デジタルに脅かされ、デジタルに救われる

お待たせしましたっ。

それでは、2018年1月21日開催の 「そのひぐらしライブ」 に起こった、
身の毛がよだち、背筋も凍る、恐怖のPAトラブル についてお話しいたしませう。

会場は、清水市民文化会館 「マリナート」 の小ホール。
キャパシティ約300人の小ぶりながらとても立派な会場でした。

開演17時でしたが、念には念を入れ朝9時から仕込みを開始。

 この日のチャンネルプランはこんなカンジ。
「そのひぐらし は、4人組のアマチュアフォークロックバンド)
1 ボーカル1 (下手ギター) / Audix OM3
2 ボーカル2 (センターボーカル&ギター) / Audix OM3
3 ボーカル3 (上手ベース) / Audix OM3
4 ボーカル4 (後方ドラム) / Audix OM3
5 ベースアンプ / アンプのダイレクトアウトからPA直結
6 ギターアンプ / Sennheiser e906
7 エレアコギターアンプ / アンプのダイレクトアウトからPA直結
8 キック / Sennheiser e602
9 スネア / Audix D1
10 ハイハット / Beyerdynamic M422
11 タム / Sennheiser e604
12 フロアタム / Sennheiser e604 
13 オーバートップ L / RODE NT3
14 オーバートップ R / RODE NT3
15-16 BGM / iPhone から AirMac 経由でフォン接続

▼ アウトプット系はこんなカンジ。
メインスピーカー Electrovoice ZX5 を2対向
フットモニター Electrovoice SX200 をメンバー4人に一発ずつ設置
サイドフィル Turbosound iP2000 をカミシモに1発ずつ設置

ミキサーは昨年秋頃から愛用の Mackie DL32R
舞台下手袖に、ミキサーとパワーアンプを設置し、前述の AirMac により、
ミキサー操作は iPad アプリ 「MasterFader4」 にて遠隔操作。

ケーブル結線が終了し、回線チェックすると、
一部のスピーカーが鳴らなかったりノイズが出たりの第一トラブル発生。

いつもはチョーシ良く鳴ってくれているデジタルパワーアンプ
Vestax VDA1000 がオシャカになってる!
(しかも持ってきた2台とも同時にオシャカ!)

急遽、ヤマハのアナログパワーアンプ2台 (HC2700P2500) を
機材車から持ち込んで交換し、なんとか難を逃れる。

13時10分頃からリハーサルがスタート。
メンバーやゲストオーディエンス (?) のリクエストに耳を傾けながらひたすら調整。

15時30分頃にリハーサル終了。

今回、照明は会館スタッフに依頼してあったので、開演時のシークエンス
(客電落とし → BGMをフェードアウト → メンバー入場曲をポン出し → メンバー入場 → 
入場曲をフェードアウト → 1曲目のイントロ演奏 → 舞台照明点灯)
を照明スタッフと共にリハの最後に練習し、
メンバーがOKを出したところで約1時間の休憩に入りました。

ほどなく客入れとなったので、メンバーから指定のあった客入れBGMを流す。

念のため、BGM以外のチャンネルをミュートするワケですが、
BGM以外の14チャンネルをひとつひとつミュートするのは面倒なので、
「ミュートグループ」 を組んで、ボタンひとつで一括ミュート~解除ができるように設定。

そして、客入り状態を見計らって10分遅れで開演するとの業務連絡あり。

17時10分、練習したシークエンスどおりに客入れBGMをFOし、入場テーマをポン出し。
いよいよメンバーの演奏が始まる、というところでミュートグループ解除ボタンを押す。

メンバーの歌と演奏が始まりましたが、

すべてのマイク、インプットから音が出ない!

iPadアプリ上ではたしかにミュートグループが解除されたはず・・・なのに、
ミュート状態が継続しているように思えた。

ここで客席はドリフさながらのズッコケ状態。

ボーカルの熊井氏が機転を利かせて、MCで時間を繋いでくれている間に、
オイラはトラブルシューティングを行ったワケですが・・・

オイラが考えた原因は次のとーり

① お客さんが持ち込んだケータイ等により無線LANが混線し遠隔操作不能になった?
 →iPadアプリのフェーダー操作によりBGMの音量操作は可能なので、
  無線LANは正常なはず。

