ダイレクトアウトを装備したアナログ卓

オイラがデジタルミキサーを愛用する理由のひとつに、
「ライブのマルチトラックレコーディングに対応できる」 という要件があります。

言い換えれば 「アナログミキサーではマルチトラックレコーディングに対応できない」
と、オイラは判断 (断定) していたワケです。

(注) 厳密に言うと、現在オイラが所有しているデジミキのほとんどは、
本体のみでのマルチトラックレコーディングには対応しておらず、
adat端子を介して、オーディオインターフェースとDAWを併用しなければなりません。

ライブのマルチトラックレコーディングを行うために絶対に必要なハードウェアの条件のひとつに、
「各インプットチャンネルにダイレクトアウトを装備していること」 という要件がありまして、
デジミキにはアタリマエのように装備されているこの機能が、
現在、流通されているアナログミキサーに該当機種はない、と思っておりました。

ところが先日、知人と雑談しているとき、
「アレン&ヒースのアナログ卓にはダイレクトアウト端子があったような気がする」
と言われ、半信半疑で国内代理店 (KID) のサイトで確認してみると・・・

▼ALLEN&HEATH WZ3 16:2 の製品紹介ページ
http://www.korg.co.jp/KID/allen-heath/wz3/16_2.html

おおおおお~! ダイレクトアウト端子がある! 信じらんねえ~!

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いやいや、待て待て、ダイレクトアウト端子があったとしても、
ポストフェーダー信号しか取り出せないようではマルチトラックレコーディングには不向きだ。
果たしてダイレクトアウト端子に送る信号はプリかポストか?
ブロックダイアグラム図をダウンロードして確認してみると・・・

▼ブロックダイアグラム図 (PDF)
http://www.korg.co.jp/KID/allen-heath/support/manual/WZ3_16_blockdiag.pdf

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おおおおお~! ぬわんとプリ・ポストのいずれかに切換可能ではないか! すっげー。
(注:恐らく内部ジャンパー切換式と思われます)

ということは、このミキサーと外部MTRがあれば
「ライブのマルチトラックレコーディングが可能」 ということになるワケですが・・・

問題は、2013年現在において、
アナログ入力端子を16個以上装備している単体MTRが存在していない、という事実。
すでにディスコンフォステクス・タスカム・マッキー・アレシスの
16/24トラックHDRをヤフオクで物色してみましたが、本日現在の出品状況はゼロ。

うーぬ、やはりアナログ卓を使っての16トラック以上の
マルチトラックレコーディングは 「ほぼ不可能」 と言わざるを得ません。


ところで、この製品紹介ページを見ていて興味をそそられた点がもうひとつ。

内蔵エフェクト:
16種類のエフェクト・プログラムは、MIDI経由で外部ソフトウェアからエディット可能

MIDI経由で内蔵エフェクトがエディット可能ですと?
うーん、だったら最初からUSB端子を装備させろよ~とツッコミたくなります。
「MIDI経由」 ということは、つまりパソコンの他にもMIDIインターフェースが必要、
ということを意味します。

面白そうなので、アレン&ヒースの本社サイトに飛んで、
件の 「外部ソフトウェア」 なるものをダウンロードしてみますた。


この 「FX Editor」 なるソフトを立ち上げてみるとこんな画面が表示されます。

▼シングルモード(AUX5)
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▼デュアルモード(AUX5+AUX6)
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うーぬ、「これ以上ない」 ほどシンプルにしてわかりやすすぎるエディット画面。
MIDIチャンネル選択ウィンドウが気になりますが、
ミキサー本体にMIDIチャンネルを設定するパラメーターがあるのでしょーか?

恐らく2台のミキサーをカスケード接続する際に、どちらのミキサーを 「マスター」 とするか、
を認識させるための措置だと妄想しますが、なかなか芸が細かいです。

興味深いのは、シングルモード ( 「AUX5」 1系統を内蔵エフェクト送りに使用) では、
16種類のエフェクトが表示されるのに対し、
デュアルモード ( 「AUX5」 と 「AUX6」 2系統を内蔵エフェクト送りに使用) では、
8種類×2系統のエフェクト表示に変更となる点。
これは恐らく、デュアルモードではサンプリング周波数を半分に落としてDSP負荷を軽減する、
等の処理を行わず、エフェクトの種類を限定することにより、
音質を劣化させずにDSPパワーを確保するための措置ではないか、
と妄想しますが、実際のところはどーなんでしょう?

もしオイラがこの卓を使ってライブPAを行うのであれば、
AUX5でリバーブ、AUX6でディレイを使いたいところですが、
ミキサー本体ではプリディレイ、ディケイタイム、ディレイタイム、フィードバック等の
パラメーター変更が不可のため、上記エディターを併用することとなります。
しかし、残念なことにこのエディターには 「タップ・テンポ機能」 が装備されていません。
となると、ストップウォッチを使ってテンポ測定しなければなりませんが・・・
そこまでするとなると、タップ機能を備えた外部エフェクターを使った方が早そうですね。

なんつーか、デジミキが登場する直前の1990年代半ばのアナログ卓の趣を感じました。

思えばサンプル波形をパソコン (MAC) で編集できるソフトが登場したとき、
インターフェースにはMIDI (!) が使われておりました。
オイラはイヂったことありませんが。

マッキーの初代CR1604が登場した頃、パソコンを使ってVCAフェーダー機能を追加する
アタッチメントがあったと記憶しています。

久しぶりにあの頃のノスタルジックな使い勝手を思い出してしまいましたとさ。

ちゃんちゃん。









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   日時 : 10月11日(金) 19時30分~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー やまぼうし
   料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
   内容 : やまぼうし開店15周年記念スペシャルエディション
        北街道プロジェクト他出演予定
      https://2iqvfa.bn1.livefilestore.com/y2pXQwUoROOoea6ySqzV2ybN_HjpVyIlnitmIALH7ONAcj5KFcPKtE6EhqaRb7ji7NtwT09WH1vI35EEXS-_dsw3-44b-fus6LIzxVB5F-l1_c/20131011yamaboushilive_flyer.jpg?psid=1


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