2009.10.03 ドリプラシーサイドライブレポート

ちょっち間が空いてしまったが、先週の土曜日に観覧したドリプラライブの模様をばレポートしていきませう。

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例によってドリプラシーサイドライブの告知サイトになかなか次回の予定が掲載されないので、
てっきり10月3日のライブは無しか、と思っていたら、直前の金曜日にようやく更新情報が掲載され、
そこには聞き覚えの無い出演者名が2組ほど表示されていたので、
ほー、どんな奴が出演するんだろう? と言う興味を抱きつつ、会場に向かったのであった。

さて、結果から言うと、この日のドリプラライブの内容は素晴らしかった!
これほどのクオリティのライブはなかなかお目にかかれない。 しかも観覧無料だし。
お客さんの数がいつもより少なかったのがヒジョーに悔やまれる。

ついでに言えば、静岡のアマチュアミュージシャンにもぜひ見てもらい、
自分たちのパフォーマンスの糧にして欲しいと思えるような、
オリジナリティ溢れるライブであったことを、まず先に強調しておきたい。

それでは出演順にレポートを綴っていきませう。



失礼を承知で書かせてもらうが、まず驚いたのは、ボーカルの こんや 氏には左腕がない!
だが、ライブが始まると、そんなハンデを感じさせない実に味のあるボーカルが会場に響き渡った。

そして自己紹介を兼ねたバラード調の1曲目が終わると、突然ドラムビートが鳴り出したので、
ふーん、打ち込みカラオケを使うんだ~、と思ったら、ぬわんとそれはカラオケではなく、
ステージ上手に立っていたメンバー (名前失念しました、失礼!) のボイスパーカッションだった!
オイラ、アカペラ関係のPAもそれなりにこなしてきて、ボイパもかなりの数を見聴きしてきたが、
この日聴いたボイスパーカッションは、間違いなく 「オイラ的史上ナンバーワン」 のボイパだった!

どうもボイパと言うと、ドラマー未体験の方が見よう見まねでビートを刻む、と言うイメージが強いが、
アルケミストのボイパは、まさにドラマーが叩いていると聴き間違えてしまうほど
本物のドラマー並みのグルーヴが感じられますた。
ハイハットのクローズとオープンのタイミング、スネアの強弱、キックのアタック、
実にモノホンっぽいフィルインの符割の妙、等々。 いやー、素晴らしいっ!

オイラも一応ドラマーの端くれであるが、このボイパと同じグルーヴを叩けと言われても、
それはできない相談だな~と直感ちまいやした。

かつて 山下達郎 師匠は、自身のDJ番組の中で、
「ボイスパーカッションなんて丸一日練習すれば誰だって簡単にマスターできる!」
などと言う暴言を吐いていたことがあり、オイラも、へー、そーゆーモンかー、と思っていたが、
さすがにこの日のボイパくらいのクオリティになると、そーゆーワケにはいかないだろう。

特に強調したいのは、日本人が苦手とする3連係16ビートのグルーヴを自在に操っていた点。
ちなみに先日の あかぺら横丁ライブ では、このビートを聴くことはありませんでした。

そして、この超強力なボイパに乗せて、ステージ下手の 井尻 氏のピアノが絡んでくるのだが、
このピアノの伴奏がまた素晴らしかった。
聴きやすいメロディーながら、実に心憎いおしゃれなコード進行を使っていて、
思わず聴いてるこちらがニヤリとしてしまうような多彩さでありますた。
転調 (移調) ワザも随所に織り込まれていて、音楽性の高さが伺い知れますた。

それにしても 「ボーカル+KB+ボイパ」 とは、なかなか目の付けどころがオイシイ編成ですな。
じゃあオレも真似してみよう~、と思ってもそうは問屋が卸さない。
前述のとおり、このバンドのボイパのテクニックは半端なくゴイスであったから、
恐らく人並み程度のボイパが同じようなことをやっても中途半端に終わるのが関の山と思われる。

総じて、オリジナル曲やボーカリゼーションの雰囲気が ハナレグミ を彷彿させるように感じたが、
オリジナル曲のクオリティは決してハナレグミに負けていないと思う。

いやー、いるところにはいるモンだなー、と思ったら、
すでにインディーズデビューしていて、東京を中心に活動中であるとのこと。

なーる。

逆を言えば、プロになるにはこれぐらいのクオリティが当然のように要求される、と言うことなのだろう。
恐れ入りました。


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土佐拓也

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二番手に登場したのは、ガットギターを抱えた、地味でか細いカンジのするワカモノ。

アルケミストの素晴らしい演奏の後ではさすがにやりにくいだろうな~、と見守っていたら、
ぬわんと、アルケミストに負けない、実にクオリティの高いステージを繰り広げ、
ハッキリ言ってオイラ、かなりの衝撃を受けてしまいますた。

まず最初はピンで登場し、ガットギターを指弾きしながら歌い出したのだが、
そのギターテクが半端なく上手い! さらにスキャットを織り交ぜたボーカルも素晴らしい!