② ハードウェアのトラブル?
 →定番の 「再起動」 を行うが、ミュート状態のまま再起動するので
  何度繰り返しても事態は好転せず。
  iPadアプリ上ではミュート解除状態が表示されているのに。

結局、約10分間、シュートしてみましたがここでようやく本ミキサーの使用を断念。

ステージ上では、MCネタが尽きたボーカル熊井氏から
「17時45分から再演するので、一時休憩します」 
という提案があり、少し時間の猶予を得ました。

この時点で恐らく17時25分くらいだったと思われ。

急遽、機材車駐車場に走り、予備用デジミキ 「LINE6 M20d」 を搬入。

トラブった DL32R の真横、つまりステージ下手袖に M20d を設置し、
電源コード、無線LANルーター、LANケーブル等を接続。

続いて、DL32R に接続されているXLRケーブルを M20d に繋ぎ替える。
インプット1~14chとアウトプット系6ch。

M20d にはドラッグ&ドロップ操作で、プリセットのチャンネルストリップを
任意のチャンネルに割り当てる機能があるので、
チャンネルプランに沿って、1chずつプリセットを割り当てていく。

ここでマイクの回線チェックを行ったところ、音が出ることを確認っ!

続いて、無線LANルーターとiPadのWi-Fi接続と、
iPadアプリ 「StageScape Remote」 の動作を確認。

バンドにはミックスバランス調整のための演奏をお願いし、
「公開リハーサル」 状態で大まかなバランスを調整。

客席のPA座席 (といってもiPad置き用小机があるだけですが) に戻って、
微調整を繰り返す。

何とかバランスが取れたので、ここからようやく本番がスタート。

見事に17時45分でしたっ。


今回のトラブルはすべてPA担当のオイラの責任で、
メンバー各位、会館スタッフ、その他運営関係者、そしてお客さんには
謹んでお詫びするしかありません。

現時点で、DL32R のトラブル原因は未だ不明ですが、
ライブ終了後、アウトプット系の回線を再接続して、マイクチェックしたところ、
フツーに音は出ました。 

なんでやねんっ。

物理フェーダーを装備していないデジタルミキサーの欠点を痛感させられましたが、
その一方で、約15分でゼロの状態から全14chのバンドサウンド
調整できたのも、M20d のお手軽プリセット機能のおかげに他なりません。

M20d のチャンネルストリップのプリセットは、インプットの種類に応じて適切な
ゲイン、ゲート、コンプ、4バンドEQ、4系統FXセンド、等の値が設定されています。

もしこれが、通常のアナログミキサー、もしくは ヤマハ O1V96 等の
アナログライクなデジミキだったとしたら、とても15分で調整などできません。

終わってみれば

「デジミキによって窮地に立たされ、デジミキによって助けられた」

という、何とも21世紀らしいパラドックスを実体験した次第。


肝心の 「そのひぐらし のライブパフォーマンスはヒジョーに素晴らしく、
メンバーの情報によれば、概ねお客さんからのアンケート回答は良好とのこと。

PAトラブルさえなければ・・・ひえー。


さて、これに懲りて、デジミキはデジミキでも、物理フェーダーを備えた、
「ノーマルなデジミキ」 に逆戻りした方がいいのか、はたまた今回を含めて、
トライ&エラーを繰り返して、物理フェーダー無しの DL32R を使い続けるのか。

トラブルメーカーのオイラが言うのもナンですが、
安全パイを選んでいたらロケンローなんてできやしねーぜ。
オイラは DL32RiPad による ヴァーチャルミキシング を継続いたしますっ。

・・・もちろん、予備として LINE6 M20d は携行いたします。


ふー。



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▼ 月定例やまぼうしライブ







日時 2月9日 (金) 19時30分~21時00分
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし
料金 @500円 (ワンドリンク付き)
内容 19時30分~ BLUES和也 (イカサマロック)
    20時15分~ ノーザンスター (ギター弾き語り)




▼ 関連リンク












※オイラ20代の頃に加入していたアマチュアバンド アーバンギア のデモ音源です

※オイラがファン倶楽部会長(本人未公認)を務めるアマチュアミュージシャン あやあね のブログです

※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクトです

※オリジナル曲や関係各位のライブ音源等をアップロードしてあります

宅録作品や関係各位のライブ映像等をアップロードしてあります

※2004年に立ち上げたホムペですが2007年以降更新しておりません

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