“アースクウェイク”ビッグ・ジョン・テンタ 死去

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昭和プロレス者には懐かしいレスラーがまたひとりこの世を去った。
2006年6月7日(現地時間)、享年42歳。死因は白血病とのこと。

カナダ出身の好青年ジョン・テンタは、1985年に大相撲入りするも(四股名:琴天山)
角界のしきたりや風習に馴染めずプロレスへの「再就職先」を求めた。
新日本・全日本の会場に何度も足を運んだすえ、
彼がセレクトしたのは王道・全日本プロレスの門だった(1987年)

当時の全日本は、まだのほほん時代だったと記憶しているが、
その後、長州らジャパン勢が殴りこみをかけ、天龍革命勃発するに至っては
ハードヒッティングファイトが日本の主流となり、
テンタののほほんプロレスの出る幕はなくなっていき、
ついには日本マット界からフェードアウトしてしまうのだった。

ちなみにオレは、天龍革命直後にマッチメークされた
天龍vsテンタのシングルが印象深く、今でもフィニッシュを鮮明に覚えている。
(ブレーンバスターからの体固めで天龍の勝ち)

日本マット界での居場所を失ったテンタは、
アメリカに新天地を求め、当時イケイケだったWWF(現WWE)に入団(1989年)
そこで“アースクウェイク”のギミックを与えられ、
同じく“タイフーン”を名乗ることとなった巨漢レスラー(前名失念)と
ナチュラル・ディザスターズ”を結成し、WWFマットを席巻する活躍を見せ、
ここにようやく彼の持ち味が発揮できることになる。まさに絶頂期であった。
後にこのコンビは天龍率いるSWSマットにも参戦し同団体のタッグ王者にもなる。

WWF退団後は、WAR、新日、Uインターを渡り歩くも
いつしか情報は途切れこのままフェードアウトかと思っていた矢先に、
天龍が今夏に「WAR復活祭」の開催を発表。
テンタもメンバーに入っていたとのことだったのに残念無念。

テンタと言えば真っ先に思い浮かぶのが、
SWS時代に北尾と繰り広げたシュートまがいの喧嘩試合。
だが、テンタにとっては売られた喧嘩を買っただけの話で非は100%北尾にあった。
結果的にこの一線で「シュートにも強い」とのハクをつけたわけだが、
結局その強さも発揮できずに終わってしまった。

とにかくいつもニコニコしていて怒った顔を見たことがないと言う、
レスラーにとっては致命的な(?)欠点が、翻って彼の魅力であった。

現在の「ハッスル」当たりであれば、まだまだ使えそうなキャラクターだが、
ハッキリ言って類似キャラは数多く(例:吉江豊)、
テンタが日本でブレイクできる可能性は限りなくゼロに近かった。

日本に近しいレスラーではあったが、
残念ながら最後まで日本のファンに強烈な印象を残すことはなかった。

体力・才能に恵まれながら「人の好さ」のため、
他人を押しのけてまでトップに上りつめることができなかったカナダの好青年に合掌。


▼参考:某スポーツ記事より引用

(前略)…同じ大相撲出身の天龍源一郎(56)は
「若すぎる。いつもニコニコと人懐っこい笑顔が忘れられない」
と突然の訃報(ふほう)を信じられない様子。
全日本時代からつながりが深い。

天龍が91年にWWFに遠征した際には、
既に一流選手の仲間入りをしていたテンタさんが身の回りの世話を務めてくれた。
レスラー仲間にも「オレの大相撲の先輩だ」と紹介するなど敬意を持って迎えてくれた。
逆に天龍も92年にテンタさんとWWFの契約が切れると
真っ先に声を掛けてSWSに参戦させるなど気に掛けていた。

天龍は「7月27日のWAR復活大会にも呼びたいと話し合っていた。本当に寂しい」
と無念そうに話した。

当日は追悼の10カウントゴングなどのセレモニーも考えるという。




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