定番デジミキ O1V96 のココがゴイス! ノイズゲートの巻

ローカルなPA屋さんにとっては財政面において実に魅力的なデジタルミキサー
ヤマハO1V96 の機能について、不定期にブログっていきたいと思います。
今回はまず 「ノイズゲート」 について。

ノイズゲートとは、ダイナミクスエフェクターのひとつで、
その名のとおり主目的はノイズ (楽器や照明から発せられるブーンというようなノイズ)
をカットする機能が特徴である・・・と言う説明は実は正確ではなく、
実際は 「設定した値より小さい入力レベルをミュートする」 の方が正解となる。

つまり、ミキサーのチャンネルに入力された値がノイズレベル以下ならミュート、
それ以上ならミュート解除、つまり入力音をフェーダーに送る、と言うこと。

ノイズゲートでは、このミュートのオン・オフのことを 「ゲートを閉じる、開く」 と言い、
その値のことを スレッショルド (またはスレッジホールド) 」 レベルと称する。

通常、ノイズゲートのスレッショルドレベルはノイズをカットする最小値に設定するが、
当然ながら、目的によってその値は自由に設定して構わない。

前述のとおり、ノイズゲートは決して入力音からノイズ成分だけをカットする
ノイズフィルターではなく、入力音そのものをミュートするエフェクターなので、
目的外の音であれば別に 「ノイズ」 でなくてもミュートする用途に使用できる。

代表的な用途は、ドラムのタム類のミュート。
つまり、タム集音用マイクにスネアやハットの音が 「カブる」 ことを防ぐために、
たとえば、タムを叩いたときの音量が 「9」 であれば、スレッショルドレベルを 「8」 に設定することにより、
スネアを叩いたときにタム集音用マイクに入り込む 「目的外の音」 を自動的にカットすることができるワケだ。

他にも、これはあまりオススメできない用途ではあるが、
メインボーカル以外にコーラスマイクを多く使用する場合、
当然ながらコーラスマイクを増やせば増やすほどハウリングのリスクも高まるので、
コーラスマイクを使っていないときは自動的に入力音をミュートすることにより、
ハウリングマージンを稼ぐことができるワケだ。
ただし、歌い出しの瞬間の違和感を完全には解消することはできないため、
コーラスの方から 「なにか変です」 と言われる確率はヒジョーに高い。
このような場合は、事前にちゃんと説明して理解を得られるようにしておくことが大事ですな。

ちなみにノイズゲートは前述のとおりダイナミクスエフェクターの一種であり、
恐らく2005年以前の汎用デジタルミキサーには、
1ch当たりひとつのダイナミクスエフェクターしか使用することができなかった。
つまり、コンプレッサーとノイズゲート (あるいはエキスパンダー) の同時使用不可であったが、
O1V96をはじめとする最近のデジミキには、
1ch当たり2系統のダイナミクス系を同時使用可能となっているモノがほとんどなので、
タムにノイズゲートをカマして、さらにコンプレッサーを重ねる、と言う定番ワザが自由自在に使える。

アナログミキサー時代に同様のことを行おうと思ったら、
外付けノイズゲートとコンプレッサーを各16台、いや24台?32台?購入しなければならなかったワケで、
これだけでもどれだけデジタルミキサーの恩恵があるか、を今さらながら痛感します。

繰り返しますが、たしかにデジタルミキサーは使いにくい。
一目で設定がわかるアナログミキサーに比べれば使い勝手は格段に悪い。
しかし、費用対効果だけを見た場合、20万のデジミキは
50万のアナログミキサー+100万円相当の外部エフェクター以上の機能を備えている。
どちらを選ぶかは、ユーザーの 「やる気次第」 でしょう。






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