっかけでの上京であったとしても、
メジャーデビューするまでは、そこいらのバンドと大差はないようだ。

誰も知り合いのいない町で、チケットノルマを捌くのは並大抵の苦労ではない。
すると自然に自腹を切る割合が多くなり、アルバイトに割く時間も増えてくる。
ほどなく練習時間のスケジュールも散漫になりライブのクオリティも向上しない。
最後は人間関係が崩壊し、郷里に戻る。

ってのが、残念ながら大多数の真実であると思う。

さらに言えば、めでたくメジャーデビューできたところで、
担当プロデューサーの言うとおりに活動しなければならず、
その方向性が自分たちの妥協範囲内ならまだしも、
どうしても我慢ならなかったら、やはり辞めるしかない。

恐らく新人バンドにプロデューサーを逆指名する権利などあろうはずもないので、
こればっかりは 「運を天に任せる」 しかないのではないか?


ま、プロを目指したこともなく、下積み生活も体験したことのないオレが言っても説得力はないが、
やっぱ、オンガクするならアマチュアの方が楽しいぜよ!

…なんてことを再確認した今日この頃であった。




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