オリジナル曲か? カバー曲か?

一昨日のサナッシュでのライブ 「80sマニア」 は実に楽しいイベントだった。
6時間超のロングラン、大音量歪みギターの洪水、会場の外の寒さとは真逆の熱気ムンムンの空気、
と、ハッキリ言ってお客さんにとって 「やさしくない」 コンディションであったにもかかわらず、
なぜ、大勢のお客さんが1バンド目から最後のバンドまで途中退場することなく見てくれたのか?

答えは明白。
70~80年代ロック好きなお客さんが、そのジャンルの音楽を聴きに来ていたからに他ならない。

もっと具体的に言うなら、今回の出演バンドの条件が 「コピー曲限定」 であった点が何よりのポイントだと思う。
当然、見たことも聴いたこともない初見のバンドであっても、何となく聴き覚えのある曲を演奏してくれる。
これはお客さん的には実に大きなアドバンテージだ。


いやー、ロック好きならどこかで聴き覚えのある曲のオンパレード。
また出演バンドのレベルも高く、何よりそのコピーネタに対する異常なまでの 「こだわり」 が見え隠れし、
なんともヲタク度の高い、クドくてモタれるステージの連続であったことが特筆される。 (そうか?)

オイラはどちらかと言うと、
普段はオリジナル曲中心のアコースティック系ミュージシャンのライブを見る機会が多いので、
今回のように、ひとつの音楽ジャンルに特化したコピー曲限定のイベントライブ と言うのは実に新鮮だった。

オイラは昔からオリジナル曲に対するこだわりがほとんどなく、カバー中心のライブばかり演っていたが、
オイラの関係各位のほとんどはオリジナル中心の音楽活動を行っていたので、
実はほんの少しだけ疎外感を味わっていた。

そしてアコースティック系のミュージシャンが多数出演するライブイベントを見るにつけ、
「果たしてお客さんは、初めて聴くオリジナル曲ばかりで、本当に満足できているのだろうか?」
と、常日頃からそんな疑問を抱いていた。

しかし、オリジナル曲にこだわるミュージシャンがマジョリティ、
カバーオンリーのオイラはマイノリティであるので、
オイラの疑問に聞く耳を持つ者はほとんどいなかった (と思う)。

そして今回、カバーオンリーの6時間ライブを体験した率直な感想は・・・
「なんだ、やっぱりカバーオンリーの方がイベントとしては面白れーじゃねーか。」
でありますた。

断言するが、今回のライブ、もし、オリジナル曲が 「可」 であったとしたら、
十中八九、オイラは出演者であるにもかかわらず、申し訳ないと思いつつも途中退場していたはず。
そんなオイラをあの場所に留まらせた要因は 「知ってる曲がたくさんあったから」、これに尽きる。

まあ、カバーばかりのイベントライブに 「クリエイティビティ」 があるのか? と聞かれれば、
たしかにそこには疑問符がつく。
しかし、そのカバー元ネタを好きなお客さんを満足させる確率は、
一度も聴いたことのオリジナル曲のオンパレードのライブよりも、間違いなく高い。

カバーなど自分には不要だ! などと 「思い込む」 ことなかれ。
すぐれたカバーは、その表現者アマチュアミュージシャン) のオリジナル作品以上に、
お客さんに 「届く」 ものだと、オイラは信じたい。

それにしても冒頭にも書いたが、これだけの長時間イベントにもかかわらず、
出演者はもちろん、多くのお客さんが 「途中退場」 することなく最後まで見届けてくれた、と言うのは、
シミフェスのような、複数の出演者をブッキングするイベントライブに関わる
スタッフの一人として言わせてもらえば、奇跡的にゴイスなことだ。
(もちろん途中退場するお客さんだっていました、ただその割合が低かったと言うことです。)

オイラが知る限り、多くの出演者やその出演者目当てのお客さんは、
自分たちの出番直前に会場入りして、出番が終わればさっさと帰る、と言う方が少なくない。
「オレたちの歌と演奏は聴いて欲しい。でも他人のステージなど聴く気はない。」
と言う雰囲気がぷんぷんと漂っていると感じるが、実際のところはどうなんだろう?

まあ別に強制できることではないのでどーでもいいんだが・・・
ただオイラはそーゆー方々を見るにつけ、
「ああ、コイツは別に音楽が好きでライブを演っているワケではないんだ」
と、判断するだけのこと。

そー言った意味では、一昨日のサナッシュのライブは、
心底70~80年代ロックが好きなヤツばかりが集った、
「同志の集い」 のようなイベントであったと述懐する。
この一体感はなんなのさっ!と感じたのは、決してオレだけではあるまい。

いやー、このイベントに関わることができたのは本当に嬉しかった。
オマケに出演までさせていただいて。

主催者として現場を取り仕切ってくれた、たくろーさん には心から感謝です。
お邪魔でなければ次回もぜひ拝見させていただきたいと思いますっ。

ただひとつ要望を言わせてもらうなら・・・
やっぱり椅子席は数多く用意してもらいたいなあ~ (苦笑)




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