第7回静岡あかぺら横丁ライブレポート

さて、それでは一昨日の9月26日 (土)、
清水エスパルスドリームプラザにおいて開催された 静岡あかぺら横丁ライブ の模様などを
雇われPA屋の視点から、反省点を中心にレポートしてみようではあーりませんか。

もうすでに多くの方が 「成功に終わってよかったね~」
と言う内容でブログ等を書かれているのを散見する。
たしかに回を重ねるごとに内容も運営も良くなってきていると思う。
つーか、回を重ねるごとに悪くなってきているんじゃあお話しにならないでしょう。

ハッキリ言って、ちょっち冷めた目で見れば、キャリア相応に良くなっている、
つまり適度な 「進化状態」 であって、爆発的に向上しているワケではない、とも言える。


まず第一の反省点、それはズバリ、県内バンドのレベルが低いこと。
恐らく 「県内バンド vs 県外バンド」 と言う視点で見たら、間違いなく県内バンドは惨敗でした。

オイラも静岡県アマチュアミュージシャンの一人であるからして、
もっと飛び抜けた実力のある県内バンドの活躍を渇望するものであるが、
どうひいき目に見ても、音楽的実力、パフォーマンス力、ステージ度胸、等々
どーしても県外バンドの方が一枚も二枚も上手だったと思う。

なんつーか、このイベントに臨む県内バンドの姿勢は 「発表会」 的で、
完全アウェー状態で乗り込んでくる県外バンドの 「対外試合」 的な姿勢とは、
根本的にイベントに対する覚悟に違いがあるように感じられた。

どうも、一般のお客さんを前にしたイベントであるにも拘わらず、
サークルや同好会の仲間の前と勘違いしているような、
身内ノリ的な意識でパフォームしているようなバンドが、少なからずあったのではないか?

もう何度も書いているがアカペラライブの利点であり、最大の欠点は、
出演者の数が多い=無理して一般のお客さんを集めなくてもそれなりにカッコがつくと言う点にあり、
出演者は常に多くの身内の前でしかパフォームしていない、と、オイラは見ている。

つーか、色々なバンドがごった煮的に出演するイベントには出たがらないような印象も持っているが、
これではステージ度胸がつくワケなどないだろう。

無責任な提案をさせてもらうなら、たとえばライブハウスが企画する大音量ロックバンド出演のイベントに、
単身一組だけアカペラグループで出演して、ディストーションギターサウンドに対向する、
等の挑戦をしてみるのも面白いと思ったりもする。

ついでに言えば、県内バンドの多くはカラオケ的な歌い方が目立ち、
ハッキリ言って声量が小さく、マイクの使い方にも慣れておらず、決定的なのはMCがヘタなこと。

オイラは一応バンドマンなので、当然、楽器を買う予算が必要だし、
練習するにはリハーサルスタジオを使わねばならず、毎回それなりの費用がかかってくる。

それに比べればアカペラーたちが練習に要する費用はかなり安上がりに済むのではないか?
と言う部外者的感想を持っているので、せめてイベント前の練習くらいはリハスタに入って、
ステージと同じ立ち位置で、鏡を見ながら、マイクを使って、本番と同じMCを入れながら、
最終確認を踏まえた練習を行うくらいの投資は当然だと考えるが、いかがなものか。

可能であれば、次回イベントでは、ぜひお客さんアンケート、身内アンケートの両方を実施して、
どれだけ見ている方と演っている方とで 「意識の違い」 があるかを検証してみてはどうだろうか。

あと、オイラ的音楽嗜好の面から言わせてもらうなら、意外と音楽ジャンルの幅が狭いようにも感じられた。
オイラは山下達郎の大ファンであるゆえ、アカペラと言うとどーしてもドゥーワップ的感覚を抱いてしまうが、
残念ながら50~60年代黒人コーラスグループのフォロワーを見た事がほとんどない。
逆にJ-POPのカバー、ジャジーなアレンジ、AOR的ハーモニーがほとんどのような気がする。

もっともっと自由な発想、奇想天外なパート構成、奇天烈なステージング、等々
アイディア次第でオリジナリティを広げる可能性は限りなくあると思うのだが。
たとえば・・・
・ボイスパーカッションが一人だけと言う規制はない。
プログレ、ヒップホップ、テクノ等、アカペラとは縁遠いジャンルのカバーがあってもいい。
・メンバー全員がヘッドセットマイク着用のダンスやパフォーマンスメインのバンドがあってもいい。
等々。


・・・とまあ、とりとめもなく否定的意見をメインにブログらせていただいたが、
恐らく身内同士のブログではなかなか書きたくても書けない事情もあるだろうと思いますんで、
しがらみのない第三者的関係者の視点と言うことで、少しでも参考になれば幸いどすえ。


最後にこの日のPAシステムについてだが、
基本的に従来と同じ、エレボイ ZX5 をメインスピーカーに、
エレボイ SX200 をFB (フット、サイド) に配する、と言うオイラ的スタンダードセット。

メイン卓は ヤマハO1V96、アウトボードは べリンガー DEQ2496
tc.electronicの 1128 でありやした。

途中、デジタルグラフィックEQの不調のせいなのか、メインスピーカーの音が途切れると言う、
PA屋的にはあり得ないトラブルに見舞われてしまい、言い訳のしようもないが、
瞬時にトラブルシューティングできたのは不幸中の幸いであった。


何はともあれ、事故なく、重大なステージトラブルなく終了できたので、
イベントとしては 「成功」 と評価することに何ら異存はありませぬが、
現状で満足していてはこれ以上のスキルアップは見込めないので、
実行委員各位はもちろん、出演を目論んでいるアカペラー諸兄におかれては、
何をどう工夫、改善すれば、よりお客さんにインパクトを与えることが出来るのか、
その結果、自分たちにどれだけの充実感を得ることが出来るのか、
熟慮されることを強~く望みます。

よすなに。


(画像は後日改めてアップする予定ざんす)