ギターの右手のフィンガリングだけを見るとボサノバっぽいカンジがするのだが、
コード進行や主旋律、符割等はまったくボサノバとは別物の土佐拓也オリジナルで、
先ほどのアルケミストがコード先行型とすれば、土佐氏のオリジナル曲は、
スキャットをまぶした独特のボーカリゼーションを生かしたパフォーマンス重視のメロディ、
と言う印象を持ちますたな。(我ながらかなり強引な表現ではあるが)

2曲目からはサポートメンバーの女性2人 (ピアノ+ビオラ) を加え、
さらに完成度の高いオリジナル曲を披露してくれたワケだが、
ドラム、パーカッションと言ったリズム隊がいないことを逆手に取り、
曲の途中で自在にグルーヴチェンジを行う様がまた見事だった。

スローなテンポの白玉系メロディでAメロをスタートさせたかと思えば、
Bメロの直前でアイコンタクトを取り、バックビートの強いミディアムテンポに移行したり、
途中でピタっと演奏を止めて、再びスローなAメロに戻るなど、
実に心憎いアレンジ、演出が光っておりましたな。

アルケミストに比べるとコード進行そのものは特別に奇をてらった感は少なかったが、
定番のペダルポイント進行やら、あまり聴き覚えがない転調ワザを駆使したりと、
そこかしこに勉強、試行錯誤、練習の積み重ねの跡をヒシヒシと感じ取りますた。

あとオイラ的に意外だったのは、ギター、ピアノ、ビオラ、と、
音域のレンジ的にダンゴになりそうな楽器が並んでいるにも関わらず、
それぞれの楽器が他の楽器の音域を邪魔していないように聴こえたこと。
果たしてこれは、クローズドボイシングを使った計算ずくのアレンジの成果なのか、
はたまた偶然のタマモノなのかは定かでないが、
結果的に実に心地良いアンサンブルであったことは間違いない。

ちなみにこの 土佐 氏もインディーズでCDデビューしており、東京を中心に活動中とのこと。

くどいようだが、プロになる人材はオイラ程度のアイディアを凌駕する 「実力」 を持っているのだと、
再認識した次第でありますた。

▼土佐拓也のホムペ
http://amsj.biz/takuya/

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Order Queen

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三番手に登場したのは、地元清水で活動中のアマチュアバンド。
ちなみにバンドネームの 「オーダークイーン」 は、清水の方言である 「おだっくい」 のモジリでありやんす。

オイラ的には三度目の目撃となるオーダークイーンのステージは、
決してパフォーマンスレベルは低くなかったと思うのだが、
さすがに前の二組が尋常でないレベルであったため、霞んで見えてしまったのは致し方ないところ。

スカやジャズの要素を取り入れながらも、得意の 「港かっぽれ」 も健在であったりと、
なかなか楽しめるステージ構成であったと思いますぞ。

オイラ的には最後に演奏したハービー・ハンコックウォーターメロン・マン がツボでしたな。

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と言うワケで、図らずも無料で素ン晴らしいステージを目撃することができたこの日のドリプラライブ。
いやー、返す返すお客さんの数が少なかったことが悔やまれますなー。

さて、今月18日の日曜日は、
オイラたちオヤヂバンド ROCK54 もこのステージに立たせていただくワケだすが、
果たして、この日の東京からやってきた実力派のワカモノたちに匹敵するような、
素晴らしいステージをお届けする・・・ことなど到底できないとは思うが、
オイラたちのベストパフォーマンスを繰り広げる所存であります故、
ぜひぜひお出でいただきたいと思っとります。

よすなに~!




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  ▼ Recording Studio GARAGE MIHO(本館)はこちら
   http://www.geocities.jp/garage_miho

  ▼ 10月定例やまぼうしライブ
   日時 : 10月9日(金)19時30分~21時00分
   会場 : コーヒー&ギャラリー やまぼうし
   料金 : @500円(ワンドリンク付き)
   出演 : 19時30分 荒井豊 (静かなギター)
        20時15分 あぶぅ (骨太ロック魂)

  ▼ ドリプラシーサイドライブに出演します
   日時 : 10月18日(日)時間未定(恐らく15時頃スタート)
   会場 : エスパルスドリームプラザ海側デッキ
   料金 : 無料
   出演 : ROCK54 、ほか(未定)

  ▼ 渋ロックフェスティバルに出演します
   日時 : 10月25日(日)18時30分開場、19時00分開演
   会場 : ライブハウスUHU
   料金 : @1500円 (ドリンク別)
   出演 : 昭風堂、SHIN-RA、BLUES和也 、ほか

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