25年前のハイテク機器のひとつだと思います

まずはこの写真をご覧くだされ。

Roland SBX80
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TASCAM MTS1000 (Midiizer)
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さて問題です。
このマシンは何をするモノでしょう?
即答できた方はかなりのキャリアを誇る宅録マニアとお見受けいたします。

上記製品はいずれも シンクロナイザー というカテゴリの製品です。

レコーディングの世界におけるシンクロナイザーとは何ぞや?
何と何をシンクロ (同期) させるためのマシンなんでしょーか?

答えは、MTRとMIDIシーケンサーを同期させるためのマシン」 であります。
(注:MTS1000はTASCAMのMTR同士の同期も可能!)

具体的な使用方法は、まず、シンクロナイザーから SMPTE という同期信号を発生 (ジェネレート)させ、
その信号音をMTRのいちばん端のトラック (例:16トラックMTRなら1か16) に録音します。

続いてSMPTE信号とMIDIシーケンサーのスタートポイントを合わせます。
たとえば、SMPTE信号の 「00時00分00秒00フレーム」 をスタートに設定する、など。

次に、MIDIシーケンサーを使ってオケを作成していきます。
MIDIシーケンサーでコントロールできる楽器は当然MIDI対応の電子楽器のみです。
仮にこの段階で、ドラム音源、ベース音源、エレピ音源の演奏データが完成したとします。

この後はいよいよ生楽器をMTRにレコーディングしていくワケですが、
まず、MIDIシーケンサーの同期モードを 「スレーブ」 に設定します。
すると、MIDIシーケンサーはスタートボタンを押してもシーケンスをスタートしません。
この段階でMIDIシーケンサーは外部 (シンクロナイザー) からの 「再生信号待ち」 状態になったワケです。

シンクロナイザーからMIDIシーケンサーに再生信号を送るには、
シンクロナイザーに 「00時00分00秒00フレーム」 の位置情報を持ったSMPTE信号を送らなければなりません。
つまり、MTRを再生しない限りMIDIシーケンサーはスタートしないワケです。

MTRを再生し 「00時00分00秒00フレーム」 の位置がくると同時にMIDIシーケンサーはスタートするので、
ギターをレコーディングする場合は、該当トラックを録音状態にして、シーケンサーのオケに合わせて演奏します。
(注:MTS1000の場合は、MIDIシーケンサーMTRを同期させることも可能!)

これを繰り返すことで、MTRの数少ないトラックを無駄にすることなく、多くの生楽器を録音することができます。
MIDIシーケンサーによって再生可能な音源をMTRに録音する手間が省けるワケですな。

ちなみに16トラックMTRと4台程度のMIDI音源をミックスする場合は、
当然ながら24ch以上のミキサーが必要となります。


気になるお値段ですが、たしかSBX80は40~50万円、MTS1000は25万円程度だったと記憶しています。
たかがこの程度の機能のシンクロナイザーが何故そんなにも高額なのかと言いますと、
実はこの2機種には 「テンポ情報がプログラム可能」 という必殺の機能が装備されていたのどすえ。

当時のMIDIシーケンサーでもテンポ情報のプログラムは可能でしたが、
MTRのスレーブに設定した場合、MIDIシーケンサーにプログラムしたテンポ情報は無効になるため、
シンクロナイザーの本体にテンポ情報を入力し、MIDIシーケンサーに追従させる必要がありました。

そして、シンクロナイザーに人間が叩くドラムのような 「ゆらぎ」 あるテンポ情報を入力させるために
搭載された機能こそが 「タップテンポ入力」 でありました。

タップテンポ機能とは、その名のとおり、タップボタンを 「タップする」 (叩く) ことにより、
シンクロナイザーに叩くタイミング (時間) を解析させ、
SMPTE信号とテンポ情報から曲の位置 (●小節目の●拍目の192分の1音符の●個分の位置) を割り出し、
MIDIシーケンサーにMIDIクロック信号を送る、という機能であります。

この時代において 「タップテンポ入力」 に対応した機材はごくわずかであり、
これこそが高級シンクロナイザーの真骨頂であったと思います。

山下達郎 師匠は、このシンクロナイザー (SBX80) のタップテンポ機能のおかげで、
ようやくフリーテンポの一人多重録音アカペラ作品をレコーディングできるようになった、とのたまっております。

現在のDAWならアタリマエのように装備されているタップテンポ機能でありますが、
つい25年くらい前までは、それはそれはハイテクな技術だったワケなんどす。


さらに言えば、MTS1000には同社のMTRをトランスポートする機能も装備しておりました。

実はオイラ、短期間ながら中古のMTS1000を購入~使用しておりましたが、
いやー、そのプログラムの煩雑さ、トランスポートのズンドコぶりに耐え切れず2年程で売却してまいました。
当時のプロのレコーディングエンジニアは、この複雑怪奇なマシンを自由自在に扱っていたワケで、
とてもオイラ程度の一介の宅録ヲタでは太刀打ちできないな~と実感したモンです。

ただ、この時代に多種多様なMIDI機器に触れられたことは、間違いなくオイラの財産になっていると確信します。
短期間ではありますがお世話になりました~。
ま、もう一度使いたいとはまったく思いませんけどね。(笑)




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  ▼ 富士宮市のライブハウス 「AERA」 プレオープンイベント
   = BAND WAGON vol.1 = に出演させていただきます
   日時  2013年4月21日 (日) 15:00開場、15:30開演、19:30終演予定
   場所  ライブハウスAERA (元Defy)
         富士宮市万野原新田ビラ江戸屋ボウル隣 (ジャンボエンチョー隣)
         無料駐車場 (共同) 100台、キャパシティ400人
   チケット 1200円 (ドリンク別)
        15:30~ Gamithythm
        16:15~ ONE EIGHTY
        17:00~ S&H
        17:40~ 深く潜れ
        18:20~ Superdry
        19:00~ eVoltA
        19:40~ ROCK54 ~Rock Go Juicy ←これだお

  ▼ シミフェスNO.12 ~駅近ピクニックに行こう!~
   日 時  2013年4月29日 (月・祝) 10:00~15:30 ※雨天中止
   場 所  JR清水駅東口公園
   ライブ  10:00~ 清水桜が丘高校吹奏楽部 (ブラスバンド
        10:40~ Woody Bell (アメリカンフォーク)
        11:20~ 福居八大 (津軽三味線
        11:55~ ノーザン☆スター (アコースティック)
        12:30~ Voice of Infinity (ゴスペル)
        13:05~ 牧野憲人 (アコースティック)
        13:40~ The Sally Gardens (アイリッシュ音楽)
        14:20~ mile mile (アカペラ)
        14:50~ 横前恭子 with Squeeze (ジャズ)
      http://homepage2.nifty.com/tiao-tk/2013shimifes12-1.jpg


  ▼ 5月定例やまぼうしライブ
   日時 : 5月10日(金) 19時30分~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー やまぼうし
   料金 : @500円 (ワンドリンク付き)
   内容 : NS-STICK 他 FJ-KOBA
        ギター弾き語り 他 BLUES和也
      https://2iqvfa.bn1.livefilestore.com/y1ppgmSUD-ltAtSARgUlcCfAqcTjLDhrNkke-Ir94E-TpmPYWxhAhxSz9H9bK9gCtUgAfTmEcD0X7lmyowadNK2XQlzY3U8ODLV/20130510yamaboushilive_flyer.jpg?psid=1


  ▼ 北街道の唄プロジェクト
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  ※故・森下よしひささんの名曲をCD化するというプロジェクト。
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